イラクは「豊かな過去を持つ国」を意味するアラビア語だそうだが、確かにこの国の歴史は古い。BC18世紀後半のハンビラム法典は余りにも有名だし前4000年紀に栄えた世界最古の都・エリドゥもある。もっと親しみやすいのには「千夜一夜物語」があり、シンドバットの冒険に心を躍らせた向きも多い。こんな彩りを誇る歴史の国であるサダム・フセイン ...
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◇コラム 樹海
秋篠宮さまの取材でパラグアイを訪れ、その日系社会の若さに驚かされた。大半の日本人会代表が戦後移住者で六十歳前後。ブラジルの平均年齢よりも十歳ぐらい若いと感じた。さらに二世層リーダーも三十代から四十代であり、こちらよりも一世代以上若い▼特に二世の日本語のうまいことに舌を巻いた。まるで日本の若者と話をしているかと錯覚するぐらいだ。 ...
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秋の叙勲で平岩外四氏が最高位の桐花大綬章に輝いた。東京電力会長から経団連会長になったが、大変な読書家として知られ勉強家でもある。桐花大綬章が民間人である平岩氏ただ1人というのも珍しい。普通なら政治家が選ばれ次いで官僚が続くのが勲章の決まりなのに94歳の平岩氏だけ唯1人が何ともいいではないか▼漫画家・サトウサンペイや俳優の田中邦 ...
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先の小欄でギャラップについて触れたが、大統領選結果は世論調査とほぼ同じ数字であり、いささかならず驚いた。ル―ラ支持60%、アウキミンは40%。20ポイントの差までピタリなのである。労働者党の腐敗や謀略は想像を超えルーラ陣営にとっては悪条件が重なったけれども、やはり貧者救済が有権者の心を掴み一票に繋がったと見たい▼政治には高邁な ...
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「きょうはお盆です」と老移民らは語る。11月2日は「万霊祭」で日系コロニアでは「死者の日」と呼んだりもする。カトリックですべての死者を弔い、煉獄で罪の償いに苦しむ人の霊魂が1日も早く天国に入れるように祈る日なのである。多くの信徒が墓参しセミテリオは人々でいっぱいになり花々が満ち香煙が漂い初夏の風景を爽やかに彩り飾る▼盂蘭盆会の ...
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なぜパラナなどの地方の百周年記念事業は着々と進みつつあるのにサンパウロは…。百周年を一年八カ月後に控え、これからは「地方の時代」ではないかと強く感じる。日本文化が継承されるための条件は、サンパウロ市のような大都市ではなく、実は地方にこそ揃っているのでは──と考えるようになった▼以前、ユダヤ系の移民研究所で文化伝承の仕組みを取材 ...
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移民事業に生涯を捧げた宮坂国人氏は俳句を好み幾別春の号でいい句を遺している。あの戦争が始まった頃、昵懇にしていた朝日新聞のリオ特派員・荒垣秀雄氏が拘置されると英文雑誌を差し入れした。荒垣記者がページを開くと所々にペンで印がしてある。それを辿り繋ぐと「秋風や獄衣の袖に吹くなかれ」となり、大いに感激した話はよく知られる▼戦後に朝日 ...
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選挙は投票箱の蓋を開けて見ないとわからない。確かに―一般の予想を裏切るような結果がでることもある。軍事政権の下で大蔵大臣として活躍し「70年の奇跡」を生んだデ・ネット氏が落選しみんながアッと驚いた。弟子筋にあたる日系人を政府要職に抜擢し財政と金融政策の指揮官にし大きな成果を上げアジアンポ―トを提唱したりもした▼その一方では1億 ...
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「日信工業新工場をブラジルに建設」「日本精機ブラジルの四輪車用計器工場を着工」「ユタカ技研ブラジル子会社は新工場」などここ数日、日本の二輪・四輪部品メーカーがブラジルに新工場を建設する記事が続々と報じられ頼もしい限りだ▼ところが先日、サンパウロ市郊外の都市に本社を置くある日本企業関係者から、地元日系団体の一部役員が不正行為を働 ...
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ブラジルは春。このところ三寒四温の日々が続いたりしたが、もう暖かさがやってくる。サンパウロ州奥地では蝉が群れ始めているし都会の路次にも草花が咲き緑も濃くなっていく。日本なら芹・ナズナ・五形・ハコベラ・仏の座・スズナ・スズシロと七種を摘む楽しみもあるのだが、この国ではそんな風流もないらしい。正月の7日には、この春の恵みを刻んで粥 ...
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