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2015年

第44回ふるさと巡り=メキシコ、交流と歴史の旅~榎本殖民地を訪ねて~=(2)=厳重ホテルに警戒気分=ゴンちゃんガイドで睡魔

 部屋の冷蔵庫に鍵がかかっているので謎に思っていると、20ドルほどのデポジットを入れないと鍵をくれないという。ふ~む、なかなかに厳重だ。そしてホテルの貴重品ボックスの扉に鍵も鍵穴もない。これもフロントにお願いしなくてはいけないという。なんといちいち面倒くさいシステムなのか…。高齢者が90人もいるのに、チェックアウト時の混雑が容易 ...

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終戦70年記念=『南米の戦野に孤立して』=表現の自由と戦中のトラウマ=第17回=対伯批判できない邦字紙

3回もヴァルガスから国外追放令を出された三浦鑿日伯新聞社主

 戦争中の経験は移民史上に残されず、心の奥底にうずき続けた。 サ紙創立に関わり、文協事務局長、県連会長も務め、コロニアの裏面をよく知っていた藤井卓治は「日本語新聞最大の欠陥は、ブラジルの政治批判が許されないことにある。三浦日伯は日本の出先官憲批判で、時報と対立となりブラジル政治批判のワナにひっかけられて2度も国外追放の憂き目をみ ...

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第44回ふるさと巡り=メキシコ、交流と歴史の旅~榎本殖民地を訪ねて~=(1)=いざ、メキシコ(墨西哥へ)!=タコスとビールに酔う初日

ソカロ(中央広場)から見た街角。ビルの合間からラテンアメリカタワーが見える

 9月24日~10月1日の日程で『県連第44回ふるさと巡り』(本橋幹久団長、参加者数90)でメキシコを訪れた。世界で唯一、日本人学校と現地校が融合した「日本メキシコ学院」、首都メキシコシティや古都クエルナバカを観光、そして今回の目玉、ラテンアメリカ最初の日本人殖民事業の舞台となった「榎本殖民地」をグァテマラ国境に近いチアパス州に ...

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終戦70年記念=『南米の戦野に孤立して』=表現の自由と戦中のトラウマ=第16回=戦中にブラジル政府に抗議?

戦前に宮腰千葉太述で出された『日本精神講話』の目次

 『受難』の中の半田知雄日記には、こんな記述もある。《42年2月26日=第五列の嫌疑で捕まった人たちが、(留置場において)どんな生活をしているかは、多くの同胞が知りたがっていたことであったが、九十日も独房に入れられて、娑婆へ出て来たときには、見違えるような白髪の老人になった人……》 ただ収監されるだけでなく、戦争中は「第五列」( ...

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終戦70年記念=『南米の戦野に孤立して』=表現の自由と戦中のトラウマ=第15回=戦中に拷問された戦前指導者

野村忠三郎

 戦争中のことに焦点を絞った貴重な文献『戦時下の日本移民の受難』(安良田済編著、11年)には鳥取県人会会長を30年も務めた徳尾恒壽の日記が転載されている。開戦時に東山銀行の経理部主任をしていた。《▽1942年2月26日=聞けば多くの邦人が何かと疑いをかけられて、警察に引っ張られ、歩行も出来なくなるほど叩かれた者もあるという。憤り ...

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終戦70年記念=『南米の戦野に孤立して』=表現の自由と戦中のトラウマ=第14回=「死ぬような思い」とは

南銀創立者の一人、加藤好之(『南米銀行五十年史』1994年)

 1941年12月、太平洋戦争が勃発し、ブラジル政府から最初に目の敵にされたのは戦前の日系社会指導者層、つまり戦後の認識派リーダーであった。戦前に大事業をやっていた東山農場、日系商社、ブラ拓などは資産凍結、もしくは政府任命の監督官が送り込まれ、枢軸国側からの攻撃でうけた損害を移民の資産から賠償するために差し押さえられた。 南米銀 ...

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終戦70年記念=『南米の戦野に孤立して』=表現の自由と戦中のトラウマ=第13回=英米領事が尋問に同席

DOPSとして使われていた建物

 『戦野』68頁には、驚くべき記述があった。《サンパウロの保安課ではアメリカの領事と、英国の領事が相互に出張し、彼らの諜報機関からの情報や調査を基本として、指令を与えたり、在伯、日、独伊人に対するブラジル警察の活動に助力を与えたりして居るので、サンパウロ市の警察下級官吏は、虎の威を被る小狐の如く、英米崇拝に心酔し、為に日独の高位 ...

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『百年の水流』開発前線編 第一部=北パラナの白い雲=外山脩=(52)

現在のアサイ中心街

 この平十さん、ブーグレ時代、大事にしていた良馬を盗まれた。怒り心頭、200キロもの距離を探し回った。ジャタイを経てロンドリーナまで行ったが、見つからなかった。しかし「人間万事塞翁が馬」で、ジャタイの路傍の叢に、野生の棉が開花しているのを見つけた。白く柔らかで豊かな繊維のかたまりをつけていた。 それまでは、北パラナのテーラ・ロッ ...

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終戦70年記念=『南米の戦野に孤立して』=表現の自由と戦中のトラウマ=第12回=日本移民版「出エジプト記」

強制退去の様子を報じる『A Tribuna』(サントス)1943年7月10日付け(AESP)

 岸本昂一はこのサントス強制立ち退きを《大南米におけるわれらの「出埃及(エジプト)記」》(同42頁)と譬えた。 岸本のようなキリスト者にとって、ユダヤの民がモーゼに導かれてエジプトを脱出する苦難の歴史に匹敵する大事件であった。何千年経っても忘れない様に、ユダヤ人はその出来事を「旧約聖書」に刻み込んだ。 6500人もが追い立てられ ...

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『百年の水流』開発前線編 第一部=北パラナの白い雲=外山脩=(51)

臼井介仁支配人

 この地方は今日、国内有数の穀倉地帯となっている。何処まで行っても、車窓遥か地平線まで続く無数の大農場、しばしば現れる大、中、小の多数の都市から成っており、小国くらいの規模はある。まさに国造りをしてのけた観がある。 筆者は、晩年の宮坂を知っているが(あの宮坂さんが、何故、そういう悔いを千載に残す決定をしたのだろうか?)と不思議で ...

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