ドイツの生ビール、イタリアはパスタ、民族衣装の女性がパエリアを薦め、ヤキソバには行列。 サンパウロ州移民博物館で開かれた移民祭り。各国料理で賑わう雑踏の中、ブルガリアのスタンドに一人の老一世が佇んでいた。 ジョルジさんといった。八七歳とは思えないがっしりとした体格だ。写真を頼むと「ジャポネースか」と聞かれる。 「戦争前は ...
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コラム オーリャ!
日本文化の代表として、寿司、うどんといった食べ物や、折り紙、書道、柔道などがあげられるが、その中で「特異」だと思うのがカラオケとアニメ。 カラオケとアニメを世界に発信したのが日本であることは誰もが認めるところだが、紀元前から始まる日本の歴史を考えた際にそれらが「伝統的な日本文化」だとは思えないからだ。 さてこの二つ。コロニ ...
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日系人社会を取材し始めてまだ二カ月も経たないが、日系人社会というものは実に面白いと思う。 日系の方々が、非日系の方々を「ガイジン」と呼ぶのを初めて耳にしたときは驚いた。日系人社会では、ブラジル国籍を持つ非日系人が「ガイジン」と呼ばれ、たとえブラジル国籍を持っていなくとも、私を「ガイジン」と呼ぶ人は誰一人いない。 最初はとて ...
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リベルダーデでアパートの購入を検討している知人に付き添い、現在分譲中の仲介人事務所へ。 知人、間取りや値段を睨みつつ、大長考。担当者がしびれを切らしたころ、賑やかに入ってきた中国人らが購入を即決。「六部屋くれ」。シェッキをその場で切った。 世界の大都市に珍しくサンパウロはチャイナタウンがないが、リベルダーデはますますその感 ...
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「ナイススピーチ。力強い握手に爽やかスマイル」―十月の総選挙戦を控え、各候補者は広報活動に必死のようだ。 先日とあるスポーツ大会へ訪れる機会があった。その開会式で、来賓として来ていたある日系人候補者が挨拶をした。 「今日の大会は先人の方々のおかげです」口調に熱がこもる。「ムイントフォルサ!」選手達に激励をして締めくくる。溢 ...
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「僕は二世だけどね」と、その老男性は言った。「でも歌の意味は分かるんだよ」 日曜日の沖縄県人会クリチーバ支部発足式典。会場で話した男性は、沖縄方言で歌われる琉球民謡を聞きながら、歌詞の意味を説明してくれた。 サンパウロからの慶祝団が奏でる曲と歌に、若い人は興味深そうに聞き入っていた。それ以上に印象的だったのが、懐かしそうな ...
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先日、文協大講堂で日本からの作曲家を迎えてカラオケ大会が行われた。出場者は練習を繰り返し、気合も十分。 華やかな衣装に、流れるような振り付け。「カラオケが一番だよ」と参加者が話す。会場に響きわたる熱唱からは、参加者のカラオケに対する思い入れが伝わってくる。 その甲斐あってか、審査員からも日本の参加者からも「みなさん本当にお ...
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記者として二カ月目。最近、日系三、四世の私と同年代くらいの若者と話す機会が増えてきた。 彼らに日本語ができるかどうか問うと「全くできない」という返答が返ってくるのがしばしば。ポルトガル語でしか話さない彼らでも、首を横に振りながら手も横に振る姿は、実に日本人らしい。 しかも「話せない」といいながらも、こちらが日本語で話せば結構理解 ...
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バストスの卵祭りで鯉のぼりを揚げようと、高知県で寄付を募ったところ、わずか二週間で百匹以上が寄せられた。 人情に熱い県民性に感心しつつ、その多くは長く押し入れに眠っていたものかな、とも思った。 記者が子供のころ―といってもさほど昔ではないが―鯉のぼりは端午の節句によく立っていた。その後、祝日の日章旗と共に年々、その数が減っ ...
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「まだあんたはベイジョが下手ねぇ」―先日、慣れないブラジル式の挨拶をした際に、近くのおば様方から言われた言葉だ。事実その通り。 アブラッソ(抱擁)してベイジョをする。日本で生活していた時には一回もしたことがない経験だ。私がブラジルへ出発する時に両親とした別れも「手を振った」だけだから、現在私にとって「ブラジル式の挨拶」は正直 ...
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