8月18日(水) (ポッソスの)市職員が時間を守らないこと、シュベイロの修理を頼んでもすぐにしてくれないこと、食事が〃貧しい〃こと――私が焦(あせ)って文句をいうと、職員らも言い返す。かれらの言い分は「マツオは、なんでも急ぐ。遅れるとすぐに怒鳴る。ここはブラジルなのだ」「夜中でも平気で電話をかけてくる」「せっかくの七月の休 ...
続きを読む »唄でつづるカンゲイコ=柔道
唄でつづるカンゲイコ=柔道(6)=巨漢がホームシック=ポッソス=頭痛い道場環境〃不全〃
8月17日(火) 七月十八日(日)、サンパウロ勢三十五人、ミナス勢三十五人は、雨の降る中を、夜七時、道場に集合した。自己紹介、ミーティングのあと、ミナス選手は道場に、サンパウロ選手は市の宿泊所に分宿し、翌十九日から、午前は八時半より十一時半、午後は四時から七時半までの練習が始まった。 今回は男子のみ、十五歳以上、という規則な ...
続きを読む »唄でつづるカンゲイコ=柔道(5)=生徒たちを叱った後悔=修了式、いつもの感激なく
8月14日(土) 木曜日の夜、バストス入植祭が始まって、道場の前の公園では、ヴォルーミ・マッシモにして、午前二時近くまで、音楽を鳴らしている。とても眠れるものではない。 ちょっと寝て、四時半に生徒たちを起こし、五時から七時まで、最後の練習をさせたけれども、できない者を叩いたり、シンガしたり、愛情のないシゴキになってしまった。 ...
続きを読む »唄でつづるカンゲイコ=柔道(4)=仲間が骨折したのに=外出したがる生徒に失望
8月13日(金) 生徒たちは、元気になってきた。カロリーネ(12)とカミーラ(13)は「初めのうちは、練習がイヤでイヤでたまらなかったけれど、今は何のためにカンゲイコするのか分かってきて、友達もできて嬉しい。来年も必ずバストスに来たい」というようなことを帳面に書いてくれた。 全部の生徒がそういう気持ちになっているように感じ ...
続きを読む »唄でつづるカンゲイコ=柔道(3)=疲れ直しに日本の古い唄 喜んで唱和する非日系人
8月12日(木) カンゲイコは始まった。毎年のことであるけれど、生徒たちはその体力と精神力の限界までの練習を強制される。そうすると、身体の痛みに泣いたり、呼吸困難になったり、また、他道場の生徒とうまくいかなくなったりする者が出てくる。心配した寒さはなく、かえって暑く、蚊に刺されてよく眠れぬ者も続出する。とにかく、疲れ切った状況 ...
続きを読む »唄でつづるカンゲイコ=柔道(2)=塩沢良平氏に学ぶ=穏やか控えめな静かさ(2)
8月11日(水) 七月十日、(ポッソスで)一学期の修了式を行い、集まった百人の生徒らに、お母さんたちがつくったカショーロケンチを食べさせた。 プリシーラ君(18)は「ボア・ヴィアジェン、センセ」と言って私に抱きつき、また泣いて「これをイタルに渡して」と自分でつくったドーセを持って来た。プリシーラは、バストスのイタルが好きで ...
続きを読む »唄でつづるカンゲイコ=柔道(1)=頃はよし、寒波襲来=ポッソスとバストスで
8月10日(火) ミナス州ポッソス・デ・カルダス市を本拠に柔道を指導している松尾三久さん(61)は、市民からは「センセ」(先生)と呼ばれ、自称は「カンゲイコ屋」だ。寒稽古はいまやポ語化しているので、あえてカタカナ表記とする。いつも、幼少年から成人まで数百人の生徒を指導、貧困家庭のこどもたちには、自腹で柔道着を購入してやったり ...
続きを読む »