移民史料館で一番高価なものは何か?「東郷青児画伯の絵画かな」と中山保巳前副館長。東郷画伯の最後の作品となった、移民の歴史を描いたパノラマ画だ。 二科会の会長をつとめた重鎮もブラジルの移民状況には疎かったようだ。 例えばフォイセ。振り上げ方は縦ではなく横に使い、大木を切るのではなく、潅木をなぎ払う物。 例えば切り株。斧で倒 ...
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十二日、JICAの発案で日系研究者協会青年部設立のための第一回会議がサンパウロ市内で開かれた。 目的は日本で学んだ研修生たちに研究発表の場を設けること。若い日系人を育成し、未来の日系社会を担ってもらう。当面はJICA研修生が主だが、将来的には県費留学生・研修生も受け入れたいという。 一方、「私たちに何ができるの?」という声 ...
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「日系人の医師による日本語での診察」。和井武一援協会長が傘下の友好病院を紹介するとき、よく聞く言葉だ。 移民八十年の記念事業として建設。現在は、総合医療検査センターが工事中で、ますます事業が拡大していく見通し。 援協の来年度予算は、日本円で四十億円を突破すると見られている。その九割を占めるのが友好病院だ。 移民百周年を五年 ...
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「どうしてマリア・クラーラ(グローボ局ノヴェーラの主人公)の親友がジャポネーザじゃいけないの?」。十四日付フォーリア紙には、テレビ媒体から無視状況にある日系俳優の恨み言が記されている。 エダ・ナガヤマさん(三三、三世)はUSP演劇科を卒業した才媛だが、その他多くの日系俳優とともにNHKドラマ「ハルとナツ」のオーディションを受 ...
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先日訪ねたリオで珈琲を考えた。 街のバールで注文したときのこと。カップは出てきたが空だった。砂糖を先に入れて下さい、という。 給仕が持つシルバーのポットが目に入る。重厚そうな代物だ。あの口から目の前で注がれると思うと街角のカフェでも格別感がある、と風情に思った。 すすってみれば、これが熱い。他所でも試し飲んだが気温四十度 ...
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二〇〇三年も終わりに近づき、社会人は忘年会、家庭の主婦は年末の大掃除や新年の準備で慌ただしい毎日を送っているのではないだろうか。 主婦にとって、正月のおせち料理ほど頭を悩ませるものはない。毎年、同じ料理で飽きてしまったご婦人に一味変わった煮豚を紹介したい。 塩をふった豚肉ブロックをタコ糸で縛り、まず、水煮で油脂を落とす。鍋 ...
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一九二〇年、前田光世(コンデ・コマ)がベレンに移住。講道館柔道の普及活動とともに、二五年の「農業視察調査団」とパラー州の橋渡し役を務めた。グレーシー柔術の礎となるなど、柔術、柔道界に貢献。前田に留まらず、空手、剣道、合気道などを導入、発展させた日系移住者の活躍は疑い無い。 空手のフランシスコ・フィーリョ、総合格闘技のバンダレ ...
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ポンペイアの本紙代理人・通信員、茂木元二郎さんが、さきごろ亡くなった。八十二歳。戦前の子供移民、いわゆる準二世だった。邦字新聞では戦前移民の代理人は数少なくなっている。 二年ほど前、循環器系の病気で倒れてからも、ボールペンで現地のイベントなどを中心に書いて送ってきた。判読できないくらい文字が乱れていることもあり、無理をしない ...
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一世不在の百周年――。そんな恨み節が聞こえる祭典協会の理事会構成だが、すでに副理事長職にある一世主体の団体、特に県連はもっと発言してもよさそうなもの、とは出席者の声だ。 今回、新役員が選任されたがほとんど文協の身内。各団体代表は一人なのに、どうして文協だけ特権的に要職を独占できるのか、という不満の声も聞く。選任するといっても ...
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桂植民地が開設されたサンパウロ州南岸の街イグアッペ。その歴史は古く、今年で四百六十五年を迎えた。 植民地時代から近代にかけての旧跡がそこかしこに残る。街全体がひとつの大きな博物館のようだ。 「古い建物の壁はクジラの油、貝殻、石で出来ています」 市長夫人の石田ルミさん(二世、三七)がそう説明してくれた。 街の中心から車と ...
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