リオデジャネイロで、日本語を学んでいる十数名のブラジル人と会って話す機会があった。年齢的には22歳から28歳ぐらいの若者で、すべて非日系人である。さらに7割がリオデジャネイロ連邦大学か州立大学の学生だった。 ほとんどの人たちが、日本語を学ぼうと思った最初のきっかけはやはりテレビのアニメで、そこから個々それぞれ、日本の音楽に興味 ...
続きを読む »日伯コンサル奮闘日記
29回 ブラジルはグローバル化のバロメーター ②
日本からブラジルに進出する製造業、メーカーの方々は、当然だが必ず日本や欧米で販売している最先端、もしくはもっとも自信のあるものを売ろうとする。 また、自社の製品は、品質が高く、絶対に壊れない、簡単には故障をしない、とおっしゃる。さらに、展示会では反響がいいので売れるはずだと。しかし、実際に販売を始めてもなかなか結果が出ず、思っ ...
続きを読む »第28回 ブラジルはグローバル化のバロメーター ①
今の若い人は知らないと思うが、昔はメイド・イン・ジャパンは、昨今のメイド・イン・チャイナと同じく、粗悪品、すぐ壊れるものの代名詞だった。それが、ある時期から日本製品の評価が高まり、優良品を表すようになり、今やアジアの人は競って購入するようになった。特に日本市場向けに開発されたものは、確かに技も細かく、クォリティが高い。時にはこ ...
続きを読む »第27回 複雑化する移民と経済
5月10日付けのブラジルの有力紙フォーリャ・デ・サンパウロに、ブラジルでフィリピン人の乳母を雇う家庭が徐々に増えているという記事があった。確かに最近スーパーで買い物をしていると時々それらしき女性を見かける。 近年、家政婦・乳母(エンプレガーダ)にも労働法が適用され、雇用契約をきちっと結ばなければならなくなり、残業代も支払わなけ ...
続きを読む »第26回 日本企業のブラジル撤退はブラジルのせいか?(追記)
掲題コラムは3回で終了予定であったが、もう一つ大きな課題を取り上げるのを忘れていたので、今回追記をしたい。それは、財務戦略である。財務は、ある意味ブラジルでの経営の生命線であり、企業が途中で躓く起点となっていることも多い。根本的にブラジル財務に関して日本企業の本社は以下の3つの点で勘違いをしている。1)ブラジルはリスクが高い国 ...
続きを読む »第25回 日本企業のブラジル撤退はブラジルのせいか? ③
日本企業のブラジル撤退の原因としてこれまで、①進出前の調査不足、戦略面も含めたフィージビリティスタディの欠如、②グローバル化に対応していない人事制度を前二回で挙げた。まるで、自分が背負えるだけの食糧などをカバンに入れ、現地のガイドを雇わず、GPSと地図とガイド本だけでアマゾンの奥地へ分け入り、熱帯雨林に体も気持ちも慣れて、目的 ...
続きを読む »第24回 日本企業のブラジル撤退はブラジルのせいか? ②
前回のコラムで、日本企業撤退の原因の一つとして、進出前の調査・フィージビリティスタディの欠如を挙げた。2点目はグローバル時代にふさわしくない日本の人事制度だ。 真の意味でグローバル企業かどうかは、人事評価=キャリアパスに現れると思っている。日本のほとんどの大企業は、海外に進出するという意味での国際化は何十年も前からされているが ...
続きを読む »第23回 日本企業のブラジル撤退はブラジルのせいか? ①
昨年終盤から今年にかけて、複数の日本企業のブラジル撤退話を聞いた。ブラジルと関係して20年以上、これまでも数多くの日本企業の撤退劇を見て来たが、よく「やっぱりブラジルは難しいですね」「こんなにコロコロと法律や税金が変わったらビジネスになりませんよ」「関税、物価が高すぎてお手上げです」などの言葉を残して去って行った。 当然、その ...
続きを読む »第22回 ジャパンハウスに期待する箱モノ・情報発信以上
今年はジャパンハウス始動の年。外務省によるとジャパンハウスとは「日本に関する様々な情報がまとめて入手できるワンストップ・サービスを提供すると共に,カフェ・レストラン,アンテナショップ等を設置し,民間の活力,地方の魅力なども積極的に活用したオールジャパンでの発信」の場であり、「現地の人々が「知りたい日本」を発信することをコンセプ ...
続きを読む »第21回 ブラジルの経営の怖さと美味しさ
ブラジルの経営の美味しさを最も知っている業界の一つは飲食業であり、中でもフランチャイズチェーンで成功すると頬っぺたが落ちそうになる。その反面底なしの怖さもあるが、3月18日付のエスタード・デ・サンパウロ紙に、その美味しさと怖さを象徴するマクドナルドに関する記事が載っていた。 内容は、労働組合が現在の社員の待遇改善を求めた要望書 ...
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