2月7日(金) 起床は午前五時。まだ街の街灯がともる中、一行は朝食を済ませ、サンミゲール・アルカンジョ市のコロニア・ピニャールへ。 福井村とも呼ばれるこの移住地は昨年入植四十周年を迎えた。約五十家族の主産物はブドウである。それに加えて、カキやビワ、ポンカン、アテモヤなどの栽培も盛んで、それらの年間生産量は約六千トンにも上る。 ...
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越境する日本文化 漢字(4)=「1つ」で意味を持つ=ブラジルにはない存在
2月6日(木) 生け花や能などと違い、漢字は文化の一つであるが、ジャンルとしてはとらえられていない。強いて、漢字を芸術として扱っている例を挙げるとすれば、それは書道ということになるだろう。 二〇〇二年全伯幼少年毛筆コンクールの課題となった字は、「る」「まゆ」「元気」「大きな魚」「夕日の湖上」「春待つ草原」の六つ。扱う字は、ブ ...
続きを読む »日系農協活性化センター 先端現場を視察(3)=ピエダーデ=良質のカキ栽培=各種果樹生産する益田農場
2月6日(木) バスは西進を続け、ピエダーデの益田農場へ。毎年この時期にはクリ拾いを楽しむ人々で農場は賑わう。 農場主の益田照夫さんはその収益は三分の一をピエダーデの日語学校へ、残りは援護協会へ寄付する篤志家でもある。 「一年に一回だけだからね。その位はさせてもらわないと」と破顔する。 気さくな人柄がその話し振りからも伝わ ...
続きを読む »越境する日本文化 漢字(3)=日本の美しさ伝える=Tシャツの 文字はメッセージ
2月5日(水) KEROPPIの共同経営者であるエリザベスさんにとって、漢字Tシャツは、単なる商品ではない。 「私たちのデザインは、メッセージです」と言い切る。例えば、「水 ゆっくりあわてずに」という印刷に込められた意味を説明して「サンパウロでは、誰もが急ぎ足で歩いている。もっとゆとりを持っては」と語る。「平和」などの漢字は ...
続きを読む »日系農協活性化セミナー 先端現場を視察(2)=イビウーナ=無農薬栽培にかける=花・野菜生産する斉藤農場
2月5日(水) バスは一路、イビウーナの斉藤農場へ。雨後に太陽の光と共に充満する土と緑の匂いが鼻をくすぐる。 今回の訪問には若き農業技師、斉藤マルセロさんが説明にあたった。二十三歳とは思えないてきぱきとした説明に一行は感心しきりー。 この農場では花卉栽培と無農薬野菜栽培を中心に行っている。花卉栽培では歩合制を取っており、近 ...
続きを読む »越境する日本文化 漢字(2)=日本の「経済的成功」と「神秘」=漢字Tシャツの魅力
2月4日(火) 漢字Tシャツを作って売る側の企業に、その魅力を聞いてみた。 ジャパン・ソサエティの現代表、タルシーゾ・正勝・中島さん(五六)は、ブラジル人の間で東洋的なデザインが好まれるのは、「現代日本が持っている経済的成功、先進的、リーダーといったイメージに理由がある」と分析している。そしてもちろん、「ミステリアスなイメー ...
続きを読む »日系農協活性化セミナー 先端現場を視察(1)=コチアで堆肥生産=販路広げるBIOMIX
2月4日(火) 第三回日系農協活性化セミナー(JICA、農拓協共催)が二月二十七日から行われた。ブラジルを中心とした南米各地から集まった各農協の代表者は、三日間、講義や意見交換などハードなスケジュールをこなしながらも有意義な時間を過ごし、今回から始められた分科会では活発な情報交換が行われた。三十日からは施設園芸、果樹・野菜コー ...
続きを読む »越境する日本文化 漢字(1)=Tシャツに書かれた=「命」「幸福」「友情」「成功」
2月1日(土) 「命」「幸福」「友情」「成功」・・・リベルダーデ区に限らず、また日系人、非日系人にかかわらず、ペンダントやTシャツ、インテリアや入れ墨などに、漢字をはじめとする日本の文字を使っている人を見かけるのは、珍しくない。この一種の「漢字ブーム」とも言える現象は、なぜ、いつ頃から、誰によって、どんな人達の間で起こっている ...
続きを読む »越境する日本文化 マンガ・アニメ(9)=孤軍奮闘したアブラデミ=日系人の存在がブームの下地
1月31日(金) マンガ・アニメの隆盛は新しいメディアの発達により、コロニアのあたま越しに日本から直接流れ込んできた。ブラジルの日本食ブームが、欧米からの影響で始まったのと似ている。にしても、何らかの日系人の影響はなかったのか? 「日本移民の存在が、ブラジル人をして急激にマンガやアニメにのめり込ませる下地を作っていたことは重 ...
続きを読む »越境する日本文化 マンガ・アニメ(8)=マニアックな読者たち=マンガ通して 日本の風俗へ親しみ
1月30日(木) USPでマンガ史を教えるソニア・ルイテン教授は「ブラジル人のコミュニケーション手段の中心は、文章ではなく目(ヴィジュアル)と耳(会話)。その分、敏感に反応する」とし、それゆえマンガやアニメに飛びつきやすいと分析する。 「マンガはヴィジュアルに訴えるから、本を読むよりはるかにラク。動きのあるアニメの場合、主人 ...
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