見渡す限りの、テント。今週終了した「世界社会フォーラム」の参加者のためにキャンプ場として提供された、ポルト・アレグレ市の公園だ。野宿者、その数一万人以上。トイレは仮設、シャワーは青空の下、炊飯は飯盒で。ギターの音色が聞こえ、場所によってはマリファナの匂いが漂っていた。良い環境とは決して言えない。しかし、密集したテントの海の中に ...
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東西南北
1月31日(金) 大サンパウロ市圏マウアー市で二十九日、女性企業家R(三七)が狂言誘拐容疑で逮捕された。Rは、同じく企業家の夫(三七)から身代金三万レアルを奪おうとした。Rは同日午前、愛人(三二)に〃誘拐〃された。愛人は、Rの携帯電話から夫に脅迫電話をかけたが、市警の逆探知で隠れ家の愛人宅が発覚。突入した市警は、縛られてもいな ...
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米国サンフラシシスコで発行されている邦字紙『北米毎日』が新年早々四回にわたり「真珠湾ぼっ発の真相」―ジャネット・ランキン下議の演説―を連載した。要旨は「日本が戦端を開いたのは、(相手諸国に対して)裏切りでなかった」である▼同紙が六十年前の演説の日本語訳を発掘して掲載したことに「こうした事実を埋もれさせておくものか」という強い意 ...
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福島県人会の定期総会が二十六日、開かれた。直前、ある男性の賛助会員が会館を訪れ会費を払った。 裸のままの五十レアル札を二枚、震える手でしっかり握り締め、声を絞り出した。「一枚は会費、もう一枚は見舞金です」。足取りは重く健康状態も良くはなさそうだった。 話を聞けば最近、詐欺事件に遭い、多額の金を騙しとられたという。それでも、空き ...
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1月30日(木) 「愛人殺害し遺体切断」事件で、被害者の遺体を検視した法医学研究所(IML)は、「遺体は九つに分けられた。腕や肩、顔面、胸部、足には、通常医学の授業で行われるような精密な解剖処理が行われていた。普通の殺人なら、遺体を隠すためにバラバラにするだけで済むが、数時間もかかる解剖処理まで行うことはない。犯人の形成外科医 ...
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あの大東亜戦争が終結してから今年で五十八年を迎えようとしてる。東西冷戦の冷たい戦いにも幕が降りたしアジアやアフリカの植民地解放運動も大きな成果を挙げたけれども、日本にとっての「戦争」は今も厳然として続いている。国後、歯舞、色丹、択捉の北方四島は旧ソ連から引き継いでロシアが実効的に支配しているし韓国との間には竹島がある。中国と台湾 ...
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サンパウロ市の市制記念日にはいつも、リベルダーデ区のお隣のベィシーガでは、年数分の長さのケーキを沿道に並べ、盛大に祝う。テレビ各局は競ってその準備風景や、当日の様子をたっぷり放送する。 有名なギネス・ブックにも掲載されているこのお祭りは、同地区の顔役だった故アルマンジーニョ・デ・ビィシーガ(伊系移民)がスイスのお祭りから発想 ...
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1月29日(水) セアラー州保健局は二十七日、今年初めてのデング出血熱患者の死亡を確認した。犠牲者は三十一歳の女性。同州クラテウース市で二十日、死亡した。保健当局によると、これ以外に三件のデング出血熱罹患(りかん)件と、二百件ほどのデング熱罹患件が記録されているという。全国では九日、アマパー州で五十歳の女性が、パラー州でデング ...
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冬眠の季節が去り明るい希望の春を迎えようとしている――。文協(ブラジル日本文化協会)こんにちの偽りない姿をそこに見る。半世紀前に日系コロニアの中心機関として発足した文協だが、昨今なぜか虚脱ムードの中で自らの〃立場〃を喪失させていった▼いっそのこと潰してしまえ――の強硬意見がなかったわけではない。が、文協は大事な機関であり、創立 ...
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でも、青年よ、世間や大人とはなかなかしたたかなものだぞ―。 ポルトアレグレで開かれた世界社会フォーラムで、米国の覇権主義などに対し、変革を訴える若人たちの姿に、「―大志を抱け」の言葉が浮かぶ。ついで、続き文句を思案した。結果が、冒頭の文である。 随分と大きく、参加青年らの振る舞いが報じられていた。おそろいのTシャツはチェ・ ...
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