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2016年

JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆=第1回=役に立った危機管理の経験

2015年7月11日、テイシェイラ・デ・フレイタス日本語学校校舎落成式にて

 JICA日系社会ボランティアが今年、30周年を迎えたのを記念して、現役と経験者による20人ほどのリレーエッセイを、毎週1回をめどに掲載することになった。青年とシニアそれぞれから、ボランティア時に最も印象深かった体験談や、その後に役に立った経験を中心に、派遣された団体の紹介を、エッセイ風に書いてもらった。30年は長い。いろいろな ...

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『百年の水流』開発前線編 第二部=南パラナ寸描=外山 脩(おさむ)=(5)

 1939年、欧州で大戦が勃発。後に第二次世界大戦と命名。  1941年12月、日本が米英に開戦。翌1月末、ブラジル、日本と国交を断絶。  何の責任もなかったが、在伯日本人に対する迫害が、各地で始まった。 ケブラケブラ、発生!  1942年9月、アントニーナとパラナグアで、突如、ケブラケブラが発生した。暴徒の群れが、枢軸国人の商 ...

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『百年の水流』開発前線編 第二部=南パラナ寸描=外山 脩(おさむ)=(4)

二人妻  長谷川武は人格者で、後に邦人社会のため献身的に尽くした──と資料類には記されている。  以下、前出AYUMIよるが。──  長谷川がサンタ・オリンピアに居た時、高田はまこという女性がやって来て、一緒に暮らし始めた。彼女は、長谷川がリベイロン・プレットに居た時に知り合ったという。  ところが、長谷川は、実は日本を出る前に ...

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『百年の水流』開発前線編 第二部=南パラナ寸描=外山 脩(おさむ)=(3)

 マレッタで仲間の4人が去った後、残りの長谷 川武と堀部栄吉は、少し北のカショエイラ川の近くに移動した。そこは地主によると「マレッタの心配はない」ということであった。  しかし二人だけでは、どうにもならない。伝手を頼って、新しい入植者を探した。やがて安元茂吉・青太兄弟、原甚五郎・美作兄弟が入植した。  さらに何人かが続いた。殆ど ...

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『百年の水流』開発前線編 第二部=南パラナ寸描=外山 脩(おさむ)=(2)

 アントニーナに未だ活気があった1907年、―日本人が訪れた。名は内田定槌(さだつち)。  リオ州ペトロポリス駐在の日本公使であった。  ポ語版のパラナ州日系社会史『AYUMI(歩み)』によれば、内田は付近を歩き、湿地帯が多いのを視て「稲作に適した土地だ」と言ったという。  それを聞いて記憶していた少年がいた。名はエイトール・ソ ...

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『百年の水流』開発前線編 第二部=南パラナ寸描=外山 脩(おさむ)=(1)

 前回の『北パラナの白い雲』を書いた折、筆者は取材のため、現地を10回近く訪れた。2013~15年のことであるが、その間、何度か南パラナにも足をのばした。  ただ、この南パラナ行は、事情があって、クリチーバとパラナグア湾の南岸地域に留まった。しかし幾つか印象的な話に接したので、ここで寸描する。  付記しておくと、南パラナというと ...

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静岡県=外国人子ども支援員養成講座=来日児童生徒をどう受け止めるか=(7、終わり)=教育の枠組みを練り直す時期では

「のびっこクラブみしま」の学習の様子

 4年間のエクアドル生活から帰国すると、日本の学校にはしきたりやルールが無数にあった。  娘たちは疑問を持ちながらも必死に順応しようとしたが、家庭ではその疑問が怒りや反抗や疲労となって表れた。学校では自分を出すどころか「どうして」と聞くことすらできない。息苦しさに悩み、何度も学校と話し合ったが最終的には「みんなが勝手なことをした ...

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静岡県=外国人子ども支援員養成講座=来日児童生徒をどう受け止めるか=(6)=多様なあり方を認める社会に

カサ・デ・アミーゴスでの勉強会の様子

 一言で「支援が必要」と言っても、来日したばかりの子供だけを指すのではない。日本で生まれ育って日常会話に支障がなくても、学年相当の言語能力が不足し、支援が必要な場合もある。  その場合、日本語能力の不足だけが課題なのか、母語での認識能力がその水準まで達していないことが原因なのかなど、複数の面から考慮しなくてはならない。そしてこの ...

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静岡県=外国人子ども支援員養成講座=来日児童生徒をどう受け止めるか=(5)=頼もしいボランティアの広がり

原ケイラさん

 支援未経験で受講した外国人のある参加者は、「実際にやってみないとわからないけど、自分の言葉を使って助けてあげられたらうれしい」と感想を話した。  すでに支援員として活動している参加者からは「とても参考になった」「あの時はこうすればよかったのかと考えさせられた」「紹介された方法や教材を取り入れてみたい」と講義の内容を評価する声が ...

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静岡県=外国人子ども支援員養成講座=来日児童生徒をどう受け止めるか=(4)=同じ市でも部署で異なる認識

冨田貴子さんが講師を務めた講座の様子

 そもそも外国籍・要日本語支援の児童生徒について担当している部署が、市町の職員でも認識があいまいだ。  学校関係はたいてい「学校教育課」や「子ども育成課」のような課が対応するのだが、外国籍や日本語支援が絡んでくると「地域自治課」や「多文化共生課」のような課が一部担当していることもある。受付で案内された部署ではなく、別の部署へ回さ ...

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