世界アマチュア歌謡祭が二日、開かれた。幸か不幸か、カルナヴァルと重なった。 日常を脱却して踊りの主役になる人、連休を利用して旅行に出掛ける人など、ブラジルがカルナヴァルに浮かれていた。 会場はさぞかし寂しいものだろうと、足を運んだ。 出場者やその家族らで埋まっており、光景はいつものカラオケ大会と何ら、変わりなかった。毎度の ...
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コラム オーリャ!
サンパウロ現代美術館が来月で開設四十年になる。 ビエンナーレの創始者であるチチロ・マタラッゾが収蔵品を寄付する形でスタート。移住間もない画家の楠野友繁さんと近藤敏さんが、創成期を支えていたのはあまり知られていない。展示から修復まで、徹夜になることもあった。 「列車に乗って州内を巡回したもの。ポ語も解さず、乗り過ごさないかと冷 ...
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嫌な事件だ。韓国・大邱で起きた地下鉄放火事件は、サンパウロに暮らす私たちにとっても決して他人事ではない。 車を持たない人には欠かせない移動手段のメトロで、同様の事件が起きればどうなるか。 込み合う車内を見渡すと、連結部分から他車両に移動は出来ない上に、窓もわずかに開くのみ。〈非常時には開けて下さい〉と表示されたドアだけが、 ...
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人文研所長の宮尾進さんの『ブラジルの日系社会論集 ボーダレスになる日系人』が好評につき、二百部増刷された。 元々宮尾さんは「本にする積もりはなかった」というが、刊行のきっかけになったのは周りの宮尾ファンの声による。 昨年十一月の出版記念パーティーもコロニアの内外から約二百人が参集、大いに盛り上がったのは宮尾さんの人徳による ...
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援協巡回診療班(根塚弘班長)が二十二日、サンジョゼ・ドス・カンポス市で診察を実施した。 地元五つの日本人会からなる文協は、会場つくりや援協業務への協力などに奔走。婦人部が料理を担当して、招待者に振舞った。 「婦人部の協力無しには、何も出来ない」と、地元の役員がもらしていた。この縁の下の力持ちがいなければ、どんな行事も上手く ...
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この週末は、各伯字紙に東京のデカセギ・シンポの記事が掲載されたが、どこか他人事風だった。むしろ、それに先立つ十三日のフォーリャ紙意見欄にあった在東京のクローヴィス・ロッシさんの投稿は興味深かった。 ブラジル経済政策の失敗こそデカセギ問題の真因であり、それを解決できない自国政府の無能さを嘆き、次の一文で締める。「どんなに日本が ...
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出稼ぎは、日本の作家の持ち駒を増やした。 桐野夏生の『OUT』には、弁当工場で働く二世のカズオが出てくる。主人公に絡む重要な役所だ。馳星周の『漂流街』はデートクラブに勤務するマリオ(三世)を軸に話が展開する。 ミステリーや暗黒小説の分野にとりわけ活躍の場があるようだ。二重のアイデンティティを抱えつつ、社会の周辺に生きる。そ ...
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空想の世界の人物が時に現実として姿を表すことがある。 熱血教師を描いたTVドラマ「金八先生」。多感な中学生を受け持つ主人公が、生徒との摩擦や対立を乗り越える「師弟愛」の物語だ。 〈こんな先生いねえよな〉。決して品行方正な学生ではなかった私は、しばしば冷めた目で、ブラウン管の中で奮闘する彼の姿を眺めたものだ。 ところが現実は ...
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先日アニェンビーの大ホールで行われた韓国移民四十周年記念式典。 開始予定時間は七時だったが、来場者の到着が遅れたため、式典が始まったのは八時過ぎ。 二時間を越える式典後、韓国料理が供されるのかと期待していたものの、用意されていたのはもち菓子とサンドイッチ。お酒が好きなお国柄だからーと喉を鳴らすも、あるものは水のみ。 ...
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「お客様は神様です」。学生時代、札幌市大通り近くの書店でアルバイトしていた頃、店長が口をすっぱくして言った言葉だ。 品揃えや立地など、顧客が本屋を選ぶ条件は多岐にわたる。その中でも来店者への接客が大きな位置を占める。界隈には、紀伊国屋や旭屋といった大手が進出していることもあり、客へのサービスがとりわけ重要視された。 JIC ...
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