ニッケイ新聞 2012年10月5日付け 「一等客との会話よりも面白かったのは、下方の日本人の子どもたちとの交流だった。敏捷そのもので・・・ジョルジは毎日のように子どもたちを招待してはピクニックをやった。売店でコーラやサンドイッチや菓子、飴玉などを買って、下の甲板に子どもたちを集める。プールのある一等デッキには立ち入り禁止なのだ ...
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ブラジル文学に登場する日系人像を探る2=ゼリア・ガタイの優しい視線=『Casa do Rio Vermelho』の「ぶらじる丸」=中田みちよ=第1回
ニッケイ新聞 2012年10月4日付け ジョルジ・アマードについて最近調べなおしたことがありました。そのときに、アマードを語るなら伴侶であるゼリア・ガタイ(Zelia Gattai、1916—2008)も知らなきゃと、はじめてゼリアの本を読みました。まあ、彼女は日本風にいうなら随筆家です。それから写真家。 何年か前に買った『 ...
続きを読む »謎の11人から真相聞く=なぜ日本を飛び出したか | (下)=5月にお告げ、7月渡伯
ニッケイ新聞 2012年9月29日付け 今年の5月、突然「ブラジルへ行け」との〃お告げ〃が下った。「初めは頭が真っ白になったけど、行きますと返事をしました」。なんと「即日決断だった」という。 「(◎◎のトップM氏が)たいした知識もない自分の名前を呼んでくださったのには、何か意味があると思う」と三波さんは言う。のこりの二人も強 ...
続きを読む »謎の11人から真相聞く=なぜ日本を飛び出したか | (上)=宗教?!同性愛?!「えっ骨を」
ニッケイ新聞 2012年9月28日付け 去る8月16日の昼下がり、きっとお昼ご飯を食べ過ぎたに違いない編集長が、ものうげな調子で言った。「主婦3人でブラジルに観光旅行なんて珍しいよね。面白い時代になったもんだ。世間話でもしに行こう」。きっといつものヒマつぶしのつもりだろうと、しかたなく記者も同席した。 編集部の応接スペースで ...
続きを読む »第4回=母国の人間への反発心
ニッケイ新聞 2012年9月28日付け この作品が書かれた当時(1988〜94年)は、日本経済は今の中国のように目覚しい好況期にあり、世界第2位の経済大国としてもてはやされて、国民の自意識もそれなりに高まっていた頃である。 南米大陸の後進国に甘んじていたブラジルの、奥地にやつてきた日本の若き撮影隊員を作中に登場させ、そういっ ...
続きを読む »第3回=「日本人の面をした山猿め」
ニッケイ新聞 2012年9月27日付け 本篇で最も読者の心を惹きつけるのは、第2部3章「洪水」(本文131ページ)の中の(学術調査か風物を紹介するための撮影隊)が登場する場面である。少し長いが引用してみよう。 《日に日に、季節の深くなる、ある日のこと。この辺りでは見かけたことのない船艇が俺の漁場の岸に舳先を着けた。3人の男達 ...
続きを読む »第2回=日本から〃再発見〃されて
ニッケイ新聞 2012年9月26日付け 折々の場面において「こう云うことはあり得ないよね」と言うような批評を下した人もいたが、多くの人〈我々仲間〉は、作品を自らの体験の一部と対比した上で、あり得ることかあり得ないことかを判断していた。つまり、現実的であるか非現実的であるかを問題にし、『うつろ舟』のもっと本質的なものへ目を向ける ...
続きを読む »第1回=移民文学の〃渦〃から誕生
ニッケイ新聞 2012年9月25日付け コロニア作家・松井太郎さん(94、神戸市)=サンパウロ市在住=の小説選集の二冊目『遠い声』(西成彦・細川周平編、松籟社)が7月20日に日本で刊行された。2010年に刊行された一冊目『うつろ舟』(同)は「移民文学の一つの到達点」「日本文学の臨界」「孤高の作家」などと評され、日本の全国紙や地 ...
続きを読む »商議所部会長シンポ=成長の鈍化、明暗分ける(下)=厳しい繊維、上向きな建築
ニッケイ新聞 2012年9月13日付け 貿易は上期足踏み状態 昨年通期の前年対比で輸出、輸入、貿易収支、対内直投、対内貿易ともに軒並み増加し、特に貿易黒字額は298億ドルと48%増で過去最高の勢いで好調を記録したが、今年上期は前年同期と対比して足踏み状態。貿易黒字額も71億ドルと45%減を記録した。 貿易部会の伊吹洋二部会長 ...
続きを読む »商議所部会長シンポ=成長の鈍化、明暗分ける=(上)=絶好調な車、復活の造船
ニッケイ新聞 2012年9月12日付け ブラジル日本商工会議所の企画戦略委員会(澤田吉啓委員長)と総務委員会(小西輝久副委員長)が共催した2012年下期「業種別部会長シンポジウム」が、先月21日午後、サンパウロ市内ホテルで開催された。昨年来のブラジル経済の動向を特徴付ける成長予想の下方修正の様子が、11の部会ごとに説明され、参 ...
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