ニッケイ新聞 2012年6月2日付け 「天地有情四海兄弟」とは、イビウーナ文協の会議室に飾られた達筆な額だ。署名を見ると中曽根康弘とあった。ブラジルはもちろん、日本でもそんなにあちこちにはない。かの大勲位の寄贈品からは、物理的な日伯間の距離とは異なる、精神的な近さが伺われた。 関係者はこの書を「人類皆兄弟」の意味だというが、 ...
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コラム オーリャ!
ニッケイ新聞 2012年5月29日付け 「入って11年目で、娘が殺されたんですよ」。ボリビアのサンファン移住地に住む田島健児さんは、「あるぜんちな丸第12航」の同船者会で記者にこともなげにそう言った。注意していなければ聞き流しそうになったほどの、実にあっさりとした言い方だった。 40年を経た今、夫妻から悲壮感は感じられず、全 ...
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ニッケイ新聞 2012年5月26日付け 「私が献血出来ないのは、十分なポ語または英語能力がないからです」 日伯を通じて初めて訪れた献血センターで、医者との面接の最後に復唱させられた屈辱的な言葉である。 病気の可能性や血液検査では調べにくいリスクを、面接をすることで減らしたいという意図はわかる。病院側も正常でない血を血液バン ...
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ニッケイ新聞 2012年5月24日付け ユタテレコード主催の「ユタテゴールデンショー」は今年で5回目を迎えるが、イベント開始以来時間厳守を徹底している。松岡伸雄取締役の「日本人がやるからには」との台詞には、日本人としての誇りが感じられた。 ショーでは準備に携わるブラジル人が時計を合わせるほどの徹底ぶりで、工夫を凝らしたオープ ...
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ニッケイ新聞 2012年5月22日付け 初めて食べたときから、「富有柿」のファンであるオーリャ子。 毎年の柿祭りは盛大で名前も有名だが、実際ピエダーデでは後継者不足で生産者は年々減りつつあり、最盛期で40人以上を数えたピエダーデ柿生産者協会の会員は現在25人だ。 柿の花は10月に咲き、4月頃から収穫が始まる。早く摘んだ柿は ...
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ニッケイ新聞 2012年5月19日付け 肌寒い夜が続いている。この4月に初めてブラジルの地を踏んだコラム子は、サンパウロ市の気候というものを甘く考えていたように思う。 勿論どこまで気温が下がるのか、どんな雨が降るのかといったことのチェックはしたが、それを踏まえた上で揃えた服装では、若干心もとないこの頃である。 そんなある日 ...
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ニッケイ新聞 2012年5月17日付け 先週末サンパウロ市であったSP—Arteに子弟らの作品を出品させた、現代美術家の村上隆さんは、何かと物議をかもすアーティストの一人だ。 ヴェルサイユ宮殿で展示された一見卑猥な裸体フィギュアに対しては、日本のオタク達が美術作品はおろか、フィギュアとしての価値もないと反発をした。村上氏の目 ...
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ニッケイ新聞 2012年5月15日付け 「前向きの笑顔が信条初鏡」。あるぜんちな丸第12航の着伯50年の集いに参加した、三宅昭子さんの一句だ。 「これをモットーにしている」という三宅さんだが、トメアスーで積み重ねてきた50年を経て生み出された作品だ。多くの困難を経験したからこそ、説得力がある。 戦前から移住者がいたが、入植 ...
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ニッケイ新聞 2012年5月12日付け サウーデ文協の祭りに行った時のこと。健康のため、と最寄駅から同会館までを徒歩で向かったのだが、歩けど歩けど見えてこない。日系人の姿も見受けられず、地図の示す道はどんどん人気のない方へといていく。 暗く不安で心細くなってきた時、やっとみつけた一軒だけ不自然なほど賑やかな会館は、外とは全く ...
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ニッケイ新聞 2012年5月10日付け 錦鯉品評会に参加した渡部史朗さん(74、山形)=サンパウロ市=は鯉を愛して30数年。「生き物は大抵喧嘩をするし餌を取り合うけど、鯉は絶対喧嘩をしないし、弱いものいじめもしない」と語る。 コラム子の生まれ故郷は「鯉の町」と呼ばれ、学校や民家の多くが池や川に鯉を飼っていた。子供の頃よく鯉を ...
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