ニッケイ新聞 2013年6月4日 事件多発を受けて、7月19日にはサンパウロ州執政官(現在の知事)マセド・ソアレスが勝ち組代表約1千人を州政庁カンポス・エリゼオスに呼んで、直接に説得工作を試みるも無駄に終わった。月末にはパウリスタ延長線のオズワルド・クルス市では市民を巻き込んだ大騒乱に発展し軍隊が鎮圧する騒ぎにまで発展した。ま ...
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森和弘の秘められた過去=勝ち負け抗争と二世心理=(6)=拷問のあとメッタ撃ち=島野もまた〃被害者〃
ニッケイ新聞 2013年6月6日 アラサツーバ市の法医学者ロメウ・フェラス医師による島野並治の遺体検死報告には、体の各部に打撲傷を受けて黒ずんだ部位があることを指摘し、「疑問の余地なく、彼はまず、何らかの方法で打撲傷を負った。例えば手、足、棍棒などだ。水ぶくれ、黒ずみなどは明らかに生きている間に形成されたものである」(323頁 ...
続きを読む »森和弘の秘められた過去=勝ち負け抗争と二世心理=(7)=向きを変えた愛国精神=「裏で操った奴こそが悪い」
ニッケイ新聞 2013年6月7日 「医者とは違って、社会の状況を深く理解する視線が弁護士にはある」と目覚め、モジの法科大学に通い始めた頃からスザノ市議を3期務め、その時期に地元日系社会とも接触を深め、副市長を3期(76—82年、97—00年、01—04年)も務めた。 和弘の心底には、死んだ五一から言われた「お前は立派なブラジ ...
続きを読む »森和弘の秘められた過去=勝ち負け抗争と二世心理=(5)=銃を携帯した高校時代=武装した負け組の報復
ニッケイ新聞 2013年6月5日 『移民八十年史』(170頁)によれば襲撃者名は「不明」で、和弘も取材時に「おそらく他の町から来たモノに違いない」と推測した。でも『コラソンイス・スージョス』(201〜203頁)を確認すると、当時の警察調書を元に次のように事件の様子が詳述されていた。 2人の日本人が拳銃をもってバールに乗り込ん ...
続きを読む »森和弘の秘められた過去=勝ち負け抗争と二世心理=(3)=血塗られた魔の7月=今も言葉にならない想い
ニッケイ新聞 2013年5月30日 和弘の悪い予感は、その通りになった。46年7月13日付けジアリオ・デ・サンパウロ紙によれば、父ゴイチがビラッキで経営していたバールは、当時ブラジル人客でいっぱいだった。 そこへ日本人の二人組がきて、バルコンの奥にいたゴイチにまず発砲した。その発砲音に驚いて、裏にいたマルイが出てきたところを ...
続きを読む »森和弘の秘められた過去=勝ち負け抗争と二世心理=(2)=日本に帰る計画白紙に=「立派なブラジル人になれ!」
ニッケイ新聞 2013年5月29日 「朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ收拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク——」。玉音放送は日本時間の1945年8月15日正午からだった。ブラジル時間でいえば15日午前零時だ。当地ブラジルへの東京ラジオ放送は当地時間15日早朝が最初のようだ。 しかし、フォーリャ・ダ ...
続きを読む »森和弘の秘められた過去=勝ち負け抗争と二世心理=(1)=二人の父を銃弾で失う=「戦争終われば日本に帰る」
ニッケイ新聞 2013年5月28日 「私はこの経験を、ほとんど話したことがない」——副市長を3期も務めた外科医、森和弘(83、二世)はそう前置きすると、静かに、しかし臆することなく語り始めた。「スザノのカズヒロ・モリ」といえば、ブラジル社会に積極的に貢献してきた有名な二世という印象が強い——だが、彼がそれを志した裏には悲しい原 ...
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