ホーム | 連載 | 2003年 (ページ 19)

2003年

ペルー 南米初の日本人入植地=あぁカニエテ耕地=中=一年で半数以上が病死=「棺桶が間にあわない」

4月10日(木)  【リマ発】セルバ(熱帯性低地)とシエラ(高地)、そしてコスタ(海岸)。この三つの対照的な自然環境がごく近距離に密接していることがペルーの国土の主な特徴といえる。 その十二パーセントが不毛の砂漠に覆われたコスタと呼ばれる砂漠地帯であり、生き物が住むことができるのはアンデス山脈から流れ出る川が太平洋に注ぐ流域のみ ...

続きを読む »

ペルー 南米初の日本人入植地=あぁカニエテ耕地(上)=ある2世の不思議な体験=「地獄(カニエテ)で」死んだ仲間の供養を」

4月9日(水)  【リマ発】ペルー移民の歴史は、七九〇人の日本人移民を乗せた第一期移民船『佐倉丸』がリマの北方にあるカジャオ港に到着した一八九九年四月三日に始まっている。南米初となったこの移民船に乗り込んだ二十歳から四十五歳までの夢と希望に満ち溢れた移住者たちは、その期待に反して苦渋と絶望の生活を送った。その中でも最も悲惨な運命 ...

続きを読む »

ペルー=ワラルを訪ねて=下=地域に根づく診療所=現地の医師育成が課題

3月25日(火)  ワラルにあるさくら診療所は二〇〇二年四月二十八日に開所して以来、良心的な診療費とリハビリ施設も充実したサーヴィスで地元住民の評価も高い。  同市には四つの病院があるが、さくら診療所の地道な活動とリマの日秘総合診療所から派遣される優秀な医師たちの努力により、徐々に信頼を集めているようだ。  現在、延べ二十五人の ...

続きを読む »

ワラルを訪ねて=中=日本文化センター設立へ=ボランティアの派遣を期待

3月22日(土)  人口十二万のワラル市の中心地にある十五ヘクタール以上の広々とした土地には日系人協会の会館が建っている。  日系人協会の各機関であるインカ学園とさくら診療所もその敷地内にあり、プールや食堂などの施設も備えられている。  鈴木アマドール・ワラル日系人協会会長は「日系移民は常に健康と教育に重きを置いてきた」と話し、 ...

続きを読む »

ワラルを訪ねて=上=日本人専門家願う声=3人のテロ犠牲者の慰霊碑も

3月21日(金)   ペルーの国土は海岸(コスタ)、高地(シエラ)、熱帯低地(セルバ)という三つの地帯に分けられる。  首都リマはコスタ地帯に位置しており、緑一つ見ることのない果てしない砂漠が北ペルーからチリまで数千キロにまたがって広がる。  黒い砂を含んでいるため全体で見るとひどくくすんだ印象を与える砂漠地帯をリマから北へ約六 ...

続きを読む »

日系第三国専門家派遣事業 ペルーの現場を視察=終=評価高いブラジル専門家=それぞれの分野で貢献

3月20日(木)  日秘総合診療所は今年度、ブラジルから四人の第三国専門家の派遣を受け入れている。 牧野ロベルト所長は、今までブラジルから派遣された専門家を高く評価し、「同診療所の医師たちの良い刺激になっている」とその影響を説明する。 続けて、「免疫細胞学の分野で吉井セルジオさんが指導した最新の技術は、レベルが高く、とてもインパ ...

続きを読む »

越境する日本文化=舞踏(4)=受入れの素地はバロック趣味?=古典芸能の定番に食い込む

3月20日(木)  サンパウロ日本文化センターが携わってきた企画を顧みると、ブラジルが注目する日本文化の「いま」の推移が分かる。  特に九〇年代に入って、映画・古典芸能といった定番に食い込む勢いを見せるのが舞踏だ。ここ最近は毎年のように日本からの公演がある。  古川あんず、山海塾、大野一雄、室野井洋子、山田せつこ…。評論家や大学 ...

続きを読む »

日系第三国専門家派遣事業 ペルーの現場を視察(2)=超音波の診察普及=日秘総合診療所に長蛇の列

3月19日(水)  リマ市のヘスス・マリア区にある日系人協会に隣接して建っている日秘総合診療所(牧野ロベルト所長)は日本移民八十周年記念事業の一環として、計画、建設され、八一年に完成した。 以来、数度にわたる拡張工事を行い、現在では四階建ての延べ床面積一五五四平方メートルを誇る日系総合診療所である。 施設内には薬局やメガネレンズ ...

続きを読む »

日系第三国専門家派遣事業 ペルーの現場を視察(1)=活躍する日系ブラジル人=注目されるプロジェクト

3月18日(火)  国際協力事業団(JICA)が九六年から行っている『日系第三国専門家派遣事業』は「中南米等のスペイン語、ポルトガル語圏において高度な知識、技術力を有した日系人を専門家として活用し、技術協力をより一層効果的に実施する事業」として関係者の注目を集め、評価も高い。ブラジルからは〇三年度までに三十六人が受け入れ対象国に ...

続きを読む »

越境する日本文化 舞踏(3)=脚光浴びる「日本の身体観」=癒されるブラジル人たち

3月18日(火)  日本古来の芸事や武術に見られる身体の「型」をその原理から追及する「動法」の指導者、田中敏行さん。サンパウロ・カトリック大学で二年前から「足と体」、「身体の記憶」と題した実践授業を受け持っている。  「目をつぶって、ちょっと手を出して見て下さい」  記者の手のひらを取ると、人差し指で直線をなぞり始めた。  ゆっ ...

続きを読む »