ホーム | 連載 | 2008年 | アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(33 終)=種類、数量ともに多い蜘蛛(くも)=〃蟹くも〃大きいのは18センチにも

ニッケイ新聞 2008年3月14日付け ◇昆虫の話(5)      双翅類  蚊は、俗にカラパナとモロソカに分かれる。カラパナの中にチグレ・アジアチカ(アジアの虎)といわれる藪蚊がおり、デング熱を媒介するので知られている。  モロソカは割合小型で、体型は細い。アノフェレス(ハマダラカ)といわれる種類は、マラリアを媒介する。螫(さ ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(32)=恐ろしいメルイン(ぶよ)=刺されると潰瘍、容易に治らぬ

ニッケイ新聞 2008年3月12日付け ◇昆虫の話(4) 蜂類  [カーバ・プレチニョ]  カーバ・ベイジューと同じく、潅木の葉の裏などに巣を作っていて、不注意にこれを伐ったり叩いたりすると、たちまちワッと顔にたかって来て螫(さ)す。開拓初期は慣れないので、ほとんどこれに連日やられて、毎日顔を腫れさせて帰っては笑われたものだった ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(31)=サウーバより怖いコレクソン=肉食性、大群通り過ぎるのを待つ

ニッケイ新聞 2008年3月11日付け ◇昆虫の話(3) 膜翅類 〔コレクソン〕(またの名をタオカ)  一見サウーバに似ているが、もっと黒い。大きさは同じくらいだが、サウーバと異なり、肉食性で大群で移動する。何メートル幅、時には何十メートルの幅で、長さはどれくらいになるか判らないが、真っ黒に地面を覆ってザワザワとやってくる。   ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(30)=胡麻植えサウーバ退治=雨季、増水で流される〃火の蟻〃

ニッケイ新聞 2008年3月8日付け ◇昆虫の話(2) 脈翅類  蜻蛉。リベルーラあるいはジャシナと呼ばれる。鬼ヤンマ級から赤トンボ、オハグロトンボに糸トンボなどなど多々ある。  白蟻。クピンと呼ばれる。木造建築物や家財道具に大害を与える。森の中では、木の幹や股のところに大きな巣を作る。所によっては、地上に構築した泥の塔の巣を作 ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(29)=昆虫に対する知識は不可欠=一朝で収穫や命を失う恐れ

ニッケイ新聞 2008年3月4日付け  ◇昆虫の話(1)  鞘翅類、直翅類、脈翅類、膜翅類、鱗翅類、双翅類、多足類、蜘蛛類と種類も数量も非常に多い。そしてこれらに対する知識を欠いていると、ひどい目に遭う。オンサなどの猛獣よりも、たかが虫と侮るなかれ、一年間粒粒辛苦の農作物を一朝に失ったり、マラリアや熱帯潰瘍、デング熱などであたら ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(28)=体が美しくて猛毒の蛙=解毒にはインジオの薬

ニッケイ新聞 2008年2月29日付け ◇両棲類の話(2) 〔サッポ・クルルー(蟇蛙)〕の続き  これを台所に放しておくと、昼間は隅のほうにじっとしているが、夜、のそのそと歩き回ってゴキブリや蝎(さそり)などを食べてくれるので助かる。  邪魔になるときは、箒のさきでチョイチョイと突っつくと、のそのそ歩き出すので、隅のほうに追い払 ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(27)=飼われて家に居つく亀=猛毒、身を捨てて毒蛇を殺す蟇

ニッケイ新聞 2008年2月20日付け  ◇爬虫類の話 蛇類  さきに蛇の話で述べた。  ◇亀類の話 〔タルタルーガ〕  体長一メートル足らず、幅五十センチになる。沿岸の住民の大切な食料源である。最近は、乱獲がたたって、頓に減少。乱獲を禁止したり、卵を孵化させて小亀を放流したりしている。肉は軟らかく、美味である。 〔トラカジャー ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(26)=入植直後カマリオンに遭遇=敏捷、鎌で仕留められず

ニッケイ新聞 2008年2月15日付け ◇鳥の話(4) 燕雀類  燕はアンドリーニャ。日本の燕と同じく時期により夥しく集まり、どこへともなく去って行く。雀と少し違うようだが、チコチコというのが型も習性もよく似ている。  ベン・チ・ヴィはその鳴き声からきたもので、百舌科、虫類をよく食べる。  パパ・フォルミーガ。パパは食べる、フォ ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(25)=早朝、カノアを漕いで鴨猟に=まるで奇襲を試みる緊張感

ニッケイ新聞 2008年2月9日付け ◇鳥の話(3)  水禽(渉禽類および游禽類)  アマゾンは水の天国であるため、水鳥はその種類も数量も極めて多い。航行中に常に目につくのは鷺類(ガルサという)。色も形も大きさも様々で特に中、小型ものが多く、何十羽となく舞っている様はたいへん美しい。  この大型のものにマグワリーがある。羽を広げ ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(24)=群鳥を圧するかのように=猛々しく鳴くアララの雌雄

ニッケイ新聞 2008年2月5日付け ◇鳥の話(2)攀禽類 〔長尾類、アララ〕(大鸚哥)  長尾類で美麗。アララウナまたはアララ・アズル(青いアララ)、アララ・カンガまたはアララ・ヴェルメーリョ(赤いアララ)は大型で、尾の長さ五十センチ以上である。雌雄二羽ずつ呼び交わしながら、高い所を飛んでいることが多い。  群鳥を圧するが如猛 ...

続きを読む »