ニッケイ新聞 2008年4月12日付け 「コロニア」は、日本語を日常言語とする日本移民が中心になり、日本語や日本文化、日本的気質を持つ同士が親睦、相互扶助をするために生まれた。これは一種のコムニダーデであり、一般ブラジル社会からすると否応なく特殊な存在だ。 逆にエリートという存在は、その国の中枢を担う人材であり、本質的に愛国 ...
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「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る=□第2部□2世世代の特殊性(14)=どんな日系人特性が残るか=意外と伝統的な継承文化
ニッケイ新聞 2008年4月11日付け 原田清弁護士の編著『O Nikkei no Brasil』には自ら執筆した第二章に、日系人の新定義がある。 「今日の日系人は日本人とは違う。単に二重であるのではなく、日本人の魂をもってブラジル人として振る舞う。日系人はブラジルを母国とする日本人とその子孫のことで、本国ではもう見られない ...
続きを読む »「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る=□第2部□2世世代の特殊性(13)=「コロニアは存在しない」=統合を強調する2世たち
ニッケイ新聞 2008年4月10日付け 日系人口百五十万人のうち、二十数万人が「コロニア」といわれる社会としての実態のある部分だと以前、説明した。二世エリートたちからすると、「コロニア」という言葉ですら反発を感じるようだ。 USP法学部卒で、現在もそこで教職にある原田清弁護士(66、二世)がコーディネートして今年一月に二世に ...
続きを読む »「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る=□第2部□2世世代の特殊性(12)=戦争とアイデンティティ=エリートになるハードル
ニッケイ新聞 2008年4月9日付け 今まで見てきたように、複雑なアイデンティティを抱えがちな家庭環境に育った二世が、思春期の微妙な時期を戦中戦後にすごすなかで、日本や日本文化に対して深いトラウマ(精神的な傷)や強い劣等感をもった層が相当数生まれた。 昨年十二月にサンパウロ州グアインベー市(旧上塚第二植民地)で地元文協関係者 ...
続きを読む »「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る(11)=□第2部□2世世代の特殊性=言語と共に態度も変わる=「魂を取り替えるに等しい」
ニッケイ新聞 2008年4月8日付け 言葉は力だ。十九世紀にフランスで活躍した文献学者ガストン・パリは有名な言葉を残した。「言語を取り替えることは、魂を取り替えるに等しい」と。つまり言葉は、たんなる情報の伝達手段ではなく、一つの社会の文化背景、歴史なども反映している。 普段は実に温厚な感じで日本語をしゃべるバイリンガル二世が ...
続きを読む »宮城県人会百周年記念旅行=SC州で日本人の軌跡を実感 《連載4・終》 イタジャイ日会と交流=日本文化継承に感激
ニッケイ新聞 2008年4月5日付け 最終日の三日目はイタジャイ市内にある、イタジャイ日本人会(角園セザリオ稔会長)の会館を訪れた。同会は会員約六十家族(約半分が非日系人)で、一年間に運動会、新年会に忘年会、シュラスコなどの行事を行っている。なかでも毎年八月のすき焼き大会は、地元住民にも大人気だという。 角園会長はじめ、佐藤 ...
続きを読む »「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る=□第2部□2世世代の特殊性(10)=「通じたのに理解されない」=伝わらないニュアンス
ニッケイ新聞 2008年4月4日付け 「言葉としての日本語は通じているのに、こちらが伝えたいと思っている真意が理解されていない」 母語話者でない二世、三世などと日本語で話していて、そんなもどかしさを感じた経験のある人は多い。 相手が日本語を理解すると思った時、同時に、その背景にある「日本的な思考パターン」も理解されていると ...
続きを読む »宮城県人会百周年記念旅行=SC州で日本人の軌跡を実感 《連載3》=フロリアノポリス=若宮丸の4人を顕彰=文協会員の半数は非日系
ニッケイ新聞 2008年4月4日付け 二日目の午前中は、最初に簡単な市内観光が行われた。ホテルから数分のところにある現在改装中のポント・ヘリクロ・ルス(Ponto Hericuro Luz)を見学し、記念撮影。続いて、旧市街へと向かった。 近くにあるオリベイラ公園内には、樹齢三百年近くを数えるピニェイロス(松の木)がその雄大 ...
続きを読む »「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る=□第2部□2世世代の特殊性(9)=「日本で生まれたブラジル人」=上原幸啓さんの場合
ニッケイ新聞 2008年4月3日付け 「ルーラ大統領、私は日本で生まれたブラジル人です」。百周年記念協会理事長の上原幸啓さん(80、沖縄県出身)は、一月十七日に行われた連邦政府主催の百周年開幕式典で、そう自己紹介し、全伯の日系コミュニティを代表してポ語で挨拶した。 今まで紹介してきたようなバイリンガル的視点で人物像を見てみる ...
続きを読む »宮城県人会百周年記念旅行=SC州で日本人の軌跡を実感 《連載2》サンジョアキン=コチア継ぐサンジョ組合=日本人の開拓誇りに思う
ニッケイ新聞 2008年4月3日付け サンジョアキン市内のレストランに場所を移した一行は、関係者と昼食交流会を行った。リンゴ農家と栽培の話題に話が弾み、歓談を楽しんでいた。 昼食会後、宮城県人会は最近ブラジル国内に根付いてきている七夕の飾りをサンジョアキン文化体育協会にプレゼント。清水信良会長は「記念になります」と嬉しそうな ...
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