ブラジルでますます盛んになってきているカラオケ。子どもからお年寄りまでこれに懸ける思いは強い。聞くところによると毎週大会に参加し、多い日だと一日に三つの大会に出場する人も。歌わない日があると「何か物足りない」と言う。 先日訪れた大会では、皆プロ顔負けの歌唱力。彼らは「出場者」と呼ばれるのではなく、もはや「歌手」と呼ばれている ...
続きを読む »オーリャ!
コラム オーリャ!
まったく、ヒドイ話だ、と思った。不祥事続きのNHKがブラジルでもやらかしていた。 八年前に橋本梧郎氏から拝借した資料を隠匿。謝罪どころか「返してないですか?」としらばっくれた。 十六ミリフィルムを貸した松山さんが「諦めた」ことを確認するや、謝った。「悲しそうな声を出していた(松山さん)」とは、言い得て妙だ。 本紙掲載を受 ...
続きを読む »コラム オーリャ!
戦前にコロニアで作成された、「読み方」の教科書『日本語讀本』。『移民四十年史』で、アンドウ・ゼンパチ(旧日伯新聞編集長)は、文学者古野菊生が執筆。自由主義的な色彩が強いと内外から批判を浴びた、という内容を書いている。 「この教科書は、日本政府から派遣された職員の元でつくられたもの。古野が関わっていたとしても、責任者ではなかっ ...
続きを読む »コラム オーリャ!
八回目の日本祭りが無事、閉幕した。大げさではなく、日本国外で開催される日本紹介イベントとしては最大規模のものだろう。 気になることが一つ。 「長崎ちゃんぽん食べたかったけど、やってなかったよ」。初日の午後、地下鉄駅に向かうバスで同席した男性がそんなことを言っていた。 郷土芸能もアニメ上映も二日目以降。開場当初は郷土食も準 ...
続きを読む »コラム オーリャ!
ヘンだな。どうしてわざわざそんなことを訊いてくるのだろう。娘連れで長距離バスチケットを買い求めたら、「娘さんの身分証明書をいまお持ちですか」と言われた。 実は持参していなかった。ええ、まあ、それは……とお茶を濁してその場を取り繕った。保護者が一緒にいれば、問題はないだろうと考えた。 が結局、運転手に乗車拒否された。「あなた ...
続きを読む »コラム オーリャ!
より安くよりいい物を世界から取り寄せる。世界が市場になってきている現在、世界中に日系企業が進出している。そこで大切だと言われるのが「現地化」。その国の土地や人の性質を良く知ることが大切だという。 ブラジルでの進出において問題とされているのが日本特有の「単身赴任」。単身で渡伯する日本人駐在員が多く、日本人同士ばかりで固まってし ...
続きを読む »コラム オーリャ!
ある文化団体代表者とメンバー数人が伝統芸能を学ぶため、技能を持った一世に指導をお願いするというので同行した。 教えを乞う立場である青年の帽子を被ったままの姿や挨拶もなかったことに、気分を害した指導者。練習後に残ったメンバー代表者に苦言を呈した。 「確かにそうですが、辞められては困るんで・・」ようやく興味を持ってもらった青年 ...
続きを読む »コラム オーリャ!
「くたくただよ」と言って、差し出した両手は肌荒れがひどかった。日系人と結婚しており、幼い子供がいる。定職が見つからず、長らく親戚の文房具店を手伝っていた。レストランで働き出して二、三年。日々の生活に、悪戦苦闘しているそうだ。 〈カンポサント 移民の果ては野菊かな〉 サンパウロ州新報社主、香山六郎氏の遺句で、移民の怨念がよく ...
続きを読む »コラム オーリャ!
「ブラジルでは一緒に住む家族が介護できるから日本みたいに他人に任せたりしない」。日本の福祉事業に関してのそんな言葉を聞いたとき、それは過信だと思った。そうした圧力で苦労している人はたくさんいるだろう、と。核家族国日本から来たばかりの私は、母親が介護福祉士をしていることもあり、老人介護は家族だけでなくヘルパーなどの専門家に助けて ...
続きを読む »コラム オーリャ!
冬休み、どこかに出かけたいが別に予定もない。知人夫婦は「ちょっと冷やかしに」と先週末カンポス・ド・ジョルドォンへ旅立った。安宿でも二百レアルは下らない、そうである。 ある舞台演出家が「アルゼンチンなんてブレザーを着たパラグアイ」と皮肉っていた。それに倣えば、「ブラジルのスイス」が売り文句のカンポスはさしずめ、ステテコ姿のス ...
続きを読む »