ホーム | 連載 | 2008年 | アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から (ページ 2)

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(23)=「黒装束の曲者」ウルブー=保護鳥、「功」が「罪」より多い

ニッケイ新聞 2008年1月30日付け ◇獣の話(8) 貧歯類 〔鎧鼠、タツーの続き〕  狩りなどをしていて、タツーを見つけて追いかける。穴の中に逃げ込まぬ先に蹴転がすか、犬が捕まえるかしなければ、穴の中に頭を突っ込んだが最後、どんなに尻尾を掴んでも引っ張り出すのは不可能である。しっぽが先細りになっていて、力がはいらぬ上に、滑り ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(22)=動作緩慢、泳ぐ「なまけもの」=アマゾン河横断の記録も

ニッケイ新聞 2008年1月23日付け ◇獣の話(7) 貧歯類〔タマンドゥアー・バンデイラ、続き〕 面白いことに雨が嫌いで、パラパラ、ザーッと雨が降る音がすると、うずくまってしまう。それで森の中でいきなり出会うと、向こうも立ち上がって大手を拡げている。うっかりこれに突っかかると抱きしめられて、それこそ「死の抱擁」である。 それで ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(21)=吸血蝙蝠、互いに毛を舐め合う習性=毒塗って放し、舐め合わせ駆除

ニッケイ新聞 2008年1月16日付け  ◇獣の話(6)  翼手類  〔大蝙蝠〕  翼を広げると最大七十センチ以上に及ぶ。アマゾン河もマウエスより上流のソリモンエス地方に棲むといわれる。不用心に眠っていれば血を吸われる。  〔吸血蝙蝠〕  体長七~八センチ、帯赤褐色、大きな門歯と犬歯を持ち、人畜を襲い吸血する。顔面に白い筋がある ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(20)=狩猟で得られる肉の中で最高=パッカ、胆汁は血清のよう

ニッケイ新聞 2008年1月9日付け ◇獣の話(5) 齧歯類 〔カピバラ〕  グヮラニー語でカーピあるいはカピンは草。バラは主とも訳すべきで、「草の主」ということになる。齧歯類中世界最大で、体長一メートル、体重五十キロ以上、体高六十センチ、色は赤褐色~灰褐色、頭が大きい。尾はない。  趾間に半分蹼(みずかき)を持っている。よく泳 ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(19)=カザメント・デ・ラポーザ=ここにもこの言葉「狐の嫁入り」

ニッケイ新聞 2008年1月5日付け  ◇獣の話(4)  食肉獣(猪科) 〔マラカジャー・アッスー〕  ジャグワチリカともいう。体長七十~八十センチ。尾は四十五センチくらい。斑紋はオンサに似ていて、それよりさらに美麗である。皮は高価に取引される。 〔マラカジャー・ミリン〕  マラカジャー・アッスーより更に小型で、尾も短い。毛皮も ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(18)=野性すべて備えた=南米産獣の王者=美麗な毛皮のオンサ

 ◇獣の話(3)  反芻類(鹿科)  インジオたちの食糧として重要である。何種類かあるが、主なのは次の二種である。 〔ヴィアード・ブランコ〕  訳して白鹿。名前は白だが、淡褐色である。鼻と腹が白い。小型で犬より少し大きいくらい。森林中や草原で出会うことがある。肉は美味であるが、傷や腫れ物があれば、悪化する。  〔ヴィアード・ヴェ ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(17)=ケイシャーダ性質凶暴=遠雷にも地鳴りにも似る

ニッケイ新聞 2007年12月19日付け ◇獣の話(2)  哺乳類 猿類  〔コアター〕  蜘蛛猿。体長九十センチくらいで、アマゾニアの猿類中最大である。色は黒色で、四肢と胴体は細長い。群棲し、よく人に馴れる。肉は美味である。  〔モン・アマレーロ〕  黄色い手の意味で小型、体長十~十五センチ、尾が二十センチくらいある。顔は、鼻 ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(16)=ミーリョ畑荒らす尾巻猿=群れの首領株仕留めて防御

ニッケイ新聞 2007年12月12日付け  ◇獣の話(1)  アマゾンは植物の天下である。赤道直下の太陽の下、高い気温と湿度、植物の繁茂には最適の条件であり、樹木や水中や低湿地を除いた乾燥地(陸上)に棲む動物はあまり多くない。特に巨大な犀や象のような動物はいない。僅かにアンタがいるだけである。  猛獣も虎やライオンはいないが、ア ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(15)=柔和が裏目、哀しきジュゴン=漁師に習性知られ、あえなく…

ニッケイ新聞 2007年12月5日付け  ◇魚の話(8)  〔ペイシ・ボイ〕(牛魚)  ペイシは魚、ボイは牛のことである。牛魚とも訳さるべきだが、日本では儒艮(ジュゴン)と呼ばれる哺乳類である。遊水類あるいは人魚類ともいう。  アマゾン河、オリノコ河、オヤポック河付近に生息し、現在は絶滅寸前といわれている。体長は一・八メートルか ...

続きを読む »

アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(14)=聖週間の時期〃神が与える〃=魚の大群「捕らえよ」と

ニッケイ新聞 2007年11月28日付け  ◇魚の話(7)  〔ペスカーダ〕  海のものと河のものとがあるが、ともに中型の魚で、漁獲量が多いので、食糧として重用される。やはり傷み易いのが欠点で、最近は冷凍してある。  〔クリマタ〕  例年二~三月になると、キリスト教でセマーナ・サンタ(聖週間)、肉を食べない。そのため魚を多く用い ...

続きを読む »