チエテ移住地出身者が親睦会をする、と世話人三人が案内に来た。七十八歳、八十五歳、八十五歳だった。全員一世、〃子供移民〃である。雑談で「老人クラブに参加していますか」と訊ねてみた。全員「ノン」。 その理由は「老人クラブにはいると年寄りくさくなる」。冗談で言っているのではない。三人のうち、働いている人は一人、二人は悠々自適。暗に ...
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コラム オーリャ!
マラソンのバンデルレイ・デ・リマ選手の悲劇の銅メダルで日曜日の話題は持ちきりだった。 一時は二位以下に四十五秒差をつける快走で、三十六キロ地点で妨害されるまで首位を維持。事件後、顔をゆがめて走り出したが、失速し、二人に追い抜かれたのは信じられぬ悲劇と映った。 そんなとき、だ。鮮やかな逆転ヒットが目に入った。競技場に入ったバ ...
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二十五日、サンタクルス病院が主催した「お年寄りに関する国際セミナー」。閉会の挨拶を述べたのはJICAの石橋隆介サンパウロ支所次長だった。 「自分の考えていた老後計画をガツーンとやられました」。 石橋支所次長の〃老後計画〃は―六十歳でJICAを退き、老後は大好きな沖縄に移り住む。それに備えて沖縄三味線(さんしん)も練習中。十 ...
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東京農大校友会のパンアメリカ・ベレン大会に参加した。ブラジルはもとより、カナダ、米国、メキシコ、アルゼンチン、パラグアイ、それに日本から総勢百四十人の卒業生がアマゾン河の河口で合流した。 四十年ぶりの再会を果たした人たちは、学生時代の青年のように「あの頃の夢や希望」をお互いに語り合っていた。 参加した卒業生の大半は、農業を ...
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東洋人街を含めたセントロで、ホームレスの殺傷事件が相次いで発生、住民の気を揉ませている。サンパウロ市内に路上生活者は、約一万人いると言われる。簡易宿泊所への入所を嫌う人も、少なくない。 「好きなときに移動出来るので、道には自由があると言うんです」。以前、日系の社会福祉士からそんな話を聞いた。 サンジョアキン街、タグア街の辺 ...
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NHKテレビは、放送当該国の〃放送権〃の都合で、アテネ・オリンピックの実況中継をしていない。ふだん安くない視聴料を衛星使用の電波配給会社?に支払っているだけに、割り切れない思いをしている人も多いだろう。 「ブラジルのB局は、オリンピック関係映像を多く流している」ときいて、チャンネルを回してみると、なるほど、ブラジル関係競技、 ...
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きょう二十四日はゼツーリオ・ヴァルガスの命日に当る。ブラジル近代化の父がリオ・カテチ宮の寝室で心臓を撃ち抜き自害したのはちょうど半世紀前の朝方だった。 リオに行けば、たいていカテチに寄る。現在は史料館として公開される宮殿の庭が心地よい。湿った安宿で一休みするならとベンチで昼寝。気が向けばその最上階にある「現場」にも行く。 ...
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グァタパラ文協役員らは十四日、先に行なわれた移住地入植祭と運動会の労をねぎらう「ごくろうさま会」を行なった。 食卓には、来年の収穫に期待が集まる山くらげの酢の物やオーロラ大豆で作った味噌・豆腐などが並んだ。 食材の大部分がグァタパラ産農作物という中で異彩を放っていたのが弓場農場の味噌。グァタパラ産の味噌と並べてみんなで味く ...
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以前、当欄で百周年祭典協会が目指す日伯総合センターを童話「裸の王様」に例えた事がある。 実体のない透明の服を着たつもりの王様を、誰もが心の中であざ笑いながら批判をせず口をつぐむというお話である。 ここでの「王様」は祭典協会、「透明の服」は日伯総合センターだ。童話では「王様は裸だよ」という子供の一言で誰もが正気を取り戻す。 ...
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「日本の不登校児童をブラジルで受け入れたらどうでしょう」。高齢化の進む日本の将来を思って、ある知人がそんな構想を打ち出した。 「狭い日本で社会復帰出来ると思いますか?この広いブラジルで伸び伸び生活させたら、絶対にうまくいくはず」 有料で約一年の期間を予定。郊外の農場で、野菜などを栽培して半自給自足の暮らしを体験させるのが ...
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