ニッケイ新聞 2013年7月25日 同じ160余ページでも前回のルイス・フェルナンド・ヴェリッシモの『ジャパン・スケッチ』と、このベルナルド・カルバーリョ(Bernardo Carvalho、1960年)著『陽はサンパウロに沈む』(O Sol se poe em Sao Paulo、2007年)は内容的にボリュームが大いに違い ...
続きを読む »ブラジル文学に登場する日系人像を探る 9=ベルナルド・カルバーリョ=『陽はサンパウロに沈む』=中田みちよ
ブラジル文学に登場する日系人像を探る 9=ベルナルド・カルバーリョ=『陽はサンパウロに沈む』=中田みちよ=(2)=難解なカフカ的日系世界
ニッケイ新聞 2013年7月26日 その精養軒でどんな議論をしていたのかというと、『・・・ナチズムを体験しなければ、世界はカフカを決して理解することも認識することもできなかっただろう。あるいはウイリアム・ブレイク(『天国と地獄の結婚』の作者、たまたまその日、英文学の講義で聴いたばかりだった)を例にひき、死後一世紀を経てはじめて ...
続きを読む »ブラジル文学に登場する日系人像を探る 9=ベルナルド・カルバーリョ=『陽はサンパウロに沈む』=中田みちよ=(3)=デカセギの日本は地獄か
ニッケイ新聞 2013年7月27日 なぜ、ミシマが出てくるのか、その必然性に悩みながら、作者をルポライターとして捉えると分かりやすくなります。フォーリャ・デ・サンパウロ紙で文芸欄を担当したり、パリやニューヨークの通信員をやったりしているので、50年代に三島由紀夫がサンパウロの奥地に滞在したことも、その滞在中にヒントを得て「不満 ...
続きを読む »ブラジル文学に登場する日系人像を探る 9=ベルナルド・カルバーリョ=『陽はサンパウロに沈む』=中田みちよ=(4)=作者の私生活の反映か
ニッケイ新聞 2013年7月30日 物語が過去と現在を行ったり来たりしながら進行するのはベルナルドの得意とする技だそうですが、一字一句に注意しながら読まないと迷路に入ったような気分になります。文体にはほのめかしがなく、簡潔で正確だから翻訳しやすいともいえますけど…。 次の13章の描写は、外国でまごつく異邦人としてのベルナルド ...
続きを読む »