ニッケイ新聞 2008年12月6日付け 「彼もずい分老け込んだと思った」。十年ぶりに再会した夫の印象を、ファッチマさんはこう振り返る。娘のタイスさんが空港で父親と初めて対面したが、「彼と抱き合ったけど、お互い泣きもしなかった」と冷静に振り返った。 ファッチマさんは、身寄りもなく一人で戻ってきた元夫を、自宅に迎え入れた。「彼は ...
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連載〈1〉ファッチマさんの場合(1)=「自分の人生を歩んで」=全てを奪って消えた夫
ニッケイ新聞 2008年12月5日付け アメリカ発の世界同時不況のあおりを受けて、帰伯デカセギの動向が日本メディアでも盛んに報じられているが、日本の永住者資格を取得し、長期滞在するデカセギも近年増加の一途を辿っていることも指摘されている。しかし、母国に夫や妻、子ども達を残して音信を絶つ人が相当数に上っていることは十分に知られて ...
続きを読む »第6回・終=森林農業で経済安定へ=住民を〃環境の番人〃に
ニッケイ新聞 2008年12月3日付け HANDSは今年七月、パラー州のトメ・アスー移住地からアグロ・フロレストリー(森林農業)の日本人専門家を当地に呼び、コミュニティを巡回するセミナーを実施した。地球環境基金(環境再生保全機構)からの助成を受けた。 一見、保健衛生とは関係ないように思えるが、「住民がコミュニティを離れてしま ...
続きを読む »第5回=人間的出産セミナー=日本式助産の知恵を普及
ニッケイ新聞 2008年12月2日付け 「エ・プレシーゾ・サビ・ビビェール!」(生き方を知る必要がある)。全員が立ちあがり、手を叩きながら人間的出産のテーマ曲を合唱する。まるで自己啓発セミナーか教会のミサのような賑やかさと活気にあふれている。アマゾナス州保健局とJICAの共催だが、堅苦しいセミナーとはほど遠い。 日本式の助産 ...
続きを読む »第4回=電線が文明とのへその緒=毎月船で巡回保健指導に
ニッケイ新聞 2008年11月28日付け 「ボン・ジーア!」。子供たちは好奇心丸出しの表情で一行を迎え、一斉にあいさつする。HANDS職員らが口内の模型を使って、歯ブラシの使い方を教える。 イガラペジーニョ生まれのジョアキン・カバウカンテ・ダ・シルバ校長(31)によれば、ここには五十六家族、三百二人が住んでいる。生徒数は百六 ...
続きを読む »第3回=市長が匙を投げる教育=巡回授業で保健指導を
ニッケイ新聞 2008年11月26日付け 「こんなに広い面積で州から下りる市予算はわずか。市民の保健、教育を完璧にやることは不可能だ」。再選を決めたばかりのエメルソン・ペドラッサ・デ・フランサ市長は、十月二十九日に共にした昼食で眉をしかめてそう言った。 地元自治体すらお手あげの場所で、教育局と保健局と提携しながら、定森さんは ...
続きを読む »第2回=陸の孤島マニコレ=遠隔地は半自給自足で
ニッケイ新聞 2008年11月25日付け 週に三便しか飛ばない十八人乗りプロペラ機で一時間ほど行くと、樹海の真っ只中に忽然とマニコレ市が現れた。アマゾナス州都マナウス市から南に三百三十三キロ近く、船なら二晩かかる。もちろん、道路はない。 市といっても面積はオランダ国とほぼ同じ、日本なら九州ぐらいの広さがある。セントロという市 ...
続きを読む »第1回=子供を階段から蹴落とす=貧乏旅行でのぞいた現実
ニッケイ新聞 2008年11月22日付け 彼ほど庶民階級のブラジル人に親身になって尽くしてきた人は少ない。定森徹さん(40、千葉県出身)は移民ではない。だが、大学卒業以来、十七年をブラジルで過ごしている変り種だ。サンパウロ市ではモンチ・アズールのファベーラ、セアラ州、そして現在はアマゾナス州マニコレ市に住み、JICAブラジル事 ...
続きを読む »レジストロ灯篭流し~過去から、未来へ=連載(下)=連邦文化財に申請=来年早々にも登録か
ニッケイ新聞 2008年11月13日付け 同記事を見たアラサツーバから親戚が訪れ、身元が判明。石蔵さんが代表となり、八百六十四クルゼイロで墓地を購入、埋葬した。 新聞記事には、十月二十八日にリべイラ河に身を投げたーとあるが、佐々井さんは二十九日と記憶しており、所有する墓地登録証明書にも二十九日に亡くなったと記載されている。 ...
続きを読む »レジストロ灯篭流し~過去から、未来へ=連載(上)=発祥はセッテ・バーラス!?=邦人男性が入水自殺
ニッケイ新聞 2008年11月12日付け 毎年ブラジルのお盆にあたる十一月二日、「死者の日」(フィナードス)に開催されるレジストロの「灯篭流し」。五十四回目を迎えた今年、二日間の開催で過去最高の二万二千人が訪れた。水難犠牲者の冥福を祈るとともに、日本文化を紹介、フィナーレを飾る花火は、水郷の里の風物詩だ。未来に残したいーとの思 ...
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