ブラジル中央銀行は突然、7月29日に「200レアル札」を8月から発行すると発表して、国民を驚かせた。1994年7月1日、レアル・プランが始まって以来、実に26年ぶりに最高額紙幣が更新されることになった。今年中に4億5千万枚も造幣すると発表されている。価値にして900億レアルにもなる。 「タテガミオオカミ」の図柄だそうだが、国 ...
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”今の状況”を変えかねない、米国大統領選
先週、大手週刊誌「ヴェージャ」が、「今、大統領選が行われたらボルソナロ氏が当選する」という調査結果を発表して多少話題となった。それに対し、「コロナ対策であれだけ失政をしておきながら、なぜ」と憤る人も少なくなかった。だが、「”今の状況”ならそうだろう」とコラム子は思った。 というのは、その調査を行った団体が「パラナ・ペスキーザ ...
続きを読む »《記者コラム》樹海=実は壮大なブラジルの歴史物語
5億年と37億年の差 一般的には「ブラジルは独立200年未満の新しい国」で、「日本は数千年の伝統を誇る古い国」というイメージが強い。だが、見方を変えると、ブラジルの方がはるか古いものがある。地層だ。 日本で一番古い地層は、茨城県日立市の周辺の5億年前の地層だという。《茨城県日立市にある御岩神社にいる。ここ御岩神社の地面、そし ...
続きを読む »《記者コラム》樹海=市長選を前に左派勢力図に異変
今年の全国市長選は新型コロナウイルスの影響で、通常より1カ月遅い11月に行われるが、今の時点で早くも「異変」が現れている。しかも、それは「左派」に顕著に出ている。「左派の雄」のはずの労働者党(PT)がピリッと来ないのだ。 しかもそれは2016年のように「ラヴァ・ジャット作戦の余波で」ということではない。現在の同党の問題はそれ ...
続きを読む »《記者コラム》ブラジルで「伝統」になった米国南部連合の旗
「虐げられた人々」が集まるブラジルの不思議 世界中からアメリカに移住したい人は多いだろうが、その逆は少ない。歴史的に見ると、ブラジルは数少ないそんな国の一つだ。「どうして世界で最も豊かな米国から、危なくて貧乏そうなブラジルへ?」と不思議がる人もいるだろうが、そこには歴史的理由がある。 ブラジルというのは不思議な国で、歴史的に ...
続きを読む »ボルソナロの新党、いつできる?
「ところでボルソナロの新党はいつできるの?」。熱狂的な人気と同じかそれ以上に強いボルソナロ大統領のアンチたちの間では、いろんなからかいネタがあるものだが、この「新党がいつまでたっても出来ない」のも、そのひとつだ。 昨年11月、ボルソナロ大統領が社会自由党(PSL)離党後に意気揚々と発表した新党「ブラジル同盟(アリアンサ・ペロ・ ...
続きを読む »《記者コラム》樹海=護憲革命と日本移民――他人ごとでない黒人差別
革命か、反乱か 米国などで反黒人差別「ブラック・ライヴズ・マター(英: Black Lives Matter)」の運動が起きているのを見て、ブラジルにおいては日本移民も人事ではないと感じた。そもそも、1888年の黒人奴隷解放令により、コーヒー農園で労働者が足りなくなったところから、最初はイタリア移民が導入された。だが奴隷同然の ...
続きを読む »《記者コラム》都知事選に思うこと/実はブラジルより進んでいる?日本の右傾化
5日の東京都知事選の結果を見て、「もしかして日本はブラジルよりも右傾化しているのではないか」との思いを抱いた。 それは当選した現職の小池百合子知事に60%の支持があったから、というだけではない。3位に小野泰輔氏、5位に桜井誠氏が入っていたからだ。 小池氏も自民党時代は日本会議のメンバーで、知事就任後ももっぱら「弱者には冷た ...
続きを読む »《記者コラム》両極にある日本とブラジル=邦字紙上ではわずか2cmの距離
「邦字紙にそんな読み方があったんだ!」 仕事が終了する間際の午後7時半ごろ、編集部内で雑談中、若手スタッフ(部員)から「うちの新聞って、1面と6面を比較すると、同じ新聞とは思えないぐらい内容が違うんですよね」としみじみ言われて、最初意味が分からなかった。 「1面」は弊紙スタッフが毎日苦労しながら翻訳して作るブラジル社会面、「 ...
続きを読む »《記者コラム》ボルソナロ政権のダメ大臣列伝
日本のプロ野球ファンのひとつのジョークのネタに「ダメ外人列伝」というものがある。これは、「高い期待を期待されながら入団したのに、活躍することなく終わった外国人選手」を揶揄して楽しむものだ。 6月30日に教育相を辞任したカルロス・アルベルト・デコテッリ氏のこの数日のドタバタぶりを見て、突然このことを思い出した。プロ野球の「ダメ ...
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