日本人は大嫌い―。取材先で日系二世の男性にこの言葉を何度も投げつけられた。聞いたことはあるが、面と向かって言われると強烈だ。 静岡で十月、フジモト・パトリシア容疑者(31)が引き起こした交通事故で二歳の女児が死亡した。 謝罪もせず、事故六日後にブラジルに帰国した彼女の家とおぼしきサンパウロ市内の住所を訪ねた。 彼女の父親 ...
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コラム オーリャ!
「今年はトヨタのレベルを目指す」。十三日付フォーリャ紙は、韓国自動車大手ヒュンダイの一ページ広告を掲載した。 連動したか、付録「レヴィスタ」では、韓国人街化が進むサンパウロ市ボン・レチーロ区を特集。その街並みから生活・文化まで好意的に紹介していた。 ただ、韓国系と日系の若者の対立について長々記述するなど手垢のついた内容が盛り込 ...
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卒業式のシーズン。機会あって、いくつかの日系学校を訪ねた。 先ごろ訪れた幼稚園の卒園式では子どもたちの発表はほとんど日本語。日本の学芸会のようと言えば月並みだが、そんな雰囲気か。聞けば半分以上の家庭ではポルトガル語を使っているという。 父兄の姿も興味深い。ビデオを手に我が子、我が孫の晴れ姿を逃すまいと最前列に陣取るその顔は ...
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まったく興趣に富んだ素晴らしいコレクションを持ってやがる。 パウリスタ通り1313のSESIで開催中の美術展を鑑賞した。 バイーアのメディア界に君臨したジャーナリスト、オドリコ・タヴァレスの収集品である。 何より、日本人抽象画家の作品が目立った。移住者では間部学、フラヴィオ・シロー、大竹富江、若林和男。日本の津高和一の絵 ...
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最近、相次ぐ日本の児童殺害、誘拐事件。驚いたのは日系ペルー人が容疑者になった広島女児殺害事件だ。金目当てではなく、ついにこのような悪質かつ不可解な事件が起こった。今回は日系ペルー人だが日本か見れば日系ブラジル人も同じだろう。デカセギに対する印象をさらに悪くしたのは決定的だ。 JETプログラムの交流員として在日ブラジル人の支援 ...
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ある文協評議員と話したおり、十七日の創立五十周式典の話題に。招待状が届いてないという。 経費や人員制限の問題で、会費未払いの評議員には招待状を出さないことが実行委員会で決議されたようだ。聞けば、未払いの評議員はごく少数らしい。 INSS問題で抱えた数百万レアルの罰金。この一年で三割も目減りした現預金。「木を見て森を見ず」と ...
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何かにつけて、伯亜は対比関係に置かれがちだ。コリンチャンスをブラジル選手権で優勝に導いた立役者は、亜国のテヴェス選手。押しも押されぬスターだ。 移籍をめぐるごたごたもあったが、チモンのユニフォームによく溶け込んだ。来季もチームに残留することになりそう。 ブエノス・アイレスの貧民地帯出身。生い立ちが、ファンの琴線に触れたのだ ...
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なぜ日本語を残したいのか――。一世にそう尋ねた時の答えに「日本に行った時に役に立つから」という答えが加わってきたように感じる。 デカセギ滞在が長期化するにつれ、日本語で育った子弟と両親との間にコミュニケーションの問題が出ているという。先ごろ傍聴したセミナーで講師が報告していた。 それはかつて日本移民の両親たちが経験した問題 ...
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ナマケモノを探せ。パウリスタ通りのトリアノン公園に行ってきた。以前見たという妻。「絶対いるから」。自分の目で確かめたいと思った。 結局徒労に終わったのだが、うっそうと繁る原生林の中で森林浴。通りをはさんで真正面に位置するサンパウロ美術館のモダン建築との景観の対比に改めて感心した。 公園前にはアニャンゲイラの大きな像。十七世 ...
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日系コロニアの史料を後世に残していくことは難しい。最近、ブラジル日本移民史料館に出入りするようになったが、どこにどんな史料があるのかを把握していない人が多い。物品にそれぞれ番号がつけられノートにまとめているが、番号も古く史料が散逸している。 また、貴重な写真や新聞記事の切り抜きをこっそり持ち帰る研究者がいる。これによって簡単 ...
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