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オーリャ!

コラム オーリャ!

 日本の知り合いから電話があった。  七日に文協で行われた南米地方行政視察団と日系諸団体との意見交換会についての報道を見たという。「日系団体の人は怒っているだろうね」と聞かれ、答えに窮した。  「誰も怒ってないですよ。靴を脱ぐのも日本の習慣ですし…」と世話役となった県連の中沢宏一会長は眉をひそめる。  母県からの協力あっての県人 ...

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 カンピーナス大学(二十日)を皮切りに、国公立難関大学の入試が始まる。国公立大は、例年通り狭き門。競争率は学部によって七・八十倍に達している。  同大の試験は最初の腕試しという意味もあり、受験者の緊張をほぐす役割を担っているらしい。「入試の要領がつかめるので、次に向けて気持ちが落ち着く」といったコメントが伯字紙に載っていた。   ...

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 木に上って野球を見られた頃はよかった――。詩人の西脇順三郎がそんな一文をどこかに書いている、そうだ。  田舎の野球少年だったわたしもそんな時代を懐かしむ。ついでに言えば、野球帽を被って野山を駆けていた頃はよかったと思う。  今年の夏は久しぶりに帽子を被ってみようか。炎暑の旧市街を歩いて、帽子屋が連なるセミナーリオ街を訪ねた。同 ...

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 今となっては、沖縄語がなくなったら嫌だし大切だと思う。五十四歳になる彼女は十二年間沖縄で生まれ育った。その後、祖母が住むブラジルへ移住。学校についていくために必死でポ語を覚えた。  沖縄で通っていた小学校では一九八三年の沖縄返還に向けて「日本に帰ろう」という風潮があったそう。沖縄語を使うと「沖縄語禁止」という看板を一日中、首か ...

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 「フジモリさんっていうかフジモリですよ」との言葉を聞いて、複雑なものを感じた。  六日、フジモリ元ペルー大統領がチリで拘束されたことを受け、現地の日系二世の知人に電話取材した際のことだ。  三年前、ペルーを訪れた際、日系人協会の幹部たちに取材したが、フジモリ氏を日系社会の仲間と認めておらず、大半が批判を込めて評した。  一九四 ...

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 サンパウロ市西部の日本語学校そばに、先日紫色のカミニョネッテが停めてあり、警察官が状況を注意深く見守っていた。近隣住民によると、車内で死体が発見されたのだという。自動車は盗難車とみられ、この日の明け方に放置されたらしい。  第一発見者は「不審だと思って警察に通報したのよ。まさか、殺しなんて。遺体は紐で縛ってあってねえ。誘拐され ...

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 コロニアで行われる式典の記事には「日伯両国国歌が斉唱された」などとよく書かれているが、実際は君が代を歌っている人たちはごくわずか。  もともとの音楽の派手さや長さもさることながら、日本国歌を歌える人が少なくなり、二つの音楽が続けて流されるときは落差を感じてしまう。  その上、君が代を知らない人が演奏をしたり音響を担当したりする ...

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 女は度胸、男は愛嬌。八〇年代に人気アイドルがそう歌って一世を風靡した日本。当時からすでに、男/女の何かが逆転し始めていた。  「マチズモ」の国ブラジルでも最近は、男性に「女性」らしさが求められているようだ。  先日エスタード紙の、女性読者アンケート〈理想の男〉特集を読んだ。それによると、圧倒的支持を集めた条件は感受性や情緒。金 ...

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 レジストロ灯篭流しが始まったいきさつについて何人かに話を聞くと、いろんな説があったので混乱した。定説はリベイラ川で泳いで溺れ死んだ七人の供養をして、七基の灯篭を流したことがきっかけとされている。  しかし、供養を始めた日蓮宗の故・石本恵明総長の妻、妙豊さんによると「水難事故が多発していると聞いたので始めた。七基の灯篭は、南無妙 ...

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 最近、パラグアイに行った際、DVDを六十枚ほど買い込んだ。で、ほとんど見ていない。  かつて、リベルダーデには数軒の映画館があり、封切り映画ともなると長蛇の列が出来たとも聞く。〃唯一の娯楽〃だった映画を今も好きな人が多いことは文協の水曜シネマの好評ぶりからも分かる。  日本でも同じだったろう。そういえば、父も映画に詳しかった。 ...

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