2日夜~3日朝は地方選の結果を伝える報道が続いたが、州都での市長選の結果を見ていた長女が「決選に残ったのは右派ばかり。何が起きているの」と呟いた▼実際には、決選投票に進む候補全てが右派だという訳ではない。だが、サンパウロ市では常に決選投票に残っていた労働者党(PT)が敗れ、大サンパウロ市圏の主要拠点も軒並み失うなど、左派衰退は ...
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恩人の汚名雪ぎ、百年後に顕彰
「恩人の汚名を雪ぎたい」――サンパウロ州スザノ市のバルエル教会100年祭の開会式で24日、ビアンキ家に感謝状を渡した福博村会(上野ジョルジ会長)の大浦文雄顧問(92、香川県)の心の裡には、冒頭のような強い想いがあった▼というのも、東大の泉靖一助教授(当時)らによる研究書『移民―ブラジル移民の実態調査』(古今書院、1953年)に ...
続きを読む »今のブラジルに必要な日本精神が込められた本
サンパウロ青年図書館と本紙が出版する日本語・ポルトガル語両語のシリーズ本『日本文化』第3巻が、先ごろ刊行された。今までポルトガル語では紹介されたことのないトヨタ、ホンダ、キョーセラの創業秘話や企業哲学を中心とした8話構成だ。中でも統一地方選挙の年なので、政治関係で思い入れの深い2編も組み込んだ▼一つ目は「恩田杢(もく)」だ。財 ...
続きを読む »実は政府自身がインフレの原因か?
ブラジルの政治、経済を理解するには「本当の因果関係」を見極める必要がある。経済動向を見るのに最も重要なのは「インフレの原因」をどう考えるかだ。ジウマ前大統領をはじめ、政治家は一般に「インフレのせいで経済は悪化した」というニュアンスで演説する。「政府のコントロールを越えて勝手にインフレが進行する」というイメージで語る。これに違和 ...
続きを読む »パラリンピックを終えて
7~18日に開催されたパラリンピックを一部だけだがTV観戦し、ここまで到達するのにはどれだけの努力や協力があったのだろうかと、つくづく考えた▼外見だけでは身障者だとわからない選手もいるが、片腕だが両腕がある人以上の回転数で泳ぐ選手や、健常者なら全身のバネを使って行うシュートを腕の力だけでこなすバスケット選手などに、何度目を見張 ...
続きを読む »テーメル政権下の不思議、驚くほど絶妙なタイミング
世界的には「五輪とパラリンピック」ばかりが注目されたブラジルだが、その裏番組のようにジウマ大統領罷免やクーニャ前下院議長の議席剥奪など、国内的には政治史に残る出来事が粛々と起きている。テーメルの人気は最低だが、思いのほか政治手腕は高いのかもしれない▼思えばこの間、いろいろなタイミングが実に絶妙に組み合わさっている感じだ。テーメ ...
続きを読む »「ナイス提案!」「ナイス提案!」うす闇に叫ぶわたしを妻が揺さぶる
〈海越えて赤き大地に根を張りし七月の桜今盛りなり〉――第68回全伯短歌大会に初参加し、独楽吟でそう詠んで、見事2位デビューを飾った「駐在員歌人」がいる。コンピューターメーカーで営業職に従事する堀合昇平さん(41、神奈川県)で、2年前からブラジル駐在している▼日本ではビルからビルへと飛び込み営業を繰り返し、コンピューターの基幹シ ...
続きを読む »安楽死とパラリンピック
リオで開催中のパラリンピックの車椅子陸上女子400メートル銀メダリスト、マリーケ・フェルフルト氏(37、ベルギー)が11日、安楽死の許可を得た経緯などを明らかにし、「大会直後に安楽死する」との欧州で流れた報道を否定した▼脊椎の病気で10代半ばで下半身不随となり、激痛や発作に苦しみながら、ロンドン大会で金、銀各1個を獲得。今大会 ...
続きを読む »なにげない移民家庭こそが「日本人の臨界」
「言葉」というのは不思議なもので、本人がしっかり理解していないと相手に伝わらない。以前、分かりやすい解説で有名なジャーナリスト池上彰が、こんなことを言っているのを聞いてガッテンした▼「後輩がニュース原稿を読んだのを聞いて、一カ所だけ意味がとれないところがあった。後から『あの部分はどういう意味だったの』と確認したら、本人も『やっ ...
続きを読む »日系人向け特別定住ビザを全世代に解禁したら?
東京五輪と東日本復興のために、日本では労働者不足が深刻になり、外国人技能実習制度を5~6年に延長する検討(現状3年)がされていると聞き、〃足元〃を見ていない考え方だとガッカリした▼元々この実習制度は「途上国の外国人に技能の習得の機会を与える」という金看板だが、実態としては中小零細企業の単純労働者不足を補う役割を担ってきたと多く ...
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