4月17日はブラジルの歴史に残る日となった。2度目の大統領弾劾に王手を指したからだ。パウリスタ大通りにも弾劾支持者25万人が押し掛けて、連邦議会の投票を見守った。暴力的な事件は起きず、「ブラジルの民主主義の成熟」を感じさせる一日になった▼100万人とも言われる3月13日に比べれば、今回は〃大人しい〃もの。集まっている人にも、す ...
続きを読む »樹海
「悪党には悪党をぶつけるしかない」
「悪党には悪党をぶつけるしかないんだ」――悪の政治学なのか、それとも「実践的なブラジル的政治手法」なのか。11日のTVクルトゥーラの人気討論番組『ローダ・ヴィヴァ』に出演したロベルト・ジェフェルソン元下議の話を聞きながら、不思議なことにある種の清々しさを感じた。政府軍を度々蹴散らしたアントニオ・コンセリェイロの反乱に雲集したカ ...
続きを読む »たとえ罷免を逃れえても
大統領罷免への動きが加速する中、進歩党(PP)が「ミスター汚職」ことパウロ・マルフ下議除籍に動き出した。同下議の追放を要請したのはシロ・ノゲイラ党首で、保健相や連邦貯蓄銀行総裁の座と引き換えに連立慰留を乞われたPPを同氏が強い口調で批判した事などが原因だ▼サンパウロ市長時代のマルフ氏は「盗むけれど仕事もする」と言われ、公共工事 ...
続きを読む »日本でこっそりルーラ批判をするムヒカ
日本で大人気のホセ・ムヒカ前ウルグアイ大統領(ドン・ペペ)の思想には、南米の2大国に挟まれた小国という地政学的な条件が深く影響を与えている気がする。その要素もまた日本人から共感を得やすい部分かもしれない▼ウ国は元々アルゼンチンの一部「東方州」だったが、1820年にポルトガル軍(ブラジル)に侵攻された。亜国は地元勢と協力してゲリ ...
続きを読む »日本人のツボにはまったドン・ペペの清貧振り
弊紙サイトの「ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ」が先週から連日アクセスのトップにあるので、「なぜ?」と思っていたら、本人が訪日していた。どうやら「世界で一番貧しい大統領」ドン・ペペ(80、前ウルグアイ大統領)は、日本人のツボにはまったようだ。彼に関する本がベストセラーになり、日本の話題をさらっているらしい▼「共和制とは多数決なん ...
続きを読む »来週がジウマ大統領罷免の山場
「今週、来週が大統領罷免の山場だ!」とは政治評論家が共通して指摘する点だ。下院罷免委員会で罷免すべきとする報告書が読まれ、それが来週月、火曜日頃に採決される。そして下院本会議(下議全員)による採決が15~17日頃に行われ、513票中の342票が集まれば、罷免審議が上院に送られる。ここまでが来週中に行われる可能性がある。もちろん ...
続きを読む »ブラジルの景気後退は予想以上
国際通貨基金(IFM)のラガルド専務理事が5日、フランクフルトで「世界経済の見通しは一段と悪化した」との見解を表明、新興国は全般に経済活動が弱体化しているが、ブラジルの景気後退(経済減速化)は予想以上だとも述べた▼同氏によれば、インドは依然として強い成長を示しているが、ブラジルとロシアは景気後退の只中で、原油の国際価格下落の影 ...
続きを読む »若者版故郷巡りを、ぜひ実施して
県連「移民の故郷巡り」は、通常立ち寄ることのない地方の日系集団地を訪ねる機会を与えてくれる素晴らしい企画だ。今回の参加者の一人、元県連会長の松尾治さん(現文協副会長、77、福岡県)から「地方の文協や日系人との交流は、もっと文協自体がやらなきゃいけない。この故郷巡りは文協と県連が共同でやってもいい事業」との意見を聞いたが、その通 ...
続きを読む »「大統領罷免祭り」に浮かれている時ではないはず
「財政責任法の罪がないのに罷免するのはゴウペ(クーデター)だ!」とジウマ大統領は3月30日、「我が家・我が人生」政策第3弾の発表会見で、再び繰り返した。「もう、これは喜劇だ」と呆れる光景だった▼お金がないのに昨年までばら撒いてきた秘密が、ペダラーダ(公的債務を公立銀行に背負わせて隠す手法)だ。本来なら支出削減を率先すべき財政大 ...
続きを読む »失業や物価高を工夫で凌ごう!
最近のブラジルの経済記事は、インフレや失業率の上昇で実質所得が減り、消費者の購買力が低下といった内容が多い。2月のインフレは0・9%、直近12カ月だと10・36%といった数字を見て、給与はそんなに上がらないのにと嘆く人も多い事だろう▼現在のインフレは、月80~90%を記録したコーロル政権時のようなハイパー型ではない。だが、あの ...
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