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2005年

円売り問題=私のスタンス=作家=醍醐麻沙夫=連載(3)=うわさの中の「点と線」

2005年11月18日(金)  前項で書いたように半田さんは、円売りは巷間で言われたほどの実態はないものだと見切って、ああいう文章を書いたのです。 (なお、小説としては、一片の事実があればそれをおもしろく膨らますのは当然の技法です。フォーサイスの「ジャッカルの日」などはその典型です。旧稿で「またか」と書いたのは、実録と称して眉を ...

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円売り問題=私のスタンス=作家=醍醐麻沙夫=連載(2)=知られざる水本像と半田説

2005年11月17日(木)  私は戦前の新聞にもかなり目をとおしていたから、水本事務所が両替商でもあったことを知っていた。だから円売りのことは、私にはいわば既知事実で、触れてはいけない領域という意識はなかった。直接に質問したこともあって、水本さんは否定しなかったけど「大した額じゃなかった」とも付け加えた。  円売りのことで水本 ...

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円売り問題=私のスタンス=作家=醍醐麻沙夫=連載(1)=知られざる水本像

2005年11月15日(火)  私の四年ほどまえの旧稿にたいして高橋さんの文章を拝見しました。  あの旧稿は「コロニア史検証・1」という副題がしめすように、過去のいろいろな問題について反対意見なども頂きながら議論を深められたら、という意図ではじめたのですが、発表したらいきなり「醍醐は誰それから金をもらって書いたのではないか」など ...

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「円売り伝説の虚実」は本当か=ノンフィクション作家=高橋幸春=連載(4)=疑惑解明し「空白」埋めよ

2005年11月9日(水)  円売りはあったが規模は小さい、被害者もいないという醍醐氏の主張と、「わずかばかりの円」と「買った人間は一人もいない」という水本前社長の言い分が妙に符合しているのは偶然なのだろうか。  この取材の後、すぐに反応があった。私はなんらかの圧力があることを想定して、水本社長の取材は帰国寸前に行った。パウリス ...

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「円売り伝説の虚実」は本当か=ノンフィクション作家=高橋幸春=連載(3)=新聞、銀行関係者も関与?

2005年11月8日(火)  「コロニア戦後十年史」に記されているユダヤ人が大量の円を上海から持ち込んだという説は、勝ち組のデマで、その噂がコロニアに流布し、混乱に拍車かけたのが真相だったと醍醐氏は断定しているが、パウリスタ新聞に掲載されている円売りの記述はそれだけではない。  一九四七年五月七日付けの新聞には、仮名ながら四人が ...

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「円売り伝説の虚実」は本当か=ノンフィクション作家=高橋幸春=連載(2)=水本氏の沈黙は歴史の闇

2005年11月5日(土)  私は期待して「下」に目を通した。水本氏に当然言及していると思ったからだ。  「下」は「虚その①」として、パウリスタ新聞社刊「コロニア戦後十年史」は戦後の日系社会の混乱を記した資料で、移民研究者のテキストになっている。しかし、「完全な間違いではないが、非常に不正確で誤解をうみやすい表現」があり、原典を ...

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特別寄稿=連載(11)=日伯学園建設こそ=100周年事業の本命=コロニアの現状分析と意義=後顧の憂いなき百年祭に

2005年11月4日(金) おわりに  私はくりかえし、百周年記念事業として、今こそ日伯学園の建設が必要であることの理由を述べてきた。  懸念されることは、こうした提言がニッケイ人としてのエスニシティ(ethnicity、etnicidade、民族としての共属感覚、帰属意識)がいよいよ希薄となってきている現在の日系社会の状況にお ...

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「円売り伝説の虚実」は本当か=連載(1)=ノンフィクション作家=高橋幸春=醍醐氏説に落胆と苛立ち

2005年11月4日(金)  久しぶりにサンパウロを訪れた。九八年発行のパスポートにブラジル入国の記録はないから七年以上はサンパウロの土を踏んでいなかったことになる。アマゾンを舞台にした小説を書いてみたいと思い、今回はベレン、マナウスを訪ねるのが主な目的だった。サンパウロに滞在しているときは、ニッケイ新聞のスタッフや旧パウリスタ ...

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特別寄稿=連載(10)=日伯学園建設こそ=100周年事業の本命=コロニアの現状分析と意義=全伯モデルとしての意義

2005年11月1日(火)  日本語・日本文化普及のモデル・センターとしての「日伯学園」  前述の日伯学園検討委員会においては、学園は既存の日語校と競合しないよう考慮すべきとの意見も多数あったが、競合するような次元の学校を考えているのであれば、そのような学園を建設する意義はまったく存在しない。  「日伯学園」は上述したような日本 ...

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特別寄稿=連載(9)=日伯学園建設こそ=100周年事業の本命=コロニアの現状分析と意義=他民族コレジオとの比較

2005年10月22日(土)  二〇〇一年十月三日付け 『Veja Sao Paulo』誌の「Melhores Escolas da Cidade」(最優秀私立校特集)にとりあげられた、百人の教育関係専門家がサンパウロ市内の私立コレジオ三百二十四校からの選出した五十優秀校を見ると、エスニック系コレジオは次の如くいずれも上位を占め ...

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