一本の電話が、渡部和夫・百周年祭協会顧問の心の支えになっている。 「新聞の批判など気にせず進めて」。くだんのセンター建設に関して、八十歳の一世女性から励まされたそうだ。先日懇談した際、渡部氏はこのエピソードをしみじみ二度も語っていた。 次期文協会長選で、同協会理事長の上原幸啓氏が再選を逃せば、計画をフイにしかねない。日系社 ...
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コラム オーリャ!
ブラジルでも政府が力を入れれば、ゴミ一つない整然とした観光地ができあがる、という見本を見た。十八世紀の昔からサントスとサンパウロをつなぐ物資流通の動脈だった「カミニョ・ド・マール」。道は海岸山脈を切り開いてつくられた。麓のクバトンから登り切った地点までは高さおよそ七百メートル。 サンパウロ州政府が観光道路として整備しているの ...
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思えば、茶道もいけ花も日舞も、日本にいた時はまるで縁が無かった。父と祖父を亡くしてからずいぶん経つので、これほどおじさん・おじいちゃん世代と接したのも恐らく初めてだ。 在り来り過ぎて透明人間のようだった「日本」が、突然色や形を伴って目の前に現れた、そんな感じがした。 日本文化の何が大切で、何を受け継いでいくべきなのか。これ ...
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生ゴミや紙屑が散乱し、ひどい異臭が漂うこともある。出社途中、大阪橋の袂の鳥居の当たりを通ると、ゴミ捨て場の汚さが目に付く。どうやら夜半のうちに、カタドール・デ・リッショや路上生活者らが荒らしてしまうらしい。 近くで店を営業する日系人女性は先日、「ゴミを出す日時が決まっているのに、ちゃんと守らない人がいるから汚れるんです」と不 ...
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趣味を訊かれて、「街歩きです」と答えると、ブラジル人は決まって意外そうな顔をする。 落書きだらけの通りを防弾車が走る市街地を散策するくらいなら、公園へどうぞと親切にアドバイスしてくれたりする。 でも、ダメだ。人種、風俗、歴史が入り混じる風景が好きなのだ。昔噛まれた経験があるから、公園の大型犬も怖いし。 だから、わたしは例 ...
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昨年、訪伯した小泉首相がヘリで降り立ってから、日本で知名度が上がったグァタパラ移住地。民間人への浸透はともかく、官関係のブラジル訪問団に「移住地視察」を日程に組み入れようとする機運があるという。 地味な移住地は、変貌するのだろうか。ブラジルにおける大豆「オーロラ」の里、山くらげの里、さらにイッペーや蓮(はす)の里などとして、 ...
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例えば、お風呂上がりに「ちょっとコンビニへ」という時。ブラジル印のビーチサンダルを、ひょいっと引っ掛けて玄関を出ていく自分の姿を思い描いてみた結果、衝動にかられて買ってしまった。havaianas。 種類が豊富で、長時間履いても疲れないから、と愛用している友人も多い。サンパウロ市内で集まった時は十人に三人、プライアへ行った時 ...
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歯科、福祉部を含めると、援協診療所に毎月七千人~八千人が訪れる。文協ビルの中で、来訪者数が最多であるのは間違い。日系人との接触が最も多いとも言えそうだ。 病院だから、若い人よりは高齢者の姿が目立つ。和井武一援協会長は「来診者のほとんどが、五十歳以上の人ですかね」とみている。 同診療所のメリットはもちろん、東洋人街に立地して ...
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普段は伯字紙の社交欄などでよく見かけるブルートゥリー・ホテルの青木智栄子社長。華やかなブラジル社交界の、数少ない日系花形の一人だ。 全伯で二十以上のホテルを経営する青木社長の日本語は、ビジネスで鍛えられている。意外と小柄な体格に、きっちりとビジネス・スーツを着込み、プロジェクター画面と同時に話を進める。戦後移民というよりは、 ...
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手帳を使い切った例がない。毎年四、五月以降のページは真っ白だ。 カレンダーもろくに見ないので、曜日の確認はバールの日替わりメニューが頼りだ。フェイジョアーダなら水曜、フィレ・デ・ペイシェなら金曜といった具合に。 そんなわたしだが、今年も懲りずに手帳を買おうと思った。往年のスパイ映画で刑事や諜報員が使っていたような懐中手帳が ...
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