緊縮財政が進まない政治的混迷ぶりから、米国格付け会社S&Pは財政バランス回復に時間がかかるという懸念を強め、通常ありえない赤字予算提出を引き金に、ついにブラジルを投資適格外に降格させた▼今後は更なるレアル安、外国投資引き上げ、国債金利上昇などの悪連鎖による景気後退を予測する筋もある。これは政治的には「財政均衡には待ったなし」圧 ...
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クモの糸を上る難民たち
お釈迦様が下ろしたクモの糸を掴んだカンダタは、血の池から極楽を目指した。しかし自分の後におびただしい数の罪人が蟻のように這い上がるのを見て、「糸は俺のものだ」と叫ぶと途端に糸は切れ、地獄へと舞い戻った―▼中東やアフリカから欧州に、かつてないほどの移民が流入している。今年に入って急増し、36万人を超えた。「お前らの居場所はない」 ...
続きを読む »2014年10月から急激に増加するブラジルの公債
独立記念日に歴史の本を見ていたら、ポルトガル王室は16世紀、植民者に対して輸出商品パウ・ブラジルの収穫の5%を税金として納めさせていたとあった。21世紀、直接間接含めた税金は40%。昔は安かった▼そんなに払っているのに政府は305億レアルの赤字予算を議会に提出した。「支出削減」を主張するレヴィ財相やPMDBと、「増税」を主張す ...
続きを読む »ブラジルのバランス感覚
日系団体の会議を取材していて、定款の改正に関わるものがある。民法改正に伴うものなのだが、長く議論した挙句、改正事項が変更されたり延期になったり。「あの時間は何だったのか…」と思ったことがある。「日系人は真面目に対応しようとするけど、こんな朝令暮改の国では、まずは静観が正しいんだよ」との意見に頷いたことがある▼コラム子が車を預け ...
続きを読む »自らのタブーを乗り越える「復活のフェイジョアーダ」
岡山県人移住105周年が8月23日に祝われた記事を読みながら、岡詢(まこと)元会長(享年76)が今年5月に亡くなったことを、今さらながら残念に感じた▼フェイジョアーダ会の仕込みをしていた02年6月8日の夜、岡さんは会館の台所の蛍光灯が消えていたので直そうと脚立にのった。それは、グツグツと煮えたぎる大鍋の真上だった。配線を引っ張 ...
続きを読む »力なくして平和なし
日本各地で異例の大規模デモが起きている。国会前を埋め尽くし「集団的自衛権反対」を叫ぶ人々の様子を見ると、どこの国の光景かと思う▼デモの焦点である集団的自衛権の行使が可能になると、他国が攻撃された場合でも、日本に危害が及ぶと判断されれば自衛隊が出動できるようになる。クレイジーな独裁国家や反日国家に囲まれた危うい情勢を考慮した決断 ...
続きを読む »ブラジルはギリシャ化、それともアルゼンチン化?
ニュースで子供まで「汚職撲滅」と叫ぶようになった。〃猫も杓子も〃という段階になったら、むしろ眉に唾をつけて聞くべきだ。なぜならペトロブラス(PB)疑惑がなくても不況になったからだ。本来の問題の本質は「政策」自体だと思えてならない▼8月30日付けエスタード紙の応用経済研究所の学者対談は興味深かった。ある研究者は《「汚職が減れば国 ...
続きを読む »日本人は政治に冷淡というが
8月30日夜、安全保障関連法案(安保法案)に反対する大規模な抗議デモが日本の国会前で行われたとの報道がブラジルのTVで流れた▼日本の知人が安保法案関連の記事を頻繁にフェイスブックで流したりしていた事もあり、若者や女性も同法案反対の声を上げている事は知っていたし、政治的なデモへの参加者は就職の時に不利になるというのは事実かといっ ...
続きを読む »理解も納得もできないこと
ブラジルと日本の文化の違いは大きい。そんな考え方、捉え方をするのか―と考えさせられることが多いのだが、理解はできるが納得はできないものもある。そして理解不能なことも多い。どういう理屈で成立しているのだろう…と考え込んでしまったりする▼夜の10時過ぎ。食事も終え就寝前にリラックスした気分で読書を楽しんでいた。突如、窓ガラスがびり ...
続きを読む »読者との繋がりこそが新聞の財産
28日付のニッケイ新聞PDF版 中央銀行の方針が7月に突然変わり、購読者のCPF(納税者番号)がないと、新聞社から購読料の銀行振込票を郵送できなくなった。そのお知らせを掲載した当初、たくさんの連絡をもらい、一気に半分ぐらいが集まった。心から読者の皆さんの協力に感謝したい▼ただし、購読部の話では、それでも残り半分を集めるのに苦労し ...
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