ブラジル日系社会の学術機関、サンパウロ人文科学研究所で所長および専属研究員の不在が続いている。宮尾進前所長と脇坂勝則相談役、鈴木正威理事が交代で〝参勤〟しているのが現状だ。 宮尾前所長は「遅ればせながら、うちもペレストロイカ(再構築)の必要に迫られている」と、二十年ほど前に流行した言葉を用いて自嘲する。 空白のままの人事と ...
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コラム オーリャ!
今月五日、岩手県人会で始まったASEBEX(元留学生・研修生協会)主催の〇四年講習会「留学・研修準備セミナー」。三十日まで毎夜、内容の異なる講義がありボリューム満点だ。 会場を訪れると、前方で約三十人が椅子に腰掛けて講義を聞き、後方では二十人以上の若者が様子を見守っていた。前方の若者は今後、留学・研修を目指している後輩、後方 ...
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「宝物と言うと、これらの移住者名簿と旅券かな」。移民史料館の中山保巳前副館長は、文書史料室で史料を一つ一つ手繰りながら答えた。 第一回笠戸丸移民で日系最初の歯医者、金城山戸の旅券。戦前、戦後の移民名簿が所狭しと並ぶ。臣道連盟、吉井壁水の描いた獄中日記など、研究価値の高い資料が収められている。 もっとも「宝物や印象深い物とい ...
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母県の人も会に参加してほしい──。 岩手県人会は世代交代による会員減少に歯止めをかけようと、留守家族などの入会を検討している。 年額会費を徴収。会報の送付やブラジルに関する情報提供などの特典を付ける。世界各地の岩手県人会にも広報していくつもりだそう。 昨年七月の創立四十五周年記念式典に七百人近くが出席、日伯交流に盛り上が ...
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まるで欧州。この年始、約十年ぶりに訪れたクリチーバは、素晴らしい発展を遂げていた。サンパウロ市に比べ、ゴミや路上生活者などがとても少なく、あちこちに独創的で落ち着いた雰囲気の自然公園や施設がある。 同じ国の中にあることが不思議なぐらいの好印象を受け、帰聖してその体験談をすると、「あたしも行ったことあるけど、シャットな人が多い ...
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本紙元旦号の特集「卒寿でなお悠々現役」で画家の大竹富江さんを担当取材した。 「九十歳になってみなければ分からないことがある」とは禅の大家、鈴木大拙だが、大竹さんは「いまさら別にないです。ただ、若いころよりも描きたい気持ちが強い」と。 世間では、「詩人の短命」に対し「画家の長命」、そんな風にいわれる。老いてなお旺盛な創作意欲 ...
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正月飾りの鏡餅。神様と人を仲介役として、一年間の幸せを願って神前に捧げるものということは、周知の通り。 鏡餅の丸い形は昔の銅鏡を表す。古来から、鏡は神様が宿るところとされていた。また、家庭円満の意味もあり、重ねた姿は、一年をめでたく重ねることを表現する。 鏡餅の語源は、「鏡=鑑みる(かんがみる)」。良い手本に照らして考える ...
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「救済会はいつも、ぼつぼちです」 今年いっぱいで定年となる吉安園子事務局長がよく、言っていた言葉だ。団体自体に派手さはないが、使命を確実に果たしたいとの思いが込められている。 サンタクロースのモデルになったのは、ニコラス司教。今のトルコに実在した人物で、貧しい人や子供を助けたことで多くの人に親しまれたという。 救済会創立 ...
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将棋の羽生善治名人は「三流の人は人の話を聞かない、二流は人の話を聞くだけ、一流になると人の話を聞いて実行する。超一流の人はさらにそれを工夫する」と著書に記す。 日々人の話を聞くことを生業とする記者として、自戒の念に耐えない言葉だ。きっといろいろな金言を頂いているのだろうが、自分に聞く耳があったかどうか、はなはだ自信がない。 ...
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坂下へ向かう街路は広く、教会前広場に流れる時はのどかそのものだ。コロニアル風の家屋がいくつも残る。 フレゲジア・デ・オーはサンパウロ市の北、チエテ川を見下ろす高台に位置。市で最も古い街区のひとつに数えられる。 創始は一五八〇年。ゴイアス方面に金を求めて旅立った開拓者たちの宿場町としての歴史をもつ。北へまっすぐ伸びる街路が広 ...
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