イスラム国の人質殺害事件は本当にやるせない。物見遊山で行ったわけではなく、報道などを通じて平和を願う純粋な思いからのものだけに憤りを覚える。世界中の哀悼の意が伝えられているが、こうした事件が起きると、政府の責任を問う筋違いの批判が起きるのはさておき、「自己責任」という非難の言葉が沸き起こるのが常だ▼「ブラジルだからしょうがない ...
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樹海
1月31日、連邦直轄区で23歳の若者が運転するポルシェが立ち木に激突し、大破する事故が起きた。車は3日前に父親が買った物で、事故の前日に保険契約を終えたばかりだった▼これを聞き、12年3月17日、当時、ブラジル一の資産家だったエイケ・バチスタ氏の長男トール氏が、リオ州の高速道で起こした死亡事故を思い出した。この息子は交通違反の ...
続きを読む »格差拡大する世界からみた日本のすごさ
話題のフランス経済学者トマ・ピケティ著『21世紀の資本論』の概要は《資産によって得られる富の方が、労働によって得られる富よりも速く蓄積されるため、資産家はより裕福になりやすく、資本主義経済が続く限り、格差は拡大し続ける》(週刊新潮昨年11月20日号)ことだという▼同号いわく《アメリカは1%の「勝ち組」が富の93%を手にする「超 ...
続きを読む »「デカセギ」から「在日ブラジル人」へ
ついつい「デカセギ」という言葉を使いがちだが、考えたほうがいい時代になったようだ。日本のポ語雑誌『アウテルナチーヴァ』21日付電子版は《在東京ブラジル総領事館で20日に開催されたブラジル・ビジネス・グループのアジア部会で「ブラジル人はもう日本でデカセギと見られるべきではない」と群馬県大泉町の観光協会副会長が認めた》と報じた▼大 ...
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昨年末から年初にかけて、約1カ月の休暇をとった。年に1度、思う存分羽を伸ばせるのがブラジルの良さだ。いや、むしろそれが世界の標準かもしれないが▼今年は、バイーア州都サルバドールを訪ねた。海が望めるホテルに泊まり、歴史地区ペロウリーニョを周遊し、リオ・ベルメーリョ区で旨いと評判のムケッカと作りたてのアカラジェを賞味し、舌福(ぜっ ...
続きを読む »「日本とブラジル、どっちの方が良い?」
「日本とブラジル、どっちの方が良い?」―道端で偶然つかまえた非日系のタクシー運転手から、そう聞かれた。コラム子が日本生まれだと分かると、多くのブラジル人はそう尋ねる。日系人の多くが日本に向かうデカセギブームの真っ最中に、逆方向に来た天邪鬼だから、この種の質問は数えきれないほど受けた。「ブラジルは良い国だけど治安がね…」と返事を ...
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24日付2面でも取り上げたが、ペトロブラスを巡る大型汚職「ペトロロン」で告発された企業の一つ、エンジェヴィックスの副社長の弁護士が「ペトロロンは労働者党(PT)が政権維持のために仕組んだもの」との文書を提出した▼自政権を維持するための議会工作用資金捻出のためにペトロブラスを巡る契約を悪用、選挙時も献金の形で金を出させていたとい ...
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アルゼンチンの戦前移民の女性宅に食事に招かれたことがある。移住以来、日本に帰ったことがなく、「食事も現地のものばかり。口に合うかどうか」と恐縮気味。何を作っているのかと尋ねると、「日本語でなんと言ったらいいのかしら…」と首をかしげ、思いついたように「そうそう、西洋うどんよ!」。何だろうと考え込んでいると、出てきたのはスパゲティ ...
続きを読む »今年はゆがみを正す年に
「原油価格が世界的に大幅下落をする中、唯一ガソリンが上がっている」そう経済評論家はブラジルを卑下する。財政政策のゆがみを正すべく、レヴィ財相が燃料増税を発表したからだ▼当地経済の要はペトロブラス(石油公社、PB)。インフレを抑えるために、PBは高い石油を輸入して安く売る不当な経済活動をここ数年続けさせられ、財務体質を悪化させて ...
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阪神淡路大震災から20年。我が家はあの年、日本で年を越し、次女の妊娠を確認した後、震災前夜の16日夜、ブラジルに戻る飛行機に乗った。何も知らずにブラジルの空港に着き、迎えに来た人達から「大丈夫だったか」と訊かれて戸惑った事も思い出す。17日のNHKの特別番組であの年に生まれた人が成人式とも聞き、時の流れを感じた▼サンパウロ市で ...
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