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2013年

ハイカラさん海を渡る=移民画家 大竹富江の一世紀=(3)=「私は夢を追います」宣言=40歳遅まきのスタート

ニッケイ新聞 2013年11月23日  次男のリカルドさんは好奇心の旺盛そうな目に、エネルギッシュな話しぶり。「セニョール」と呼ぶと、「今何ていった? ヴォセでいい」と訂正される。年を重ねても溌剌としている所は、富江さんと同じだ。  リカルドさんは「あえて西洋的教育を受けた」と感じているようだが、富江さんに「日本語を教えたい」と ...

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ハイカラさん海を渡る=移民画家 大竹富江の一世紀=(2)=運命の分岐点は結婚出産=大事なのはファミリア

ニッケイ新聞 2013年11月22日  運命の分岐点はどこにあるか分からない——。富江さんと共に渡伯した5番目の兄は、来伯わずか1年後の1937年、日中戦争が勃発して召集が来て、わざわざ帰国して戦地へ赴き——そこで戦死した。  令状を受け取らなかったという4番目の兄・益太郎さんは当地にとどまり、サンパウロ市リベルダーデ区で製薬会 ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (76)=二世「明日のブラジル市民」=なぜか好意的なメディア王

ニッケイ新聞 2013年11月22日  北島弘毅は1932年4月発行の現地雑誌『先駆』第8号に、日本人教師が児童に日本語で挨拶するよう教育している背景には、《日本人は日本領土内では「オハヨウ」なんだ》という意識があることを鋭く指摘し、当時の〃日本人村〃や「植民地」という言葉の中には「日本の領土」的な意識があったことを手厳しく批判 ...

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ハイカラさん海を渡る=移民画家 大竹富江の一世紀=(1)=自由を求めた明治の女性=「1年だけ」母との約束

ニッケイ新聞 2013年11月20日  11月5日夜、サンパウロ市のイビラプエラ講堂は拍手と熱気に包まれた。今は亡きオスカー・ニーマイヤーと共に、連邦政府が贈る最高位の「文化勲章」を手にした大竹富江さん(99、京都、帰化人)は、その夜最大の拍手を浴びた。それは富江さんを、国民の一人として受け入れたブラジル民の素直な賞賛の表れだっ ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (75)=台頭する二世のブラジル側視点=北島弘毅らインテリの流れ

ニッケイ新聞 2013年11月20日  イグアッペ植民地における新教徒プロテスタントの嚆矢は、日露戦争で軍医として活躍した後、渡伯した北島研三医師だった。日本からの聖公会信者といわれ、夫人が1922年から自宅で日曜学校を開き、新教徒の集まりの端緒となったが、夫の病死と共に解体してしまったようだ。  力行会会員でもあった聖公会の伊 ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (74)=親は仏教、子はカトリックに=教会が醸し出す融和の雰囲気

ニッケイ新聞 2013年11月19日  最初の植民地だけに、つねに排日の矢面に立たされるつらい境遇に置かれていた。そのゆえ、カトリック信徒になることは、「異分子」扱いされやすい社会的抑圧を中和するための大事な手段であった。  桂植民地に住んでいた柳沢嘉嗣(よしつぐ、89、二世)=イグアッペ在住=は「桂には小学3年までしかなかった ...

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カリブ海の〃楽園〃を往く〜第40回県連ふるさと巡り〜(7・終)=いまだ残る入植当時の家=八巻さん「長年の願い叶った」

ニッケイ新聞 2013年11月14日  急峻な山道をバス2台がうなりながら登っていく。今回の旅行でバスは3回変わった。やはり山頂付近でオーバーヒート。一台を残し、長野県伊那谷そっくりの盆地を下っていく。風光明媚という表現が似合う。   脇輝亀会長(58、鹿児島)をはじめとするコンスタンサ移住地のみなさんが笑顔でお出迎え。蔬菜作り ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (73)=長野、教会、米、バナナ=本間剛夫 日本初の勝ち負け小説

ニッケイ新聞 2013年11月14日  那須野秀男さん(83、二世)=レジストロ在住、3月取材=も両親が長野県出身で1918年に〃信濃村〃第4部に入植した草分け組だ。  「長野では『ブラジルには金のなる木がある』って宣伝があったんですよ。だから長野からまとまって来た」。教会の第2期工事の真っ最中、1929年11月に那須野さんは生 ...

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日本移植民の原点探る=レジストロ地方入植百周年 ◇戦前編◇ (72)=最古の日系カトリック教会=不思議な政治的設立経緯

ニッケイ新聞 2013年11月13日  通常の日系カトリック史において、ノロエステ線プロミッソン植民地のゴンザガ地区に、1934年に落成献堂されたクリスト・レイ教会(正式名称=キリスト王日本二十六聖人天主堂)に脚光が当たることが多い。この点においても、レジストロは正史から抹消された歴史がある。  長崎二十六聖人の名を冠したこの教 ...

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カリブ海の〃楽園〃を往く〜第40回県連ふるさと巡り〜(6)=いざハラバコア移住地へ=51年ぶりの再会に涙も

ニッケイ新聞 2013年11月13日  ハラバコア移住地に向けて出発する。途中混雑していると思ったら、トラックが横転している。さすがドミニカ。  ガイドに電話が入り、一人がホテルにまだいるという。すぐさま内藤さんがバスを降りる。後から聞くと、ヒッチハイクで迎えに戻ったという。さすが内藤さん。  バスは北上する。自然のなかに、貧困 ...

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