年明け早々の7日、ブラジルでのコロナ死者が20万人の大台を超えた。コラム子が生まれ育った静岡県沼津市の人口がちょうど約19・5万人。それが消滅したぐらいのインパクトだ。 このパンデミック生活の中で西洋社会的な風潮、「Combater(撲滅する、打ち勝つ)」「Guerra Contra Virus(対ウイルス戦争)」などの言葉 ...
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《記者コラム》医療崩壊中のリオで500人のパーティを開こうとしたネイマールの品格
「本当に何歳になっても成長しないな」。年末年始のネイマールの行動を見るにつけ、そう思わざるを得なかった。 ネイマールは2020年の年越しパーティを、医療崩壊中のリオのコンドミニオ(隔離された高級住宅地)で100人以上の招待客を呼んで行った。コロナ禍が世界中で恐れられている中、この人数だけでも呆れるが、当初の予定では500人ほ ...
続きを読む »短期間でワクチン開発ができた理由
中国が新型コロナウイルスの存在を世界保健機関に通達したのは一昨年の12月31日。ウイルスの形状や症状が2002年に流行したSarsに似ているため、9日後にはSars―CoV―2という名前が付いた。この迅速さは科学が日々進歩している証拠だ。 新型コロナのワクチン開発中は、「こんなに短期間で安全なワクチン製造は不可能」と訴えるビ ...
続きを読む »≪記者コラム≫コロナ世界大恐慌の日系社会を回顧、新年を展望
「コロナ世界大恐慌」的様相を呈した2020年 「自分が生きている間に、こんなひどいことが起きるなんて想像もできなかった」―パンデミックの間、編集部に電話をくれたたくさんの読者と話をしていて異口同音にこの台詞を聞いた。読者の大半は80代、90代だから、昨年我々はどれだけ特殊な体験をしたかが浮き彫りになる。 「息子たちが外に出し ...
続きを読む »≪記者コラム≫つまるところ「ウイルスと共生」の新年か
《2021年は、人類が(新型コロナウイルスに対して)防御から攻撃に移る年になります。未感染者に対して、ウイルスとワクチンのどっちが先にゴールに到達するかという競争を観察する年になりそうです。このレースのスタート地点は、すでに感染して免疫を持っている15%から25%の国民で、免疫所持者が70%から90%になったところで終了します ...
続きを読む »《記者コラム》リオ福音派が最悪の形で迎えるクリスマス
今年も早いものでもうクリスマスだ。今年は前代未聞のコロナ禍で、誰にとっても苦い1年であったことは間違いない。だが、ブラジル内のキリスト教関係者中で、2020年がもっとも苦いものとなったのは間違いなくリオの福音派だろう。そのイメージを悪化させる事象が、これほど立て続けに起きた例もあまりない。 まずは6月に発覚した、有名ゴスペル ...
続きを読む »《記者コラム》「やみの中を歩んでいた民は、大きな光を見た」
クリスマスの時期に読まれる聖書箇所に、イザヤ書9章2節「やみの中を歩んでいた民は、大きな光を見た。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が照った」がある。 この言葉は、北イスラエルを滅ぼしたアッシリアがガリラヤ地方に他国人を移住させたりして、「神の民」を自任するユダヤ人が恐怖や屈辱、絶望の闇の中を歩んでいた時に語られたものだ。 ...
続きを読む »《記者コラム》「日本語勉強すれば幸せになれる」多文化論
「なぜブラジルで日本語を勉強するのか?」――19日午前、オンラインで南米全伯日本語教育会議のプレ会議が行われ、50人以上が参加して日本語教育の将来を熱心に討議した。来年2月27日実施予定の本会議の予備会合という位置づけだ。 閉会式の挨拶で、主催したブラジル日本語センターの日野寛幸副理事長は「われわれが英語ではなく、日本語を教 ...
続きを読む »《記者コラム》やはり「あれ」は介入だったのか?
11日に発覚したブラジル情報局(ABIN)による、大統領長男フラヴィオ上議のラシャジーニャ捜査揉み消し疑惑。これまでも数々の疑惑と騒動を巻き起こしてきたボルソナロ大統領だが、これは致命傷にもなりかねない、きわめて危うい疑惑だ。 報道された内容はもちろんひどいものだ。国の諜報機関が、大統領の息子の犯した犯罪を反故にするために個 ...
続きを読む »《記者コラム》公私混同のリーダーと踊らされる支持者
ボルソナロ大統領が15日に「私は予防接種を受けない」と断言した。700万人が新型コロナに感染し、18万人以上が死亡しているのにだ。 たとえ大統領でも、単なる「一個人、一般人として」と限定して言う分には、何を考えても何を言っても自由だ。だが、大統領という肩書がついた「公人として」なら話は別だ。どこで何を語り、どう行動するかは慎 ...
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