ホーム | コラム | オーリャ! (ページ 224)

オーリャ!

コラム オーリャ!

 先日行なわれた老人週間でJICAシニア・ボランティアの安達正子さんが講演し、自身の一家を襲った不幸に触れながら「命の輝き」を訴えた。  講演を終え、聴衆の反応をひしひし感じている。多くの人がそれぞれの苦労と重ね合わせて聞き入っていた様子で、自分の体験を話して聞かせてくれた人や「みんな同じだよね」と言いながら安達さんをぎゅっと抱 ...

続きを読む »

コラム オーリャ!

 舞台中央に掲げられた孫文の肖像写真に、敬礼する台湾系移住者たち。そして、次々に披露される民族舞踊。辛亥革命(一九一一年)を記念したイベント、国慶節の祝賀会会場に足を運んだ。そのお祭りムードに圧倒された。  中国の大陸側もこの日を「辛亥革命記念日」としていることから、両岸間で華やかさが競われた時期もあったそうだ。  一九二〇年代 ...

続きを読む »

コラム オーリャ!

  またか、と思う。また欧州の作家かと。七日発表されたノーベル文学賞受賞者のことだ。今年はオーストリアの女性作家だった。大江健三郎が選ばれたのが十年前。以後、欧米作家による独占状況が続いている。  この間、南アフリカ出身者が受賞したこともあったが英語圏。非欧米語を母語とする作家は翻訳など障壁があり、栄光への道のりは案外遠い。その ...

続きを読む »

コラム オーリャ!

 日本政府の「海外日系人訪日団受入れ事業」が今年限りで終了した。南米在住の日本人側からいえば、三十七回招いてもらった。この事業が留守家族会連合会を窓口として行われていた当時は「初期移民里帰り」といえば、通りがよかった。  若い人たちを対象とするような研修でも、何かの功績に対する褒美でもなかった。生活に追われて、日本に里帰りどころ ...

続きを読む »

コラム オーリャ!

 日本ブラジル交流協会第二十四期生は先ごろ中間旅行を行ない、熱心な実業家兼教育者として名高い西村俊治さんに会うべくポンペイアを訪れ、西村俊治農工学校(西村俊治代表)などを見学、生徒との交流も楽しんだ。  西村さんは、日本人移民の中でも稀有の成功者。しかも礼儀にうるさい方だと聞いていたので、失礼の無いようにと内心ビクビクしながらの ...

続きを読む »

コラム オーリャ!

 「彼は、れっきとした日系二世です」──。  ウイリアム・ウー市議を指して、肉親の男性が言い切った言葉だ。「台湾人男性と日本人女性の間に生まれたハーフ。でも、父親は旧日本軍の将兵だ」と力を込める。  大学を卒業したものの定職につかないでぶらぶらするウー氏。父は、とにかく働けと叱り飛ばした。新聞広告で息子が探してきた仕事は、〃3K ...

続きを読む »

コラム オーリャ!

  佐々永治さんが一日、ガンのため永眠した。  いつも背筋を伸ばしシャンとしていた。髪の毛は奇麗に白に染まり、気品が溢れ、誇りに満ちていた。ガルボン・ブエノ街でばったり出会ったときのこと、嬉しそうににっこりと微笑んだのが忘れられない。体全体に優しさが滲んでいた。  それは、死を直前にした人だけが持てる温かみだったのかも知れない。 ...

続きを読む »

コラム オーリャ!

 今選挙の経済効果ってどの程度なのだろう。中日が今年日本一になった場合で百五十一億円、昨年の阪神優勝による効果は千五百八十七億円だった、と知って考えた。  広告印刷費、景品、選挙運動員の日当……。路上に散らばった宣伝チラシの掃除代も軽くは見られない。投票日の夕刻、トラックに大挙乗りこんだ清掃員軍団が市内を右往左往していた。  そ ...

続きを読む »

コラム オーリャ!

 いつも軽妙な筆致で随想を書き、ほおを緩(ゆる)ませてくれる山添良一さん(元南伯農協中央会広報主任)。現在、カンピーナスに在住。最近、便りで、これからやって来る「出水」の被害にふれ、暗に「この人災、なんとかならないか」と怒っていた。  山添さんによれば、出水の「名所」は移動(移転?)する。サンパウロの名所は、六〇年代まで旧メルカ ...

続きを読む »

コラム オーリャ!

 小泉首相とルーラ大統領の首脳会談でも議題に上った二〇〇八年の移民百周年祭。「日本ブラジル交流年」とされることが共同声明に盛り込まれた上に、両国の識者で形成される「日伯二十一世紀協議会」も来年に立ち上げることが決まった。  問題は人選だ。当然、ブラジル側には日系社会から人材を送り込むことになる。政治家や学者ら「肩書き」を持つ人間 ...

続きを読む »