紙面の仕事を終え、同僚と話していたら「多様性」という言葉が出てきた。あらゆる生物や組織には多様性があり、それを認める事はよりよく生きる事にも繋がる▼ブラジルのように国土が広く、その国民も人種や国籍などに違いがあると、植物や動物などの生態系の多様性と共に、文化や気質、考え方などの多様性にも直面する。残念ながら、人間は「周りのもの ...
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移民はすでに日本へ入っている《ブラジルからの視点》
NHKは2月26日に《日本の人口は1億2711万47人で、前回5年前の調査と比べて94万7000人余り減りました。国勢調査で人口が減少したのは調査開始以来初めてで、総務省は「日本は人口減少の局面に入った」としています》と報道した▼国勢調査を開始したのは1920年だから、実に約100年ぶりの減少だ。というか、明治以来ほぼ一貫して ...
続きを読む »なぜデウシジオ上議は突然釈放されたのか?
「ジョアン・サンターナ(ルーラ、ジウマの選挙参謀)逮捕以来、ブラジリアは完全に止まった。議会再開早々の最重要案件、社会保障改革も財政緊縮も、それどころじゃないといった感じだ」。26日朝のCBNラジオで政治評論家はあきれた様子で嘆いた▼正月はとっくに終わり、太陰暦の新年もすぎ、カーニバルの翌週からようやく始まった〃ブラジリア新年 ...
続きを読む »絡んだ糸が次第に解ける
22日敢行のラヴァ・ジャット作戦(LJ)第23弾後、「連警の捜査進展と共に、絡んだ糸が次第に解けて来た」との感が強まった▼新聞やTVの報道を通し、汚職に関与した疑惑企業や賄賂を流す人物、その金で私腹を肥やす人物などが、想像を超えた範囲で結びついている事が明らかになってくるのだ。ルーラ前大統領が再選を遂げた06年以降、3回の大統 ...
続きを読む »戦中の隠れた功労者・宮腰千葉太
「最近、輪湖俊午郎さんやドナ・マルガリーダに対する認識が高まってきてとても良いことだと思います。でも宮腰さんこそが戦争中の日本人救済にレールを引いた人。自分は政府関係者だったので表立って動けない。その代わりにドナ・マルガリーダや高橋勝さん(後のブラジル・トヨタ重役)、石原桂造さん(トキワ旅館経営)が動けるように裏から支援したん ...
続きを読む »庶民よりも、〃特権〃階級の年金制度見直しを
ジウマ政権は「国庫の収支バランスをとるために年金改革が必要」と訴え、今まで60歳から年金をもらえた女性も65歳に、今まで支払いしなくても最低給がもらえた地方の農村労働者にも支払いを義務付けるなどの7項目の改正案を検討していると報じられた▼社会的弱者に痛みを押し付けるような方向の改正でいいのかと疑問を感じる。国庫の収支バランスを ...
続きを読む »再生林のヴァンタージェン
この夏はエルニーニョの勢力が強く、南東伯では例年以上に暑い。エルニーニョは地球温暖化を反映したものだが、地球温暖化といえば思い出すものの一つにアマゾンの森林伐採がある▼ブラジルを中心に広がるアマゾンの密林は、温室効果ガスと呼ばれる二酸化炭素(CO2)を吸収して酸素を排出してくれる。その吸収量が他の森林より格段に多いとされた時期 ...
続きを読む »移民史の基礎文献をポ語訳する意義
大学時代に担当教官に良く言われたのは、「専門家と云われるためには、最低100冊の関係書籍を読め」という言葉だった。当地で「日本移民史の研究者がいない」との嘆きを聞くたびに思うのは、「ポ語訳された日本移民史の基礎文献が100冊あるのか?」という疑問だった。文献がなければ、研究者になりたくてもなれない▼そもそも子孫が日系意識を持ち ...
続きを読む »ブラジルにもあった極秘の原爆開発計画
年始には北朝鮮が自称〃水爆〃実験、さらにロケット発射など、日本周辺が不穏な空気に包まれている。「南米には原爆がなくてよかった」と他人事のように考えているかもしれないが、歴史的には案外そうでもない▼原爆投下70周年の昨年は、考えさせられる取材機会が続いた。ラーモス移住地への長崎平和の灯分灯の折には、日本の報道関係者に「どうしてブ ...
続きを読む »ますます狭まるルーラ包囲網
パラナ連邦地裁のセルジオ・モロ判事が9日、ルーラ前大統領が足繁く通っていたアチバイアの別荘の改築工事の件を別件捜査する事を認めた▼ペトロブラス関連の汚職等を扱う連警のラヴァ・ジャット作戦(LJ)で告発されたOAS社が、グアルジャーの3層住宅とアチバイアの別荘の改築に関わっていた事が判明後、別荘改築には他の疑惑企業やLJの被告も ...
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