2005年12月23日(金) ④保存運動に協力者が少ないのは日本文化伝承の証 今日まで、いろいろな日系人の個人や団体・組織に保存協力を呼びかけて来た。そんな時「地元の人はどうしているのか」「まず地元を動かさねば」などの返事が来る。日本政府の出先機関に協力を訴えると、やはり「地元の協力は無いのか」「サン・パウロ文化協会の会長でも ...
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カザロン・ド・シャ保存運動――中谷哲昇さん特別寄稿――=連載(3)=日本文化特有の自然観を加味=自己主張なし得た好例
2005年12月22日(木) ③自己主張の文化 前回でカザロン・ド・シャには大工・花岡一男の自己主張とも言える職人としての強い思い入れが見られることは述べた。そこで文化における自己主張について日本の文化と外国の文化の違いを考えてみたい。 私が定義する文化とは、「人間の行動を支配する働きのなかで、生まれつき持っている本能的な ...
続きを読む »カザロン・ド・シャ保存運動――中谷哲昇さん特別寄稿――=連載(2)=大工「花岡一男」の自己主張=仕上げに少々欠点があっても
2005年12月20日(火) ②大工・花岡一男の創造性 私がやきもの作りをしている関係上、ブラジル人より日本のやきものとブラジルのやきものはどう違うかとの質問をよく受ける。これについては次のように答えている。「日本の第一線で活躍している陶芸家の個展などを見ると、ほとんどの作品は技術的完成度が高く、この面で見るべきものが多い。こ ...
続きを読む »カザロン・ド・シャ保存運動――中谷哲昇さん特別寄稿――=連載(1)
2005年12月17日(土) ブラジル、大サン・パウロ圏の東方に位置するモジ・ダス・クルーゼス市の郊外、コクエラ地区に日系移民大工が建てた製茶工場があり、地元の人達からカザロン・ド・シャ(お茶の館)と呼ばれている。独特の有機的な造形美を備えた、この国では珍しい木造建築で、鬼瓦に刻まれた年号から一九四二年に建てられたことが分って ...
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