ニッケイ新聞 2012年9月4日付け 近頃は珍妙で奇妙奇天烈な物が次々に現れ、科学に弱い向きは、ただただ呆然自失し世を眺めている。その昔—コメ作りは大変な苦労であり、一粒のコメには88回も手間が掛かっていると教わった。確かに代掻きや田植え、草取りは辛く苦しい。それが今や機械化され、草取りまでもロボットだから—これはもうびっくり ...
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コラム 樹海
ニッケイ新聞 2012年9月1日付け ブラジルにも来たことがある評論家・大宅壮一さんは、戦後の学制改革の直後に「駅弁大学」と喝破し評判になった。戦前は、旧1高や3高から旧帝大へと大学は少なく、学生は「末は博士か大臣か」とされ教授ともなれば、将に神様のような存在である。ところが、マッカアサー元帥の指令によってかアメリカの学制を採 ...
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ニッケイ新聞 2012年8月31日付け 4月8日付けエスタード紙には「旧ナチス党コロニアが解体へ」との記事が出ていた。サンパウロ市から260キロのパラナパネマ市にあるその南十字星農場は、ブラジル統合行動(AIB)というファシズム運動の信奉者によって1930年に購入され、リオの孤児院から連れてきた子供50人を〃奴隷労働〃させた場 ...
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ニッケイ新聞 2012年8月30日付け 日々の雑事にかまけ、気がつくと8月末。ブラジルに腰を落ち着けつつも、年の感覚はまだ日本。新学期も始まった。退陣しそうにない炎帝の圧政に息も絶え絶えながら、秋の訪れを待つ人々の声を聞くにつけ、1年の短さを感じる。気を取り直して8月の言葉から▼現在、ブラジル映画「汚れた心」(Coracoes ...
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ニッケイ新聞 2012年8月29日付け 先日、不思議な30〜40代の日本人女性たちに出会った。最近まで日本で銀行などに勤めていたが、「事情があって住むつもりでブラジルに来た」という。しかも女性ばかり11人と聞き〃謎めいた集団だ〃と強く印象に残った▼その後、関係筋の話を総合すると、彼女らは中国に由来する新興宗教の信者で、5月に「 ...
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ニッケイ新聞 2012年8月28日付け ハリウッドの「西部劇」はとても面白く、少々の憂さはすっ飛んでしまうほどに痛快でよく映画館に通ったものである。あの映画のスクリーンには決まってインディアンが悪であり、カウボーイハットの白人は颯爽とした英雄に描かれ抜く手も見せぬ早打ちで大活躍する。だが—あれは中南米のインディオ虐殺のアメリカ ...
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ニッケイ新聞 2012年8月25日付け 世の中には珍妙な言辞を弄しもっともらしく述べる連中がいる。熊本市の女社長宅に忍び入り1億5千万円を盗んだ犯人が、1億4800万円を隠匿するためにか山に埋めたと供述したので警察が掘り返すと盗んだお金がそのまま見つかったそうだ。ところが—である。このコソ泥の一人が「刑務所勤めが終わって出所し ...
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ニッケイ新聞 2012年8月24日付け 普通の県人会式典なら400人がいいところだが、小禄田原字人会95周年式典には600人が集まった。県人会長の半分以上は一世だが、ここでは名実ともに二〜三世が中心で、建築資材業界、化粧品業界の大手企業経営者が多い。百周年を目指して今回から当地側が資金を負担して、故郷より次世代交流リーダー4人 ...
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ニッケイ新聞 2012年8月23日付け 「♪ポロロ〜ン」という気の抜けたような心地良さで、ウクレレは世界中で人気のある楽器だ。当地カラオケでも1960年代のハワイアンブームの残り香を身にまとったかつての〃若大将〃の歌声も聞かれる。クラシックやラテンの奏法を取り入れたハーブ・オオタ、様々なジャンルで活躍するジェイク・シマブクロな ...
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ニッケイ新聞 2012年8月22日付け いろいろな人生があるものだ——。92年にJICAシニアボランティアとして渡伯した後、援協厚生ホーム、県連事務局長、在聖総領事館の現地職員などをしていた中村明人さん(65)が、4月から日本で町会議員になっていると聞き驚いた▼昨年6月末に突然、総領事館退職を告げるメールが来た。「退職後は帰国 ...
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