11月18日(火) 三重城(みえぐすく)にのぼて 手巾(てぃさじ)もちやげれば はやふねの習ひや ちゅめどみゆる――。ヴィラ・カロン区ぺドロ・マラキーアス街で奏でられた琉球古典音楽、「花風(はなふー)節」は深く心に染み入っていく。歌い手は知花真勲さん(七五、沖縄県出身)。本職の看板屋を営むかたわら、沖縄県人会ヴィラ・カロン支部 ...
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日系職人尽くし―ブラジル社会の匠たち―(5)=「手に職付ければ、お天道様とおまんまは向こうからやってくる」=七十の手習いで表具師
11月13日(木) 「表装の仕事をしているのは、ブラジルで俺一人しかいねぇんじゃないか」といなせに語るのは佐々木克さん(八二)。表装の仕事を始めたのは一九九二年からだ。七十歳からの手習いとは恐れ入る。これまで、六回日本を訪れ、師匠たちに技術を習ったという。本職は、木工職人でこの道七十年の超ベテランだ。 日本へ一時帰国 二六年 ...
続きを読む »日系職人尽くし―ブラジル社会の匠たち―(4)=日本刀=製造全工程を一人で=銘を持たない〃刀匠〃
11月12日(水) 「私の日本刀に銘はない。独学で製法を学んだ私は、銘をつけることが出来ない」。四十年間、刀製造に従事し十一月で八十歳を迎える石田富三さん(七九)だが、姿勢は謙虚そのものだ。師を持たない石田さんは、刀匠や研究家の書籍を読むなどして独学で技を身につけた。「一度日本に行き刀匠に会い、ブラジルで日本文化を伝える許可が ...
続きを読む »日系職人尽くし―ブラジル社会の匠たち―(3)=〃開かずの金庫〃に挑戦=サッカー場で満場の拍手
11月11日(火) 茂木安太郎さん(七一)は、「Medico dos cofres(金庫の医者)」の肩書きを自らにつける金庫技師だ。特殊なドライバーを用いて金庫の微かな音を聞き、右手の親指と人差し指で引っ掛かりを探す。その姿は、聴診器を手にし、患者と向かい合う医者のようだ。「今まで、一万六千の金庫を開け、今でも三日に一回は仕事 ...
続きを読む »日系職人尽くし―ブラジル社会の匠たち―(2)=彫金=金属を玩具に育った=半世紀の技光る三橋さん
11月8日(土) おたふく(かなずち)とかた切りのたがねを持ち、三×二センチの真鋳板を削り、会話しながらの二十五分間。表にフクロウ、裏に名前入りのキーホルダーが出来あがった。十五歳から四十九年、ほぼ休まず彫金の仕事に向かい合ってきた職人の技を見せ付けられた時間だった。 彫金職人、三橋延吉さん(六四)は大阪の中学卒業後、父から ...
続きを読む »〔角田歳丸〕=地域社会に尽した日系市議の草分け=下=農村労働者の子女のために=土地提供、小学校を建設
その昔、ここに学校はなく親は、子供たちの教育に頭を悩ましていた ある日、学校が建設された 日本人の家族が移り住んできたのだ グァピアーラ市中心部からアピアイ方面に向かって車で約十五分のエンポッサード区。ここに、トシマル・カクタ小学校がある。歳丸が同市に移転後、間もなく、農業労働者(カマラーダ)の子のため、所有農地内につ ...
続きを読む »日系職人尽くし―ブラジル社会の匠たち―(1)=和太鼓=原子力発電所技師から転身=天然素材をハイテク加工
11月7日(金) 自分の手の技術によって、物を制作することを職業とする人――。広辞苑では、『職人』をこのように定義している。しかし、合理化、近代化で生産過程のほとんどが工業化されてしまった現代社会。その上、高齢化と後継者不足により、日本移民を通してブラジルに脈々と受け継がれていた技術が途絶え始めている。危機を感じた二人の若輩記者 ...
続きを読む »〔角田歳丸〕=地域社会に尽した日系市議の草分け=49年グァピアーラ市議=夏蒔きトマテを特産物に
カッポンボニート市(SP)から曲がりくねった山道を車で四、五十分。グァピアーラ市は山間にある人口約二万人の町だ。かつて日本人移住者はこの地で、夏蒔トマトの一大生産地を築き、サンパウロ市場の七割を供給した、と言わしめた。が、ほかの産業が育たなかったことから、若者は都会に流出して農村は疲弊。さらに、現地日系社会はデカセギの波にも飲 ...
続きを読む »南米発 放浪の料理人 日本食を探る=(6・終)=ボリビア=サンタクルス=2ドル前後のラーメン=「〝ボリビア料理〟に加えたい」
11月6日(木) サンフアン移住地、オキナワ移住地から最も近く重要な町、サンタクルス。日系人でここに移って商売を始める人も多い。今回は、二件の日本食料理店と、オキナワ移住地農協の直営店スーパー・オキナワを訪ねた。 日本料理の老舗「寄り道」は、サンタクルスを囲み、最も重要な1号環状線の脇AV.BUCHIにあった。店の内装は、お ...
続きを読む »南米発 放浪の料理人 日本食を探る=(5)=ボリビア=オキナワ移住地=ソーキソバ、那覇と同じ=川魚で棒状のカマボコ
11月5日(水) ボリビアのオキナワ移住地を訪れた。ボリビア人ですら、オキナワというと通じるくらい有名である。移住地は、ボリビア、サンタクルス市から北西に一時間弱の場所に第一、第二、第三と三つある。当然のごとく沖縄からの移住者が多いのだが、来るもの拒まずであり、沖縄人らしい陽気さと、誰でも受け入れてくれるおおらかさを持った人々 ...
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