ニッケイ新聞 2012年10月3日付け 定年後、 昔取った杵柄を振るう場所を与えられなければ、仕事だけの人生を送ってきた人は辛い。幸い文章を書く仕事はどこでも居場所を見つけられそうだが、意外にそうでもない。コロニア記者の先輩方も一線を離れてしまうと、握力が鈍るのか筆を握ろうとしないのは残念だ▼本紙元社会部長で先月25日に亡くな ...
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コラム 樹海
ニッケイ新聞 2012年10月2日付け その昔—自民党の総裁選挙には「ニッカ」「サントリー」「オールドパー」と言われ政界の裏面では巨額なカネが往還していた。ニッカは2陣営から資金を貰い、サントリーが3陣営、オールドパーは全ての陣営からのカネを手にしパー(白紙投票)にするというのだから、まあ驚くしかない。佐藤内閣の後継者を選ぶ7 ...
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ニッケイ新聞 2012年9月29日付け 東京の—いや日本の顔が、1914年(大正3年)に完成した姿に戻りあの優雅な赤煉瓦の駅舎が見事に復元された。明治建築界の重鎮で日本銀行本店の設計もした辰野金吾博士が、赤煉瓦を白い花崗岩で縁取り、屋根は黒のスレートを敷く見事なばかりの美意識を発揮したのが東京駅である。あの戦災で空襲に直撃され ...
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ニッケイ新聞 2012年9月28日付け ブラジル経済の潮の変わり目か——。24日のブラデスコのクレジットカード利子半減の発表は、他主要銀行にも波及し朗報として歓迎された。その裏で政府は伯銀と連邦貯蓄銀行に計210億レアルのクレジット資金注入を21日に発表していた。この二つのニュースは明らかにコインの裏表だ▼過去最高の借金水準に ...
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ニッケイ新聞 2012年9月27日付け 紙面づくりに携わりながら「交流」という言葉が頻出するとつくづく思う。「青少年」「人的」「学部間」「市民」などなど。日本の夏休みである8月は、編集部にも特に訪問客が多く、全く結構なことだ。実のあるものに繋がらなくとも、互いの気持ちに好意は残る▼もっと大きなレベルになったものが姉妹州県であり ...
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ニッケイ新聞 2012年9月26日付け 「日本とブラジルに一対七を生きなお母国語にわれは執しつ」(小野寺郁子、『椰子樹』6月号)には歌詠みの業が刻まれている。同号に掲載された明治神宮春の大祭短歌大会の特選歌「満州に生まれ南米に果つるとも育ちし国は大和まほろば」(富岡絹子)も、まさに移民の切ない心情を詠い込んだ秀作だ▼全伯短歌大 ...
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ニッケイ新聞 2012年9月25日付け ケネディ大統領は、多くの女性と不倫な関係を抱え、ジャクリーン夫人も浪費家であり、派手な「恋物語」?で話題になりもした。未亡人になるとオナシスと再婚、買い物狂いに熱中し、移民上がりのおカネ持ちも怒り心頭に達したそうな。まあ、これは内輪の話だが、お二人のヌードが盗撮され「ハスラー」に掲載され ...
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ニッケイ新聞 2012年9月22日付け 日本の「敬老の日」は先の9月15日だったが、この祝日に行われた調査で「百歳以上が5万人を突破」したそうだ。勿論、初めてのことであり、なんとも喜ばしい限りである。昨年に比べると3620人も増えて5万1376人にもなったのだから—これはもう驚くしかない。町や村の古老らは、還暦を迎えた熟年たち ...
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ニッケイ新聞 2012年9月21日付け 診察のために毎月通っているサンパウロ市のクリニカス病院は、コラム子にとってブラジル社会を学ぶ教科書のような存在だ。まるで一つの町のように巨大な同病院には、USP教授やインターンなどまさに当国一流のエリート層が医師陣として、勤勉な中産階級が職員として、SUS(国営無料健康保険)を使う庶民層 ...
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ニッケイ新聞 2012年9月20日付け 「スドクって知ってます?」とある年配の方に聞くと「本を読むことでしょ?」と返された。「それは…素読でしょ」。先方の耳が遠いのか、当方の滑舌が悪いのか。しかし本紙読者を含め、年配の方はよく知っているのでは。いまや世界で通じるSUDOKUである。実際の読みはスウドク▼本紙は今月29日午前10 ...
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