高利貸というのは儲かるものらしい。江戸時代には、朝に貸して夕刻には返済させる一日貸しが流行し利子も一割が珍しくはない。こんな高利ではないけれども、日本ではヤミ金融が大手を振っているそうだ。金利の上限は法律で決められ年間二九・二%となっているのにヤミ業者は年に七〇〇%や一〇〇〇%も巻き上げる▼百万円を借りると一年後には一千万円支 ...
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コラム 樹海
さきごろサンパウロ市近郊イタペセリッカ・ダ・セーラで九州ブロック運動会が催された。福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の八県から六百人が参加したという。各県人会独自の運動会はあってもこれだけ数多くの県がそろっての催しは、まだ聞いたことがない。〃裏方〃をつとめる役員らが心ひとつにして汗を流し、力を発揮した好例である。 ...
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遺書「巌頭之感」を残し一高生の藤村操が華厳の滝に身を沈めたのが百年前の明治三十六年五月二十二日である。「悠々たる哉天壌」で始まる十八歳の遺書は「大いなる悲観は大いなる楽観と一致するを」とも続く。叔父の那珂通世博士は「いかなればかかる極端の厭世家を生じたるか。思えば不可思議なり。嗚呼哀しいかな」と書き世には哲学的な行き詰まりから ...
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日本には「国連中心主義」を唱え金科玉条とする向きが多い。だが、実体はどうだろう。イラクへの武力行使を巡って米英と仏露中が真っ向対立し国連が機能不全に陥ったのは記憶に新しい。安全神話に彩られる安全保障理事会にしても、とてものほどに万全とは申し難い。仏が米の攻撃に反対した理由は一つ。イラクの石油資源なのは明らかだ▼安保理は今やいろ ...
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九九年、マナウス市で六十七歳で亡くなった川田幸子さんの短歌がある。「脱耕と死と出稼ぎに人減りし村を包みて暗き夕暮れ」▼来年入植五十周年を迎えるロンドニア州トレーゼ・デ・セテンブロ(旧グヮポレ)植民地を詠んだ歌である。川田さんは、アクレ州キナリ植民地から家族とともにグヮポレに転住した人だ。筆舌に尽くしがたい辛酸をなめた、という表 ...
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徳島県知事に総務省出身の新人・飯泉嘉門氏が当選した。同県の県民環境部長からの転身で四十二歳。全国最年少の知事誕生である。円藤寿穂知事の汚職事件を発端とする阿波の国の政争は太田正氏を知事に選んだものの県議会との抗争が続き不信任案が可決されての知事選挙だったが、県民は若く行政能力の高い飯泉氏に軍配を挙げる▼選挙は熾烈を極めた。保守 ...
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文協(ブラジル日本文化協会)の前途に一条の光が射し始めた。逞しく生まれ変ろうとする意欲と熱気が伝わってくる。やる気十分の会長、副会長、理事ら新執行部の顔ぶれをみれば、それは瞭然だ。旧態依然の体制から脱し、時代に即した組織改革は日系コミュニティの存在感に重みを加えた。一世主導から二、三世へ移り変る新時代の幕開けである▼新しい陣容 ...
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ハルペン・ジャックさんは多彩な人だ。日本人としては「春遍雀來」と称し「新漢英字典」を十六年も掛けて編纂した才人でもある。日本語は片仮名・平仮名に加えて漢字という厄介で面倒な文字で綴る。イスラエル生まれの雀來さんは大の日本贔屓で日本語の勉強に汗したが、漢字にはかなりに手を焼き苦労したらしい▲それならもっと解りやすい方法がないもの ...
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津軽といえばリンゴだし冬の鱈汁が美味い。地元の人によると胃の腑から身体を暖める名物の鱈汁は「雑把汁」と呼ぶらしい。大根や野菜もながら鱈の白子も真っ白い切り身も大きな鍋いっぱいに入ったのを食べるときの満足さ。それに近ごろは山内丸山の遺跡が見つかり縄文文化の見直しが始まった。食もだが古代から文化を誇るお国柄である▼相撲も強く名力士 ...
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パラナ日伯文化連合会の役員たちがさきごろ、加盟支部の巡回を始めた。訪問先で支部活性化懇談会を開催している。支部である文協、日本人会、その町の日系コロニアの活性化を支えようというのが趣旨だ。活動が不活発という段階から日系人の過疎化、さらに消滅の道をたどるからである。連合会の盛衰もかかっている▼かつて、パラナの日系人、日系団体が、 ...
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