ニッケイ新聞 2013年6月15日 協力者探しは難航したが、幸いにもユタと会った体験を語ってもよいという人物に出会えた。沖縄系二世の男性Aさん(85)だ。 3月中旬、本紙ビル地下にあった喫茶店で待ち合わせた。Aさんは目と足が少し不自由な様子だったが、記憶は細部に渡るまで鮮明だった。 1991年、妻が亡くなった時のことだとい ...
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ユタ——混交する神々=移民社会の精神世界=(5)=ユタは事実か迷信か=偏見に晒されてきた信仰
ニッケイ新聞 2013年6月14日 「医者半分、ユタ半分」という諺が沖縄にはある。この諺は、ユタがどれだけ地域に根ざし、人々から頼られる存在であったかを示している。 その一方で、古くからユタを脅威とみなした権力層からは「後進的な存在であり、世間を惑わす」と度重なる弾圧も受け、とくに戦後は前近代的な迷信として退けられてきた。ま ...
続きを読む »ユタ——混交する神々=移民社会の精神世界=(4)=沖縄の伝統を伝えよう=センターは疑問解決の場
ニッケイ新聞 2013年6月13日 礼拝後の静かな控え室。小さな一室の両側の壁には、精神世界の書籍が所狭しと並んでいる。 窓際に置かれた椅子に腰掛けると、エレナさんは「死んだばかりの霊は、肉体のコピーである霊体(Perispirito)を持っているので、喉も渇くしおなかも減る。だから供えものが必要だし、死んだ後も、事故や病気 ...
続きを読む »ユタ——混交する神々=移民社会の精神世界=(3)=異国の信仰と共存する=心霊主義と祖先崇拝
ニッケイ新聞 2013年6月12日 「ユタ」と呼ばれるようになるには、口寄せ、ハンジ、法要の3つをこなすことが必要で、「私もそこまでには達していない」とエレナさんは語る。男性の場合は「ユタ」とは言わず、ただ「霊媒師」(Medium)と呼ぶ。この条件を満たす霊媒師は、協会にわずか3人ほど。残りのメンバーは〃修行中〃だ。 礼拝に ...
続きを読む »ユタ——混交する神々=移民社会の精神世界=(2)=ブラジルの心霊所で巫女に=「神がかり」は通過点
ニッケイ新聞 2013年6月11日 「母は幼い頃から霊をよく見ていた」。生まれながらに高い霊力を持ち合わせた人を沖縄では「サーダカウマリ」(性高生まれ)と呼ぶ。協会の創始者ノブコさんもその一人だった。 1926年に沖縄で生まれ、おじの呼び寄せで両親に連れられ2歳で渡伯した。そして、青年期、「カミダーリ」(神がかり)がやってき ...
続きを読む »ユタ——混交する神々=移民社会の精神世界=(1)=サンパウロ市内の心霊協会の中で=手を合わせ祈る県系人
ニッケイ新聞 2013年6月8日 正面の祭壇には蝋燭の光に照らされたノッサ・セニョーラ・アパレシーダ(ブラジルのカトリック守護神)の小さな聖像を中心に、その左右にはキリストの十字架像、日本の観音(仏教)、神武天皇、数々の奇跡によりバチカンに福者認定申請中のドニゼッチ・タヴァレス・デ・リマ神父の写真や絵、アフリカ伝来宗教に由来す ...
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