2007年8月10日付け 野(や)の移住研究者香山栄一さん(81、イビウーナ在住)が、さきごろ『ブラジルに於けるピアビルとインカ人』を翻訳、一冊(A5版、百四十ページ)にまとめた▼ピアビルは、PEABIRUと表記される、インカ人が数百年にわたってアンデスの東側、現在のブラジル国土に〃造成〃した道のことである。原著は、歴史探求者 ...
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コラム 樹海
2007年8月9日付け 戦後に「駅弁大学」という流行語があった。確か―昭和24年の学制改革で政府が「1県1国立大学」を打ち出し大学を乱立したのをうけ毒舌の評論家・大宅壮一が「駅弁あるところ大学あり」と評したのが始まりだそうだが、まったくもって「大学」も安くなったものである。これ以後も有象無象が大学を設立しいまや700大学を超え ...
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2007年8月8日付け パラナ日本語教育センター長の嶋田巧さんは、さきごろセンターが主催した日本語教師育成セミナーで、声を大にして教師らに語りかけた。「最近、大切な母国語である日本語が、英語などの次に考えられており、日系社会で日本語教育がおろそかになってきている」。「外国語としての日本語」教育論は、さておいている感じだ。なかな ...
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2007年8月7日付け 先日―。バストスの大野ルイザさんが手捌きも鮮やかに「鯉の洗い」を造る記事を読み懐かしかった。あそこは昔から鯉が有名だし、確か大野家の初代は日本の「田螺」をも養殖し、南銀の山根剛氏や農田哲医師らに「たにし会」があり卵祭りでは怪気勢を上げていた。現地には農機具製造の石橋長児氏などが気炎を吐きながら蒼穹の空を ...
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2007年8月4日付け 小説家の今日出海に「野人・白洲次郎」があり「神戸の中学校は粗野で、野蛮だった」「(白洲は)生粋の野蛮人で、いまだに野蛮人の素質が抜けていない」と続く。今は白洲と旧神戸1中に学び、中国文学の吉川幸次郎も同級生だった。「鈴木悌一」の著者は「反俗の野人悌一」と書くが、この反権力派の人物も旧神戸1中であり、生涯 ...
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2007年8月3日付け 戦前、日本人入植地では自分の家より先に学校を建てた――随分聞かされた話である。子供移民(準二世)たちが、いま日本語を読み書き、話すことができるのもそのお陰だ、と準二世自身の口から直に聞くと、妙に説得力がある▼コロニアでよくものを書いているそうした一人が、さきごろ四冊目の随筆集(日本語版)を自費出版した ...
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2007年8月2日付け 先日の新潟県中越沖地震での柏崎原発水漏事故に関して、外国通信社はいかにも煽り気味の論調で大々的に報道しており、読んでいて冷や汗ものだった▼仕事柄、伯字紙報道を毎日チェックするが、日本の情報が正確に伝わっていないことを痛感する。外国への情報発信がほとんどないことは、日本の外交力を弱める一因だ。事実、フラン ...
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2007年8月1日付け 本紙連載中の野澤今朝幸さんの自分史『草原』は、満州引き揚げ後移住した人たちに「よくぞ、書き残してくれた」という思いを抱かせているようである。日本内地で終戦を迎えた人たちには「こんなに酷いとは知らなかった」と驚きを与えている。過去、敗戦直後の満州引き揚げ時の悲惨さは、日本国内で多くの人たちに書かれ、語り継 ...
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2007年7月31日付け 世論調査については批判があるけれども、参院選に関しては見事なばかりの正確さである。民主優勢、自民党大敗の予測はきっぱりと的中した。だが、まさか民主60、自民37というほどに敗北するという厳しい見方をした人は少ないのではないか。こんな負け方は、55年の自民党発足から初めてであり、野党が参院で第1党になっ ...
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2007年7月28日付け サンパウロはこのところちょっと冷え込んだけれども、例年にくらべれば暖かい。あるいはこのまま春に繋がるかもしれないし寒さ嫌いのご老人にはなんともありがたい暖冬である。恐らく南半球はみんな暖かいのだろうが、北半球の夏は炎暑が続き大変らしい。欧州では熱波で多くの市民が倒れ死者もいる。ハンガリ―では猛暑のため ...
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