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続・海を渡ったサムライたち=日伯セレソン物語=田中マルクス闘莉王

続・海を渡ったサムライたち=日伯セレソン物語=田中マルクス闘莉王(下)=父、敬愛する唯一の男=アテネでの再会めざす

3月11日(木)   背番号二十八を付けた一八五センチの大男は鮮やかに宙を舞った。  昨年七月二十六日、闘莉王が所属するJ2の水戸ホーリーホックはヴァンフォーレ甲府と対戦。前半二十九分、味方FKのこぼれ球に反応した闘莉王は、ブラジル人ならではのオーバーヘッドキックで先制点をもぎ取った。  満面の笑顔で観客席に、走り出す闘莉王。そ ...

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続・海を渡ったサムライたち=日伯セレソン物語=田中マルクス闘莉王(中)=教育熱心な祖母が後押し=プロ1年目=広島へルーツ訪ねる旅

3月10日(水) カッカッカッ――時折、町中を走る馬車の音が牧歌的な雰囲気を漂わせる。 サンパウロ市から北西に約六百五十キロ。牧畜で知られるパウメイラ・ドオエステ市は人口約一万人ほどの小さな町だ。 在住する日系人は約六十家族で三百人足らず。信号機が一台もないサンパウロ州とマットグロッソ・ド・スル州の境に近いこの町に、闘莉王の原点 ...

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続 海を渡ったサムライたち=日伯セレソン物語=田中マルクス闘莉王(上)=「君が代」で気合が入る=日本に恩返ししたい22歳

3月 9日(火)   わずか四ヶ月前までブラジル国籍しか持たなかった日系三世は、緑に輝く芝生に直立していた。  まだ真冬真っ盛りの今年二月八日――。  埼玉スタジアムで行われたサッカーアテネ五輪代表の対イラン五輪代表戦。トゥーリオから「闘莉王」と名を変えた男は、紅潮した顔を引き締めながら、試合前の国家斉唱に挑んだ。  《君が代は ...

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