よほど奨(すす)め方が上手だったのだろう。老人クラブ連合会の会員たちが「自分史」を書いた。それも一人ではない。十人を優に越す▼奨めた人、日系社会シニアボランティアの安達正子さん(JICA派遣)の喜び方も印象的である。「原稿を持って来たお年寄りたちが、なんともいえない善い顔をなさるんです」。書いた人たちは、涙が出るほど嬉しく、寝 ...
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コラム 樹海
金鮮一さん殺害の報に韓国は大きな衝撃を受けている。首都のソウルでは抗議のデモがあり国民は悲嘆に涙する。しかも―である。人質である金さんの首を切断するというイラク武装集団の残虐なやり方が人々の心を抉り痛めつけた。この斬首のシーンは余りにも惨いので現地のテレビも放映しなかったそうだが、武装派の行動はもはや人の情を欠いている▼今や殺 ...
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コラム 「コーヒーの芳醇な香りと味は、千回のキスよりもすばらしい」とは、コーヒー・カンタータ(JSバッハ作曲)の一節だ。ブラジルは、カフェーの収穫期を迎えた。 「カフェ採り」はブラジル歳時記で、冬の季語。特に、初期移民には、馴染み深いものだ。ある老移民の女性の甘酸っぱい思い出話。 収穫時期になると、農場主の子どもから、毎 ...
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「はしご酒」や「はしご食い」はよく聞くが、コロニアには「講座・教室はしご」というのがある。これは、「酒」と違って大いに推奨できる。この「はしご」をやっているのは、高年世代の人たちだ▼近年は、老人クラブとか県人会が、教養講座、各種稽古(けいこ)ごとを冠した教室を開くようになった。会員だけではもったいないとあって「会員外も歓迎」と ...
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今年に入ってから移民史料館に、日本の学者がまったく来ていない。代わりにいるのは米国大学から日系社会の研究にきている米国人学者たち。今現在で三人もおり、三カ月とか半年とかの長期滞在しながらの本格的な調査だ。 ある同館職員は「日本の人は研究し尽くして飽きちゃったんじゃない」とも言うが、「し尽くす」ほど論文が日本で出ているという話 ...
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どういう風の吹き回しのせいかは不明ながらイビラプエラ公園の「開拓先没者慰霊碑」の法要が仏教によって行われたのは大変結構な話であると思う。詳しい事情はしらないけれども、以前は仏式だったし、ブラジルの大地に眠る一世移民らも慣れ親しんだ僧侶の読経に感激し喜んだに違いない。あの碑文を書いたのは田中角栄首相であり田中龍夫衆議や藤川辰雄氏 ...
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二十日の日本人男性殺害事件。男性の内縁の妻だった女性に会った。 かつて同棲八年、二人には既婚の娘が一人いる。事の知らせに「悲しみよりも、孫の顔を一度みて欲しかった」と。 話題はいつしか女性の戦争体験に移る。去年の出来事のごとく語って飽かない。ひとはだれでも齢八十にも達すると記憶の中で時間の奔流が逆転することがある。 いま ...
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小泉首相の施政には解り難い事が一杯あります。旧郵政省の解体と道路公団の民営化や医療団体―医師会の束ねをも崩す。これらの三つは自由民主党の財源でもあったわけです。小泉さんは「自民党を潰す」と政治家としての発言をもされています。小泉さんは宮沢内閣の郵政大臣を務めた事があります。その閣僚さまが「郵政民営化論」を打ち上げたものですから ...
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6月19日(土) リオ市レーメ区のマンションで十六日午後六時、ドイツ語教師のスイス人、レット・F・ウルマンさん(五六)が男女二人組に殴打されたうえ、七階から生身のまま放り出されて死亡した。死体には電話線で首を絞めた跡と多数の切り傷があった。部屋の中からは大麻六百グラムが発見され、金庫から書類や貴金属が持ち去られた形跡がある。犯 ...
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日本から着任した、中・長期滞在の駐在員の「ブラジルが好き」のあいさつを久しぶりに見た。見た、というのは、書かれたものがあったから。 グアタパラ新聞の六月号に塩谷哲夫・全拓連農業技術普及交流センター所長が「ブラジルが好きです、グアタパラともうまく合うはずですよ」、同千恵子夫人が「はじめまして、グアタパラ人になりました」とあいさ ...
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