外国人のする相談の内容が「年金、病院、介護」に変わってきたとき、各方面へ就職した子供世代が当たり前にいれば、日本人がボランティアをお膳立てする必要はなくなる―と冨田さんは訴える。 「でもね、学校・幼稚園の先生、保育園の保育士さんは公務員だから外国人はなれない。がっかりしちゃうでしょ」。 産業界の要請で単純労働者として入れられた ...
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在日日系社会の教育意識=エスコーラ・フジの場合=(6)=地方にある国際問題の現場=行政で共有されない意識
「フィス」の夏休みサポート教室は午前か午後の2時間。基本的には一人の児童に一人のボランティアがつく。ボランティアは高校生が多い。コーディネーターを務める白銀真由美さんはこう話す。 「来たり来なかったり、ということもあるけれど、指導の高校生に懐いて、今日もあの人がいいって指名する子もいる。来てしまえば2時間とても集中していてすご ...
続きを読む »在日日系社会の教育意識=エスコーラ・フジの場合=(5)=言葉の問題が進学相談に影響=忙しい親、反抗期の子供
しかし、静岡県の富士市役所で外国籍児童へのサポートが何もないわけではない。外国人スタッフを置いて夜や土曜にも相談を受けている国際交流ラウンジ「フィス」は、外国籍児童への学習支援のほか、その父兄の懇談会や進学相談会を設けるといった活動を行っている。 この窓口は、同市の外国人増加に伴い何か対応をしなくては、という市側と、外国人支援 ...
続きを読む »在日日系社会の教育意識=エスコーラ・フジの場合=(4)=外国籍だと義務教育の対象外=高校は入っても難しい大学
フクヤマ校長は「ここをレフージオ(避難所)と思っている親もいるかもしれないが、〃学ぶ場所〃」と断言する。 現在の日本の法律では外国籍の子は義務教育の対象外となっており、また、「一条校」(学校教育法の第一条に掲げられた教育施設。外国人学校は該当しない)が提供する教育以外は義務教育と認められていない。 つまり、外国籍の子が公立小中 ...
続きを読む »在日日系社会の教育意識=エスコーラ・フジの場合=(3)=帰伯が前提でない生徒も=公立校への不信感の原因は
これに対し、「日本の小学校のほうがいいよ」と言うのが友人の望月パウロさん(三世)。 16歳で来日し、同じく日系ブラジル人女性と結婚。6歳の息子は日本の小学一年生。理由は、「ブラジル人学校は学費が高い。日本の学校は設備がしっかりしているし、いろんなことをやれる。それに学童(放課後学級)で夕方まで預かってもらえるから共働きできるし ...
続きを読む »在日日系社会の教育意識=エスコーラ・フジの場合=(2)=公立校との使い分けは=子の将来は日本、ブラジル?
日本語を流暢に話す生徒には、日本の小中学校から転入してきた子が多い。親が帰国を意識したり、日本の学校の慣習に馴染めなかったり、と理由はさまざまだ。転入後も日本人の友達と連絡を取ったり遊びに行ったりするという子が多い。 一方、プレ・スクールからずっとブラジル人学校に通っている子らはほとんど日本語も話せず、放課後もあまり外出しない ...
続きを読む »在日日系社会の教育意識=エスコーラ・フジの場合=(1)=経済危機、震災越え継続第一外語は英語、第二に日語
ブラジル経済は大不況に突入しそうな雲行きの一方、日本は東京五輪に向けて人手不足という状況の中で、今年3月の出入国管理統計でリーマンショック後初めて、日本へ入国するブラジル人が出国者を上回った。デカセギブーム再来の兆しが生まれている。そんな中、在日日系コミュニティ最大の問題は子弟の教育だ。同ショック後にブラジル人学校は半減したと ...
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