最近、フィリピンの第二の町ダバオの日系人たちが移民百年を祝ったことを知って、激動した戦中、戦後を、五年後に百年を迎えるブラジルのそれと、つい比較してしまった。背景は全く異なっていたのだが…▼ダバオへの移民は、笠戸丸より五年早い一九〇三年に始まっている。第一次世界大戦後の麻需要増加で移住に拍車がかかり、在留邦人は一時二万人に達し ...
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コラム 樹海
ワンマン宰相・吉田茂氏の親友に白洲次郎氏という実業人がいた。戦後の政界でも活躍し初代の貿易庁長官を務めたりサンフランシスコ講和会議の際には全権委員顧問として日本の独立のために働いた人である。ご夫人が正子さんで「能」に詳しい随筆家だが、あるとき次郎氏に遺言を認めることを薦めたそうだ▼葬式無用。墓石無用―という簡潔で有名な白洲遺言 ...
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サンパウロ日本語スピーチコンテストが五日、開かれた。審査基準は内容、日本語表現力、音声表現力の三点で順に四・三・三の配分だった。 Bカテゴリー(能力試験三、四級)で、ジョゼ・ルイス・マリーニ・デ・パウラさん(一九)=モジグアスー市=が優勝した。 日本語環境のない非日系人は発音やイントネーションでどうしても不利になってしまう ...
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10月9日(木) 連警は七日、リオとマラニョンの両州で麻薬密売組織に対する作戦を展開し十四人を逮捕した。十四人はコカインに混ぜて量を増やし、麻薬販売人の利益を拡大させるための増量剤を密売人たちに売っていた。増量剤の販売人は二十六人いるとされ、刑務所から指令を受けていたと連警はみている。増量剤は、登録された製薬会社から購入したも ...
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10月8日(水) 十二日は「こどもの日」。消費者保護団体(PROCON)が調査したところ、玩具の価格が商店によって同じ商品で二九〇%も差があるという。ラバ・ジャットがプレッソランジアで二十二レアル八十セントであるのにカルフール・センテルノルテでは八十八レアル九十セントで売っている。玩具二十点を商店で比較すると、カルフールが最も ...
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いま多くの国が腐心しているものに高齢者対策がある。医学の発達、食料事情など生活環境の向上でお年寄りの寿命が伸びた。ひと口でいうなら七十、八十はハナタレ小僧。「人生僅か五十年」も死語となり、「人生僅か百年」の日も近かろう▼海の向こう日本の話だが、「父母に孝に」…の時代は、はるか遠のき「父母は重荷」の世に変わりつつある。とくに痴呆 ...
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独特の和風建築で有名なカザロン・デ・シャー。レジストロのKKKK建物(現移民資料館)、アルバレス・マッシャードの日本人墓地と共に州歴史遺産指定を受ける、サンパウロのコロニアが誇る〃三大遺産〃の一つだ。 なかでも、カザロンは連邦政府の歴史遺産指定も受けており、すでに二回もブラジリアから補助金が出た。ところが肝心のコロニアからの ...
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10月7日(火) サンパウロ市の市バス料金の値上げ率が、インフレよりかなり高いことが判明。レアル計画が始まった一九九四年七月から起算するとインフレは一六四・一五%。バス代は〇・五〇レアルから一・七〇レアルへと二四〇%の値上げ。インフレ調整率で計算するならバス代は一・三二レアルでなければならない。地下鉄は〇・六〇から一・九〇レア ...
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菅直人代表と小沢一郎氏が固く握手して誕生した新・民主党が五日にホテル「合併大会」を開き「次期政権は我が党」と気勢を上げた。国会議員を二〇四人も擁する大野党なのは間違いないけれども、この党はどうも一般には解り難いところが多い。合併で解党した自由党との政策の溝は必ずしも埋まったわけではないし旧民主党内にも社会党系の議員と超保守主義 ...
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「秩序と進歩」―はブラジルの大目標。しかし最近の報道によれば、所得格差は拡大一方、この十年間に国内三分の二の都市で貧富差が広がったという。 進歩が先行してきた現実が改めて浮き彫りになった格好だ。 一九七〇年に開かれた大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」だった。世界はあれからどう変っただろう。人類のエゴは相変わらず。秩序や ...
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