ニッケイ新聞 2013年5月29日 愕然(がくぜん)としたのが邦人社会である。当時の邦人は、ほとんどが農業に従事していた。14歳以上になれば、農家では欠かせぬ労働力であり、学校に通わせる余裕などなかった。 邦人社会では、種々、協議、日本学校の指導機関であった文教普及会の事務長を更迭、後任に(以前、日伯新聞の編集長であった)野 ...
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(11)
ニッケイ新聞 2013年5月28日 追討ち 排日法成立から3年後の1937年、邦人社会に追討ちがかかった。 独裁権を握った大統領ゼッツリオ・バルガスが、ナショナリズム色濃厚な新政策を打ち出し、それが邦人社会を直撃したのである。 バルガスが狙っていたのは、国家の再構築であった。 実は、それまでのブラジルでは、1889年革 ...
続きを読む »第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(10)=米英も加担した排日法
ニッケイ新聞 2013年5月25日 しかし、以上のことだけでは、説明のつかぬ点があった。法案成立の折の大き過ぎた票差である。 これは、実は、背後に巨大な勢力の工作があったためである。 その点に関して、日伯新聞は当初から某国の名を明示、警告していたが、ブラジル時報も後に、その工作の内容を詳しく記している。 古谷、宮坂らも、 ...
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ニッケイ新聞 2013年5月24日 ミゲール・コウトという男 では、何故、排日法は成立してしまったのだろうか? この法案提出の中心人物ミゲール・コウトは、医学界の大物であったが、実はアルベルト・トーレスやフィデリス・レイスの同志でもあった。つまり熱烈なナショナリストであった。彼はレイス法案が葬られたときは激怒した。が、諦め ...
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ニッケイ新聞 2013年5月23日 しかし、ミゲール・コウトたちは──執拗なことに──諦めなかった。新修正案を引っ込めたものの、代りに、またも、新々修正案を提出したのである。 内容は、移民の受入れ条項を「過去50年間に入国・定着せる各国移民の総数の2%を許容する」と変えてあった。人種差別という批判をかわすため「黒人」「アジア ...
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ニッケイ新聞 2013年5月22日 擁護論者とは、下院議員のオリヴェイラ・ボテーリョ、リラ・カストロ、弁護士のネストル・アスコリなどである。 レイス法案提出後の10年間、目立った排日的な動きはなかった。 が、邦人社会が移民25周年を祝っていた1933年の末、それが、突如、再現した。 リオで開催されていた新憲法制定議会に、 ...
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ニッケイ新聞 2013年5月21日 「無我夢中になって読んだ」という。自分が小説の中に居るような気がした。「身を鴻毛(こうもう)の軽(かろ)きに置き、君国に報じる」という言葉も覚えた。 日高の祖父は、二人とも西南戦争に従軍した。母の兄弟3人は日露戦争に出征、一人は戦死、一人は片足を失った。自分も兵隊さんになって戦地に行きたく ...
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ニッケイ新聞 2013年5月18日 山下は同級生と一緒に写っている当時の写真を見せてくれた。見ると、皆、背筋を伸ばし、キリッとした表情をしている。筆者の記憶の中にある敗戦後の日本の同年輩の子供に比較すると、数段上という感じだ。その印象を口にすると、 「そりゃー、あの頃は、日本軍が大陸で勝った勝ったで、勢いが良かったですからネー ...
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ニッケイ新聞 2013年5月17日 一方で、日本学校にもブラジル学校にも行けぬ子供もいた。そうした場合、親や家族が、日本語の読み書きを教えるのが普通であった。(中には、子供の出生を届け出ず、日本語も教えぬ親もいた。が、これは例外ケースであった) 日本学校には、1927(昭2)年頃から、サンパウロ日本総領事館が梃入(てこい)れ ...
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ニッケイ新聞 2013年5月16日 熱風は、東京から送信されるニュースを掲載する邦字新聞によって──奥地も含めて──邦人社会の隅々に伝えられた。 本や雑誌も、日本から大量に輸入された。その中には子供向けのものもあった。軍国調華やかな記事や挿絵が満載されていた。 1937、8年には、日本放送協会の南米向け短波放送が始まった。 ...
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