ニッケイ新聞 2009年6月10日付け 文明が違う――ということは何を意味するのか。 日本移民がブラジルで直面した西洋文明の壁として、最も大きく立ちはだかったものの一つがポ語ではないか。まず、次の文章を読んで見て欲しい。 O que mais consulto é o Dicionário Houaiss da língua ...
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アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベラ・ビスタ編】=第2回=「ここは監獄」逃げ出す移民ら=日本政府は渡航の援助のみ=〃棄民〃政策の最前線
ニッケイ新聞 2009年6月9日付け 昼なお暗い密林のなかに伸びた道にホエザルの叫び声が響く。両側に等間隔で打ち込まれた杭だけが自分の土地の印だった。 渡航契約時、「家もあり、伐採も済んでいる」と聞いた話とあまりに違う。幼子も連れた二十三家族は、原始林を前に立ち尽くした――。 日本からベレンまで一カ月半の船旅後、マナウスま ...
続きを読む »次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》(9)=団結せよ、サンパウロ州日系団体=サンパウロ市は日系文化発信拠点
ニッケイ新聞 2009年6月9日付け 五百万人の外国人移民が入ったブラジルの中でも、サンパウロ州はその半分が入った最大の移民州だ。 サンパウロ州立移民記念館の資料によれば、サンパウロ州に入った外国人移民のうち最多はイタリア移民で九五万人、全体の約三八%を占める。日本移民は二五万人の七割だから一七万五〇〇〇人が州内に定着した。 ...
続きを読む »連載=アマゾンを拓く=移住80年今昔=【ベラ・ビスタ編】 第1回=野地忠雄さん「出るに出られん」=ペルー生まれ、米国強制収容も
ニッケイ新聞 2009年6月6日付け 雨季もほぼ終わりの四月下旬、アマゾナス州マナウスを訪れた。ラ・ニーニャ現象の影響もあり、アマゾン流域は大増水。「百年来の大水」とのニュースが市民の話題をさらっていた。 市対岸への船が発着する港の水位は上がり、渡された板の上を歩いて、ボートに乗り込む。けたたましいエンジン音に耳が慣れてくる ...
続きを読む »日伯論談=第6回=日本発=三山喬=危機をコミュニティーの転機に
2009年6月6日付け 年末年始、取材で何回か浜松を訪ねた。失業問題は想像以上に深刻であった。だが、この「デカセギ始まって以来の危機」の中、私はまた、ある種の希望も感じた。 日本語を学ぶ意識の広がりと、ブラジル人自らが助け合う互助グループの誕生である。必要に迫られての現象だろうが、この危機を乗り切ったとき、本当の意味で初めて ...
続きを読む »次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》(8)=世界でも独自な日系文化=繰り返す異文化への適応
ニッケイ新聞 2009年6月5日付け 百周年では、いろいろな日系文化現象がブラジルどころか、世界で脚光を浴びた。英国BBC放送、中東のアルジャジーラ、仏ル・モンドまでがこぞって報道したことは記憶に新しい。 全伯に建立されている鳥居と日本庭園、北パラナの若者を中心に広まっているマツリダンス、ラジオ体操、サンパウロ市の街角には欠 ...
続きを読む »次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》(7)=ブラジル日系社会の存在意義=全世界の6割という重責
ニッケイ新聞 2009年6月4日付け 世界史的に稀な状況を経て生まれたブラジル日系社会は、世界においてどんな存在なのか。世界の全日系人口におけるブラジル日系社会の割合から、その存在意味を推し量ってみたい。 海外日系人協会サイトによれば、平成十六年(〇四年)現在で全世界の日系人数は約二六〇万人だ。「海外日系人」の定義は「日本か ...
続きを読む »次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》(6)=踏みとどまった日本移民=世界史的に稀な高定着率
ニッケイ新聞 2009年6月3日付け 渡米した外国移民の場合、大半の民族が三五~五〇%の割合で祖国に戻った。 「一九世紀末から二〇世紀初頭に渡米した移民のうちで、最終的に母国に帰った者の割合は、ポーランド人・セルビア人・クロアチア人・スロヴェニア人が三五%(ないしそれ以上)、ギリシア人が四〇%、南イタリア人・マジャール人・ス ...
続きを読む »次の百年戦略のために=日系社会とは何か=第1部《世界史の視点から》(5)=未知の文明に挑んだ先人=欧州移民との根本的差異
ニッケイ新聞 2009年6月2日付け 「黄金の扉の傍らに、私は灯火を掲げましょう」。米国入移民の全盛期である一八八五年にニューヨーク港の入り口に建てられた自由の女神像の台座には、新天地に向かって渡ってくる移民への歓迎のシンボルとして、そう刻まれている。だが、日本移民はそこに含まれていなかった。 アメリカでは、日本人や中国人移 ...
続きを読む »日伯論談=第5回=ブラジル発=二宮正人=日伯両国における文化交流の担い手としてのデカセギ者
2009年5月30日付け 昨年は移民百周年が両国において盛大に祝われたが、それぞれの国の現実のイメージが相手国に伝わり始めたのは、そう古いことではない。 在日ブラジル人によって、認識が変わったことは確かであるが、マスコミの報道についても、初期においては、デカセギ労働、犯罪・非行等に関するものが多く、多文化共生や教育がテーマと ...
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