ニッケイ新聞 2009年10月2日付け 「サンパウロから入ってアマゾン通って、カリブ海、ゴールはメキシコに決めてたんですがね」。真面目な顔をしてユニークなことを言うのは、汎アマゾニア日伯協会の事務局長、堤剛太さん(61、宮崎県出身)の専売特許だ。 飛行機移住3回目の1974年にJICA海外移住研修生として渡伯した。「日本人が ...
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アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベレン・トメアスー編】=《26》=「虫も鳥も帰ってくる」=自然に優しい森林農業
ニッケイ新聞 2009年10月1日付け 「ここの土はすごいでしょ。ほとんど肥料やってないのに歩くとフカフカする。農薬やらないからミミズがいっぱい住んでいるんです」。 そう言って、愛おしそうに畑の土をつかむのは、昨年までトメアスー郡の農務局長を4年間務めるなど、森林農業の普及に尽力する小長野道則さん(51、鹿児島県出身)だ。親 ...
続きを読む »アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベレン・トメアスー編】=《25》=「天が味方した」=熱帯果実が再生の鍵
ニッケイ新聞 2009年9月30日付け 94年のレアルプランでインフレは収まったが経済自体が冷えこみ、異常気候による減産などでトメアスー組合は資金繰りが悪化し、7月に再び赤字決算に陥った。96年5月の臨時総会で改革案が決議されたが、農業を取り巻く状況はさらに厳しさを増していた。 新たな危機に直面したことで、97年1月の理事会 ...
続きを読む »アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベレン・トメアスー編】=《24》=度重なる倒産の危機超え=生き残るトメアスー組合
ニッケイ新聞 2009年9月29日付け 「組合は何度も潰れそうになった」。CAMTA(トメアスー総合農業共同組合)の坂口渡フランシスコ理事長(49、二世)は、中心街の十字路に面した組合ビルの会議室で、流暢な日本語でそう話した。 『70年史』にも「農産物の低迷と高インフレによる組合員の債務増大は、組合の対外債務の増大となり組合 ...
続きを読む »アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベレン・トメアスー編】=《23》=デカセギで3割流出=祖国への想いさまざま
ニッケイ新聞 2009年9月26日付け ピメンタに突然拡がった病害に加え、80年代末には胡椒の国際価格が下落し、90年のコーロル・ショックにとどめを刺された。これらに背中を押され、トメアスーからの訪日就労は急増した。 農場でブラジル人労働者を多く使っている関係や治安の問題などから、夫が残って農場の面倒をみて、妻が日本へいって ...
続きを読む »アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベレン・トメアスー編】=《22》=拳銃持って自主検問も=自警団で防犯体制強化
ニッケイ新聞 2009年9月25日付け 草刈武さんのような人物はそうそういない。ならば組織的に治安問題を解決していかないと、安心して暮らしていくことはできない。 トメアスー文化協会の海谷英雄会長(66、山形県出身)も治安に頭を痛めている一人だ。 「トメアスーでは『火事は小火(ぼや)のうちに消せ』を徹底しています。些細なこと ...
続きを読む »アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベレン・トメアスー編】=《21》=無頼の守護神 草刈武さん=日本人殺害事件を機に
ニッケイ新聞 2009年9月24日付け ベレンから車で1時間半ほどの一見のどかな田舎道にある農場だが、入り口には要塞のように何重にも警報機がついている。 何度も呼び鈴を押した末、ようやく草刈武さん(74、山形県出身)が出てきた。日本でも〃アマゾン・キッド〃として紹介されたことがある。そのたたずまいは、正義感あふれる波瀾万丈な ...
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ニッケイ新聞 2009年9月23日付け 戦後最大の第2トメアスー移住地構想に続き、さらに1973年、第3トメアスー移住地計画までが起案され、郡庁と組合、文協の3者による準備委員会発足し、76年に造成を開始した。 76年8月の州議会では、日伯議連会長の千葉三郎氏の功績をたたえてウビン地区の1万ヘクタールを千葉三郎植民地と命名し ...
続きを読む »アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベレン・トメアスー編】=《19》=母に問う、後悔してるか=「戦争が悪かったんだ」
ニッケイ新聞 2009年9月22日付け エリザベスサンダースホームから移住してトメアスーに残った最後の一人、中川純二さんは「みんな若いから週末は遊びたい。仕事で押さえつけるから反発して、みんな飛び出しちゃった。一人抜け、二人抜け…」と振り返る。 帰国した者もいればカスタニャール、リオに住む者もいる。なぜ一人残ったのかと尋ねる ...
続きを読む »アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベレン・トメアスー編】=《18》=駐留軍孤児の希望託す=大磯のホームから8人
ニッケイ新聞 2009年9月19日付け 「ブラジルに来る一年前、美喜さんから『お母さんに会ってみるか』と言われてビックリした」。中川純二さん(62、石川県出身)はそう振り返る。沢田美喜さんを実母だと思っていたからだ。でもその時は、「俺、会わない」と断った。 沢田さんは一九四七年に、進駐軍の米兵と日本人女性の間にできた混血児を ...
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