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2009年

次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》=(4)=北海道かブラジルか=移民を押し出した重税

ニッケイ新聞 2009年5月29日付け  一九世紀という時代は世界の激変期だった。しかし、日本がこの世界の資本主義経済に巻き込まれたのは明治になってからで、ブラジルよりも半世紀以上も遅かった。  薩摩藩と長州藩の中級武士団が一八六八年に倒幕に成功した理由の一つは、西洋の軍事技術の導入だった。この時点で、世界経済システムに巻き込ま ...

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リオ=杉村公使ゆかりの地を行く=岩手県人会が墓参旅行=連載《下》=リオに眠る杉村公使=改修1年後の墓参り

ニッケイ新聞 2009年5月29日付け  駐ブラジル日本国第三代公使の杉村濬(ふかし)をブラジル移民政策へと駆り立てた背景には何があったのか――。  杉村公使は一九〇五年四月にリオ州ペトロポリスに着任早々、ミナス・ジェライス州とサンパウロ州を視察し、「南米伯剌西爾国サンパウロ州移民状況視察復命書」「伯剌西爾移民事情 附・貿易状況 ...

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次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》=(3)=ナポレオンと黒船来航=世界の資本主義化の流れ

ニッケイ新聞 2009年5月28日付け  ブラジルを世界の資本主義経済の歯車に組み込む意味でも、ナポレオンは重要な役割を果たした。  一八〇七年一一月、ナポレオンはポルトガルに軍隊を侵入させた。皇太子ドン・ジョアンは同一一月末、王族・貴族・高官等とその家族一万五〇〇〇人を率い、フランス軍がリスボンに侵入する前日、一六隻の船でブラ ...

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リオ=杉村公使ゆかりの地を行く=岩手県人会が墓参旅行=《上》=ペトロポリス=往時の面影残す旧公使館=安見さん2年かけ〃発見〃

ニッケイ新聞 2009年5月28日付け  この人抜きには日本人ブラジル移民史を語ることができない――。一九〇五年四月十九日、駐ブラジル日本国第三代公使として着任し、日本にブラジル移民への種を蒔いた杉村濬(ふかし、岩手県盛岡市出身)。着任してからわずか一年一カ月後の翌〇六年五月十九日、脳溢血で倒れ、今もコルコバードの丘に建つキリス ...

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次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》=(2)=鎖国終結から1世紀半=19世紀はどんな時代か

ニッケイ新聞 2009年5月27日付け  世界史の視点から見たとき、アルゼンチンに最初の日本人が渡った四〇〇年前からしても、日本は明治時代になってから、わずか百四一年の歴史しかない。  百一年の歴史を持つ日系社会を見直す前に、まず日本が開国してからわずか四〇年余りでブラジルに移民を送り出したという意味を、もう一度、しっかりと考え ...

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連載=次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~

ニッケイ新聞 2009年5月26日付け  四百年前、アルゼンチンで奴隷扱いから逃れる裁判を起こした日本人は、日本名すら残さなかった。スペインに残った常倉恒長率いる慶長遣欧使節メンバーは、苗字のみ残した。ブラジル日系社会はなんとか百周年を過ごすことができたが、次の三百年で何を残せるだろう――。未来を〃知る〃ことはできないが、過去の ...

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日伯論談=第4回=日本発=石田博士=しっかりした在日世代も=「今の日本人の若者にあんな立派な奴はいない」

2009年5月23日付け  今年一月、東京・銀座に耳慣れないシュプレヒコールが響いた。  「Sou Brasileiro!」「使い捨てヤメロ!」  これまで自動車工場などで働き、日本経済を底辺から支えてきた在日ブラジル人ら約二百人だ。多くが世界同時不況で職を失っていた。  先導した日系二世のラップ歌手・石川ホベルトさん(36)は ...

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日伯論談=第3回=ブラジル発=中川郷子=帰伯する子供たち=日伯で教育機関から疎外される現実

2009年5月16日付け  帰伯する子供たちが問題なくサンパウロ州の公立学校に復帰できるよう、「カエル・プロジェクト」を通して手助けしてきた。これはサンパウロ州教育局との共同プロジェクトであり、ブラジル三井物産基金の後援を受けている。  もっとも緊急の問題は言語だ。これらの子供たちは一見、二カ国語堪能に見えるが、実際には困難を抱 ...

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聖南西=衰退する地方団体の苦悩=山村会長・小川氏、積極参加求め行脚=連載(下)=古代遺跡のような野球場=「なんとか昔のように…」

ニッケイ新聞 2009年5月12日付け  二日午後六時過ぎ、最後に渡辺キイチロウ会長はイタポランガ文協の会館裏を案内した。  丘を削ってつくった観客席付き野球場二面などスポーツ施設があるが、「使っているのはゲートボール場だけ」と渡辺会長。夕焼けに映える立派な野球場が、どこか古代遺跡のように見えた。  次の町、グアピアラにいく車中 ...

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日伯論談=『日伯論談』第2回=日本発=アンジェロ・イシ=デカセギは果たして「烏合の衆」なのか=在日ブラジル人の未来に寄せる期待

2009年5月9日付け  ブラジルに住むみなさんはこのところ、日本に住むブラジル人(私は彼ら彼女らのことを在日ブラジル人と称し、早い段階から自分のことを「在日ブラジル人一世」と称している)について、よくも悪くも過剰な報道にさらされ、在日ブラジル人社会があたかも崩壊の一途を辿っているかのような印象を抱いているだろう。  ついにアジ ...

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